掴み所のない僕たち【赤司×カノ】

はい、そう簡単には信用できませんので。(キッパリとそう告げれば腕時計をチラリと見やりそろそろ学校に行かなければならない時間の様で。此方も立ち上がり荷物を持てば不気味な程ににこりと笑みを浮かべ「はい、また遊びに来ます。ちゃんと彼に母親らしい事をしてくれると願っていますので。では朝早くから失礼しました」と一礼すれば玄関に向かい出て行き)

あれ…帰った？(扉を開けた瞬間、玄関の閉まる音がする。誰だったんだろ、なんて思いながらリビングへと向かい「おはようございます。」と丁寧に挨拶をする。するとどうだろうか。泣きながら今までの事を謝ってくる母親。なにがどうなっているのか分からない。寝起きの回らない頭で思い出したのが昨夜の相手の言葉。もしかして、と親に聞くものの、来てない、の一点張りだ。あぁ、これで幸せなはずなのになんで満たされないのだろう。こうやって自分を抱き締めるのに愛はあるのだろうか。)

…(本当はあんな脅迫地味た契約なんて友人の母親としたくなかった。本当は言葉で理解してほしかったけど、もはや手遅れ。本来なら学校にいる時間なのだが、どうも気分が乗らずバスケ部主将であり優等生として通っているが学校には行かず街をブラリと彷徨っていて。こうするしか他に方法が無かったとは言え、酷い事をした物だ。これで少しでも本当に彼の事を愛してくれたら良いと願う他なくて。)

…ごめんなさいっ。(前とは違う、優しく接してくる事に恐怖を感じる。何を考えているのか分からない。誰がここまで変えてしまったのだろうか。それとも何かの計算で僕に優しく接しているとか？そう考えると出された朝食も食べるのが怖くなる。耐え切れずに外へと飛び出すと誰もいないであろう路地裏で一人佇んでいて。)

…(いつの間に目的無く力無い足どりで歩いていればひと気の無い細い道に来た様。チラリと何処まで来てしまったのだろうかと周囲を見渡せばまだ家にいる筈であろう彼の姿。思わず声を掛けてしまいそうになるが、母親の急な変化に戸惑っているのかもしれないとぐっと堪えて姿を隠し。携帯を手にとれば「君のお母さんは心を入れ替えたみたいだよ。だから怖らがないで母の優しさを受け入れてあげて欲しい。少しは君に向けられる優しさに気づいてほしい。家に戻れ」とカチカチと文を打てばメールを送信し。ゆっくりと相手に気づかれ無いようにその場を去ろうして)

……やっぱり君だったんだ。(メールの受信音が鳴り響くと、携帯を開いて確認する。相手が何を言ったのかはわからない。だがあの母親を説得するのはかなりの難問だっただろう。急いで文字を打ち始め、「待って。その前に会いたいよ。メール見た感じじゃ、今日は学校に行ってないんでしょ？」とメールを返信すれば、辺りをキョロキョロ見渡す。)

…僕が秘密にしろって言ったのに、ばらしてしまったな(本当はあんなメール打つつもりなど無く一生秘密にしようと思ってたのにな。彼のあんな姿見たら無理ではないか。あーあなんて溜息をついて。「ごめん。会えない」と会いたくない様でそう短く返信をしやり。この場から早く去ってしまうおうと早歩きで)

…待ってよ。(メールの返信に胸がズキ、と痛む感じがした。そのまま返信することなく携帯を閉じると走って周辺を探す。きっとまだ周辺をうろついているはずだ。…相手の姿を見つけるのにそんなに苦労はしなかった。自分と同じくらいの身長で赤髪な人なんで1人しかいない。正面から思いっきり相手に抱きついて。「ごめん。僕、嘘を見分けるの得意なんだ。……ありがとう。」と恥ずかしげに呟けば少しだけ自分より身長の高い相手の頬に軽くキスを落として。)

わッ…⁈…別に礼を言われる事はしてない(いきなり飛びかかられてしまえば逃げる事は叶わず。その衝撃に驚くばかり。しまいには頬にキスなどされては何が起こったのかなど冷静さが欠け分からず。じんわりと頬に熱が篭ってくるのを感じ、ふいっと顔を逸らして。相手には己が助けてくれたと思っている様だが実の所は違う。礼なんて言われれば、罪悪感で胸が締め付けられそうで。相手から離れ「お母さんが待ってるから早く戻ってあげなよ」と今は相手の顔を見れない、逃げたしたくて背を向けてひらりと手をふり)

そんなに照れなくったっていいじゃんか。(段々と赤く染められて行く相手の頬を見ながら思わず笑ってしまい。久しぶりに心の底から笑えている気がしてなんだか擽ったい気持ちだ。相手の言う通り、親の元へ帰らないといけないだろうが正直なところ、今は相手と一緒にいたい。「そうしたら君は一人でどうするの？」なんて手を握っては首を傾げる。…それにしても頬にキスをするなんて。…今思えば結構やらかしてるな、なんて今更なことを考えていたり。←)

…少し吃驚しただけで照れて無い(こほんと冷静さを取り戻そうと咳払いをひとつしては、こればかりは嘘と分かって居ても否定せざるおえなくて。ふんっと顔を背けツンとした態度を。「ストバスでもしに行くつもりだよ。僕は一人で大丈夫だから、気にしなくいい」と引き止める相手に適当な目的をつけて)

