人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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私は──人間よりも長生きとか、美しさとか、そう言うのはいらないけど……魔法使いさんやジュリーとね、あっという間にバイバイになっちゃうのはやっぱり寂しいって思うんだよ。…魔法使いさんは思ってないだろうけどねー。
( 問い掛けには一度確りとした否定の為首を横に振る。老いるのは生きていれば普通の事で、生を受けたモノは遅かれ早かれその命を終えるのが当たり前。ねじ曲げるつもりは毛頭ない。けれど…胸の奥の奥に巣食う寂しさは消えなく、これが大きく膨らんだ時、相手が危惧するような事が起きるだろうか。しょんぼり、といった言葉ピッタリ、耳があれば垂れ下がった姿がアリアリとわかる口調と表情を見せるも、すぐにらしくないとも思えば最後はおどけたように相手の気持ちを代弁してみせ。「私ね、悪魔って呼び出せるって本で読んだ事あるよ。…あ!勿論しないからね!絶対しないからね!」“知り合いの魔女”については伏せようか。ひっそりと胸に隠したまま悪魔の話をちらりとしつつ、相手の性格上、特別難しいであろう分かり合いに「そうだねぇ」との同意を一つ。さて、褒め言葉も響かなければ次の手は何か。このままでは早く帰れと言われるか、場所を移動されてしまう。無い頭で懸命に次なる呼び止めを考えつつ野兎に手を伸ばしたその時、あんなにもふもふで可愛らしい顔をしていたはずの兎がグワッと大口を。反射的に手はピタリと止まる。続いて認識したのはその口の中にビッシリと生える凶暴な牙。「ッ!!?魔法使いさん!!モンスターだよ!!」一瞬フリーズした思考が元に戻るまで凡そ一秒。手を引っこめると同時に跳ねるようにして立ち上がれば素早い動きで以て相手の後ろにサッと隠れ隙間からビシッと兎を指差して )
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