人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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感謝するのはまだ早いと思うのだけれど──強制転移ねぇ。それならぁ、どの方法でも受け付けてるわぁ。
(一度頭を下げられ、晒されたつむじを見下ろし。結界について幾つかを上げていく中で静止を促されては、過激な方法をあえて提示していたのもあってか、クスッと笑む吐息が空気に落とし。複数の択から選ばれた一つ。自分か、呪文か、道具か。再び片手を胸の前まで持ち上げ、次は三本の指をゆっくり立て、ゆらりと左右に振り。そして彼女の細い指先を見詰め「まぁ……転移魔法を?面白い子ねぇ。何処か行きたい場所でもあるのぉ?」と、世間話を続けるような気軽さでのんびりと問い掛けるも、示された対価には口を噤み。数秒の沈黙が流れる。やがてベールの奥の唇を開き。「そのどれも合わせたとしても、足りないわぁ。全てワタクシでも手に入る物だもの。夜さんにとって結界を張ることはぁ……献血や石屑、空気を売れば買えちゃうような、そんな軽いものなのかしらぁ?」一度手に入れた人の血、原石でも無い欠片、使い道の乏しい空気。声のトーンが一段落ちる。上げていた片手を自分の頬に沿わせ、彼女にとっての願いの価値について疑問を投げ掛け)
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