はいはい。(ニッコリと、意味深な笑顔を見せればそれ以上問いかけることもしないで。「どうしても駄目？どうしても今すぐ家に帰らなきゃダメなの？」と駄々をこねる子供のように諦めることなく相手に説得する。とはいってもここで断られたら素直に帰るつもりだが。)

…仕方ないな 学校も休んでしまったし(意外に負けず嫌いで頑固。すぐにじゃあ帰ると引くと思ったんだけど、駄々をこねる子供の様に訊ねられてしまえば相手の押しにどうも弱いらしい。最終的に折れたのは己の方で、後できちんと気持ちの整理をするかと一人になる事は諦め、目の前の相手と向かおうか。観念したかの様に上記述べ)

(寝落ち申し訳ないです…！カノ君幸せになってッ！←)

ごめんね。僕の所為で学校休ませてしまって。(折れてくれた事に笑顔を向けると、直ぐに真剣な表情になり、一度謝りを入れる。相手の事だから謝られるのは嫌だと言いそうだが、それだと此方が癪だ。適当に歩き出しては、「学校、楽しみにしてるよ。友達も出来るかなぁ。」なんて空を見上げながら呟く。不安も沢山あるが、弱音は余り吐きたくない。少しでも気分が良くなる思考でいかないとな。)

(遅くなりすいません！今日は5時くらいになるかと…！)

僕が勝手にした事だから謝られる覚えはないよ。それに一度サボりと言うものをしてみたかったんだ、これは中々癖になりそうだね(己が自分の意思で勝手に行動しただけ。僕の所為なんて謝罪されるのもそう思われるのも御免だ。何の事かと白々しい表情で述べてはこれ以上自分の所為だと追い詰めない様に、冗談でも言うおか。学校では所謂優等生として通っており、生徒達から嫉妬や劣等感教師達からの期待。あまり居心地のいい空間とは言えず、たまには不良地味た事をしてもいいではないか。クスッと微笑を浮かべ、普段開けない制服のボタンを開けネクタイを緩めてみたり。「友達が出来なかったら、僕が慰めてあげるよ」何を不安に思ってるのかと思えば、きっと相手ならすぐ人が寄ってくる。心配する事なんて無いのに、相手が自分の遠い存在になる事に寂しい気持ちになるが。励ましの言葉はでなくあえて挑発の様な発言をし。)

(大丈夫ですよー！了解です。ゆっくりで構いませんよー！)

駄目だよ。サボり癖がついたら僕が毎日起こしに行くから。(いつも服装もキッチリとする相手が服装を乱しているのを見れば皆が見ないような姿を見た、と少しだけ優越感に浸ってしまう。相手のデコをコツンと突つくとニヤ、と笑い。言ったのは良いのだが朝は苦手な方だ。…起きれるだろうか。「んー…でも赤司くんが友達だからいいかな。」と相手の冗談に此方も冗談っぽく述べてみる。こうやって冗談を言い合う時間がとても幸せに感じる。)

それは頼もしいな(確か相手は朝が苦手な方ではなかっただろうか。それなのに駄目だと起こしにくるなんて、額を突つかれればお人好しにも程があると小さく笑みを零し。「修哉はそんなに僕と一緒にいたいのかい？」冗談には冗談を。こういった本音を探り合う様な会話は面白くて好きな様で態とらしく相手をチラリと見遣り小首を傾げてみせてり)

う、うん。任せてよ。(苦笑いしながら首を数回縦に降る。…目覚まし何個買えば起きれるだろうか。「えぇ？いやぁ、赤司くんが寂しいかなって思っただけだよ。」此方だって負けるわけにはいかない。たまにはこっちが勝っても悪くはないだろう。ニヤニヤしながら少しだけ上目遣いをし、これでどうだ、と言いたげに見つめる。あぁ、凄く楽しい。君の前だと能力も使わなくても笑えてるみたい。本当に感謝しているよ。…口では言わないけどね。)

…そうだな、君と会えなかった期間寂しくて死にそうだったよ(こうやって駆け引き地味だやり取り、己に対して向かってくるのがちゃんと対等に接してくれているだと嬉しく思ってしまう。上目遣いで何ともあざとく迫ってくる相手を見れば更に弄りたくなるのが己。さっきのキスの仕返しでもしてやろうか、冗談とは言え真剣な眼差しを向け上記述べては相手の額に口付けて。「…なーんてね」なんて相手からパッと離れては悪戯が成功した子供の様ににやりと口角を上げて)

…えっ、えぇっ⁉︎(相手の言葉からキスまでの間が凄く長く感じた。やけに真剣な眼差しで見るのだからピシリと体が石になったように動けなかった。ふと我に返った時は既に行為も終わっていて、悪戯っ子のように意地悪な笑みを浮かべる相手を見れば、一気に顔が熱くなる。「な、な、何やってんの⁉︎僕、男なの！お・と・こ‼︎」依然顔を赤くしたまま相手の肩を思いっきり揺すって上記。あぁ、もう。なんて醜態。嫌な所見られてる。…最悪だ。)