人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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ラナ?それに髪って……それが、もしかして例の魔女の名前?……さぁ。何が対価に相応しいかなんて、私は知らないわ。
(見知らぬ名前に関連する単語に髪と続けば、その存在について確認するように言葉を繰り返した妖精の声のトーンは一段落ち。人柄云々以前に、悪魔と契約した存在と言うだけで好意的な見方は出来ず。対価、と聞いてはさらにすぅと眼を細める。彼女には危険な存在になるべく関わって欲しくない親心にも似た心配を抱いてもいれば、言葉少なく、素っ気ない返答を紡ぎ。話題が行き先に移れば「畑って、耕せる程の柔らかい土は此処には無いんだけど……今日は奥だけね、了解。異論は無いわ。でも台は止めたら?それこそ、掃除屋達のご飯になっちゃうわよ」硬い石の地面に鍬を打ち付ける彼女をを想像し、呆れたように肩を竦め。最初から手を広げすぎない選択に賛同する姿勢をみせ。しかし人工物は、石や苔しか知らぬであろうスライム達にとっては未知の味になりかねない。そんな予感を口に出し、真っ直ぐ通路を進む。やがて暗くじめじめした空気から、魔素の粒子が煌めく宝石箱のような拓けた空間に到着する。「いつ見ても綺麗ねぇ……」淡く発光する六角水晶や、燃えるような柘榴石、海の青さを閉じ込めたかのような藍玉。見渡せば何処もかしこも異彩な輝きを放っている光景にうっとりし妖精は気付いていないが。良く目を凝らせば、均一に伸びていた一部が不自然に欠けていたり、壁ごと削り採られていたり。小手調べにサンプル採取でもしたかのような微かな跡が見受けられることだろう)
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