桃亜 2015-04-30 21:55:36 |
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学カルで記憶喪失の話です。
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いつでも、側で笑っていた。
俺の太陽みたいな存在。
けど、もうその太陽は俺の事なんか忘れて何処かに姿を消した。というか、自分が隠れた、のだが。
高校2年生の、夏の事。
本当にいつも通りだった。
普通に朝食を食べて制服に着替え、家を出て学校へ。
そんな当たり前の日々の中で、無いだろうと思っていた事が起きた。
通学路を歩いている途中。
信号の辺りで人が集まっている。それも、倒れた人を取り囲む様に。
スルーしようと思ったけど、出来なかった。何でかは分からないが、引き寄せられる感じがしていたから。
そして、ふらふらと人が集まっている場所へ歩いていく。近付いていくと、その取り囲んでいる人達が見ているのが、人間だと分かった。
その人間が知り合いだったら、という不安な思いを抱えながらも、誰かなのかを突き止めようと少しずつ、少しずつ進んでいく。そして、チラッと綺麗な顔が見えた。
それを見た時に、カルマには痛い程の衝撃が走った。
「え…?が、くしゅう…?」
そこには、周囲の人に声をかけられても全く反応を示さない、浅野学秀…
カルマの、彼氏が居た。
病室の中で、担当医の声がする。
直ぐ病室に入りたかったが、担当医に「ちょっと待って」と止められたので部屋の外で待機している状態だ。
会話を聞いてみるそ、自分の名前は分かりますか?とかを聞かれてる。記憶があるのか調べているのだろう。
学秀は、全て覚えているみたいで、病室から担当医が出てきた。「入って大丈夫です」とだけを伝えられた。そして、部屋から出ていく担当医と入れ替わる様に部屋に入り込む。
浅野はベッドで横たわっていた。
頭に包帯が巻いてあったが、少し元気そうだった。その様子に安心してぼろぼろと涙が溢れそうになる。
泣こうとする自分を抑え、浅野の元へ一目散に向かっていく。
「学秀…!良かった、無事なん…」
そう言いかけた時だった。
「誰だ?君は…」
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一旦切ります
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