人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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あらあらぁ、ワンちゃんみたいに元気な女の子ねぇ。
(天真爛漫を絵に描いたような存在が、頭上には星の海が煌めく空間に踊り出てくる。溌剌とした声に答える占い師は、おっとりとしたマイペースを崩さず。やんわりと、フェイスベールの上から頬に片手を添えくすくすと控えめな笑いを刻み。顔を寄せられれば、いつだったか。生命力に溢れたその若々しさを欲した気もする。一拍も二拍も遅れ、彼女が紡ぐ以前の出会いの欠片を「夜さんにぃ、魔法使いさん、それからぁ髪と血液……」と復唱し、考える間を作り。見てよと促され、金の双眸に艶のある黒髪を映すが、抜け落ちた記憶では比較対象がおらず。血の対価も珍しくは無い。うーん、と小首を右に傾げ。「何となく覚えているような、いないようなぁ……うふふ、ごめんなさいねぇ。それで夜さん。貴女は、ワタクシに何を求めて会いに来てくれたのかしらぁ?」頬から手を離し、にっこりと微笑む。相手の過去や未来を視ることになればまた思い出すだろうし、現時点では重要度も薄い。それよりも、と話の腰を折れば問を投げかけようか。明るく悩みの薄そうな彼女だが、何かを抱えていなければこの店は見えないのだから)
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