ある日、森の中(〆)

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人外好き  2017-08-01 03:59:39 
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  • No.1035 by ラウル  2020-08-08 18:48:35 



何処を気に入ったか?……さてな。陣からの呼び掛けにコイツが応え、梟は手足として使い勝手の悪くない分類だったから拒まなかっただけだ。……だが、従順で賢い頭は、悪くないと今は思っている。
(梟と自分を見遣るダークブラウンの瞳。首を横向かせては、肩の上から彼女を一心に見詰める使い魔に視線を向け。遠い昔、年少期に召喚の義を行い、己を主人として選び現れた一羽の従者。不都合があれば破棄を視野に入れ、それなりの当たりを引けば関心薄く契約を結び、一度も解消せず今に至るその理由は。普段は働かせない思考を巡らせ、昔を思い出し。あっさりとした声色で答えるも、最後の一文はフードの奥に隠れた蒼い双眸を細め、僅かながらの愛着が言葉に滲み。梟はそんな魔法使いを一度振り返ってから、また彼女に注目し。「冷血と言いたいのか?だが、貴様がその木の開花を短くしたのは事実だろう。それに俺なら採取する為なら吝かでは無いが、必要以上に無闇には奪わん。鑑賞するだけの貴様と俺は、さて、どちらが酷い奴なのだろうな?」自分こそが正しいと凝り固まった頭は、彼女から放たれた言の葉に痛み刺さる腹も心も無ければ動じず。目的を叶えるべく手段に出はすれど、有効活用はする。花弁とて材料の一つ。そこに悪戯に弄ぶ気は無く。嫌味にさらに嫌味を上塗りしては、相手に底意地の悪い問を投げ掛け。「あるにはあるが、対価も無しに俺が教えるとでも?貴様は何の為にユニコーンを探しているつもりか、思い出してみろ」助言への求めには、無償で手を貸すつもりは無く。だからこそ、ユニコーンの血と引き換えに一つの呪文か願いを叶える取引をしている訳で。兎の容態も、いつぞやの妖精と同じく、放っておけば意識を取り戻す程度の軽症と判断しており、冷たい響きとなって聞こえるだろうか。二人が会話している間に香水の効果は薄れてきているようで、宙を舞っていた青や金の蝶達が徐に軌道を変え、一匹、また一匹と飛び去っていく。もう少しすれば、他の兎達も匂いに魅了された状態から目を覚ましてくる頃かもしれない)

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