夕樹 美月 2016-07-23 13:13:25 |
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( 舌打ちなんて気にしない。ふにゃりと笑みを零すとお姫様抱っこをしてくれた彼の首に両腕回し。たった1日だけでも良いから、我儘言いたい。明日になったらちゃんと彼の事を振り切ろう。そう考える後、ゆらゆら揺れるゆりかごの様な抱っこでどこに向かっているかも分からないまま、睡魔が襲い目を瞑って夢の中へ。)
(部屋へと歩いている最中、相手が眠っていることが分かり。抱き上げたまま部屋へと入ると、ベッドの上に相手を降ろし。バッグもヒールもそのままだが、脱がせてやるという優しさは持ち合わせておらず。寝ていては何があったのか聞けない為、相手の頬を軽く叩いて)
.. ん、( ふわふわとした感触と共に頬を叩く音が。ゆっくりと目を開けると彼の顔が目の前にあり、数秒頭がショートしてしまい。そして目を擦りながら上半身を起こすと辺りは普通のホテルとは違う煌びやかな妖艶な雰囲気が部屋を埋め尽くしていて。ここはラブホテルか。地味に納得してはヒールを脱ぎベッドの下に落とし。)
……何があった。
(頬を叩けば相手の目が開き。起きたと分かるとベッドの縁にどさりと腰を降ろし、煙草を取り出して。火を付け、一吸いしている間に、相手のヒールが落ちる音が聞こえて。先程のように取り乱しておらず、落ち着いて目を覚ましたと分かり、上記を低い声で尋ね)
.. あの後帰ってたら、男の人が3人出て来て車に乗せられそうになって走って逃げてたの。( 若干怒り気味の彼に顔を俯かせてぽつりと話し出し。そりゃそうだ、振られた女が助けを求めてもうざいだけだ。はあ、と溜息付けば握られ赤くなっている腕を摩り。「 .. 迷惑掛けてごめんなさい。」とシュンとした口調で取り敢えず謝りっては。)
……まったくだ。
(相手の謝罪に遠慮することなく、しれっと上記を返し。次いで、煙草の煙を長く吐き出してから、「…で、その男どもの顔とか服装とか、覚えてるか?」と、視線だけ鋭く美月の方へ向けて尋ね。尋ねながら脚を組み)
.. ごめんなさい。( 己の言葉に同調する様に言う彼にまた顔を俯かせて再び謝り。「 んん、髪の毛は金髪と赤髪と黒髪、服装はちゃらかった。」と何だかよく分からない彼の質問に考える素振りを見せ上記述べては。)
……他に、特徴は?
(相手から出た情報だけでは、いまいち絞りきれず、更なる情報を求め。尋ねてから立ち上がり、煙草をくわえたまま冷蔵庫の方へと歩いていき。その扉を開け、中から水のペットボトルを一つ取り出し)
特徴.. 、ごめんなさい、思い出せない。もう良いよ、結局無事だったんだから。( ただただ逃げる事に必死だった為に有る程度の容姿以外は記憶に無く、上記を申し訳なさそうに述べ。そろそろ落ち着いてたし、帰ろうかな。そう思えば「 助けてくれてありがとうございました。.. もう、瀧賀さんの前には現れないと思うから。」と彼を見てにっこり微笑み、スルリとヒールを履き立ち上がり鞄を持って扉へ歩を進め。)
…………待て。
(くわえていた煙草を一吸いしてから、それを灰皿に起き、ペットボトルのキャップを捻り、水を喉へと流し込み。そうしているうちに、相手は別れの言葉を述べ、扉へと向かっていて。引き留める気持ちなどなかったのだが、ふと、こうして何時も擦れ違っていたことを思い出し。引き留める言葉掛けを)
.. ん?( 自分としてはさっさとこの場から立ち去りたい。何年間も思い続けた彼に振られた後長く居座るのは気が引けるし、辛い。ドアノブに手を掛けた瞬間引き留めの言葉が掛かり、そちらを向かずに1文字だけで返事をし。)
………お前のことは、覚えている。
(相手が立ち止まれば、少し間を置いて上記を伝え。言うまいと思っていたが、あまりの焦れったさにその思いは消え。ペットボトルをテーブルに置いては、相手の傍へ寄るわけではないが、その背中に視線を向け)
.. へ、( 返ってきた言葉は予想を覆す程の威力があり。瞬きするのも忘れる位身体が硬直し、やっと口から出た言葉は間抜けな単語で。じゃあ、今までの事は何だったんだろうか。「 なんで、嘘吐いたりしたの。なんで、冷たい態度取ったの。なんで、.. ホテルであんな事したの、」と今にも泣きそうに目が潤み唇を噛み締めているが、それを見られたく無い思いから扉に手を添え背を向けたまま質問攻めをし。)
……俺を、諦めさせる為だ。
(3年前のことを振り返り、相手が己との関係は終わりにすると決め、歩み出していたところに己が再び現れ、気持ちを揺るがせてしまったことも思い出され。そして今回の件。理由を聞かれれば、端的に表すと、上記のようなことで)
.. 馬鹿じゃないの、簡単に諦めれる程蓮さんの事軽く思って無かった。( ツカツカと彼の元へと歩めば目にいっぱいの涙を溜め、溢れない様に目に力を入れて唇噛み締め上記。「 .. たった1人ぼっちだった私に手を差し伸べてくれたのは蓮さんだけだった。.. 本当に好きだったの、大好きだったの。」と過去の自分の回想と共にずっと想っていた事を伝えては。)
………それなら、俺も聞こう。 ……あの時、俺らは距離を置いていただけじゃなかったのか?
(己の女々しさに嫌気が差し、虫酸が走るような思いだったが、このことを互いに確認しておかなければ、前に進めないと思い、言葉に出して問い。僅かに目を細めて相手を見据えて。しかし、言葉足らずは相変わらずで)
.. へ、距離を置いていただけ..? 私はてっきり、( あの時別れて、自分は惨めに未練たらしく”元彼”の事をずっと想い続けて来たのだと思っていた。きょとりとした顔で彼の言葉を反芻し。距離を置いていたという事はまた付き合える余地があるのだろうか。でもそんな事、都合が良過ぎて言えない。だって私はつい先程振られたばかりだから。)
……そうだろうな。 …だから俺も、お前が俺と別れたと思っているのなら、もう関わらない方がお互いの為だと思った。
(てっきり、に続く言葉は、別れたと思っていた、だろうと容易に想像でき。そこから、更に己の当時の思いを吐露し。相手と対峙する形で向き合っては、見下ろし)
.. そんな事思ってたなんて知らなくて、勝手な事言って本当にごめんなさい。( 勝手に振られたからだの思って彼から避けて来たのは自分で、深く物事を考えていた彼に申し訳無く思い頭を下げ謝罪を。)
あぁ。 ……お前は俺を苛つかせる天才だな。
(皮肉を込めて上記を言えば、片方の口角を上げ鼻で笑い。これで話は終わりだと言わんばかりにソファへどさりと腰を降ろし。吸いかけの煙草があったことを思い出し、手を伸ばしてそれを取り、口元へ持っていって)
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