>奏 それなら俺だって…色々有り難うだもん…。(相手の前まで歩いていきゆっくりとしゃがみ込む。彼女は人が良すぎる。こうも俺に優しく接してくれる人はそうそういないため有り難うは此方の台詞だったのだ。相手を見つめると無意識にもう一度頭を撫でていた。この人に俺自身は何をしてあげられるだろうか、大切にしたい人。多分、これ以上の人は居ないから…。