人外好き 2017-08-01 03:59:39 |
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一つも無いのか。ならば俺が貴様を認めんのは、理不尽な行いでは無く自然な道理だろうが
(言葉に詰まる様に畳み掛けるように、理にかなわぬ非難をされる覚えは無いと、体の前で腕を組み堂々と言ってのけ。「寿命が尽きぬうちに、そのような日が来るとは思えんがな」努力に関しても、その伸びしろに微かに興味を抱いたことが無いわけでは無いが、やはり期待は薄い反応を返し。「さてな。貴様に仔細を明かす理由は無い。しかしあの羽虫がのこのこと騙され、大人しく黙ってやられる虫だとでも貴様は思っているのか?」妖精の鱗粉や血は良い材料になる。その思惑は秘めたまま、話題の焦点を妖精へと向ける。口喧しい憎き羽虫。罠に陥れても、反撃はしてくるだろう。向こうからも手を出せば、無論黙ってやられるつもりは無く。しかし紡ぐ言葉は内心とは少しズラしたニュアンスに近い問を投げ掛け。「は?釣られるわけが無かろう。何だその馬鹿げた質問は。犬並みの嗅覚を、俺が持っているとでも勘違いしているのか」誘われる側に己の名が出されては、ふざけているのかと、低い声に微量の怒りを含ませ。使い魔の梟は魔法使いの寄りかかる木の枝に留まり、主人の命があれば直ぐにでも襲いかからんばかりの体勢で二人の様子を伺っていて。「そんな姿で良いなら普段見せているだろう。子守の時でも無いのに、貴様の願いに付き合ってやる気は毛頭無い」言い直された内容は、特別香水作りに固執する必要は無いように感じ。ただで求めに応じる気にもならなければ、抑揚の乏しい無愛想な声で彼女から視線を逸し。周囲に飛び交う蝶は数を増し、ひらり、ひらりと空中で優雅な舞を披露し。野兎も、くんくんと鼻を引くつかせてはその内の一羽が彼女の足元へと近寄ってきていて)
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