院長 2022-05-01 20:28:29 |
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>91 シキ
( 屈んですぐ傍に見える花々は、生命力の塊とも言えるくらい希望に満ち溢れた美しさを持っていた。お世話の際に見る鮮やかさとはまた違った魅力が感じられる。その一方で、その綺麗なものを摘み取ることへの罪悪感と優越感もまた事実として存在しており。最近野菜を食べられるようになったとはいえ、やはり主食が花であることに変わりはないのだ。柔らかな花弁を摘み取ってしまおうかと手を伸ばし、やはり良くないと思い直して引っ込めた。ちょうど彼が怪我をした様は目に入らず、また彼の声が普段と然程変わらなかったことから気付くことはなく。花へと向けていた視線を彼へと向け、誤解のないように丁寧に言葉を紡ぐ。一人で静かにのんびりと花を愛でる、そんな時間を邪魔してしまっている自覚はある。花を見に来たのは勿論であるが、不快にさせるのは本意ではない。居ていいと肯定してくれるのであればまだ此処にいようか、なんてずるくも彼へと判断を委ねて )
用ってわけじゃないんだけど、なんだか眠れなくて。来てみたら君がいたから、つい声掛けちゃったの。嫌だったらすぐ退くから言ってね。
>92 ハロ
わかった──……うん、ちゃんと覚えたよ。
( お決まりの言葉と共にマジックがスタートした。勿論彼の手は空っぽで、目の前のトランプも何の変哲もない普通のものに思えた。さて、これから何が始まるのだろうか。だんだんと期待感が高まる。他の仲間が見ていない中、自分だけがそれを見届けられるという優越感も相俟って、より楽しみが増幅し。今の自身にできるのは、観客としてそのマジックを見届けることだけであった。見て、少しばかり参加し、そして楽しむ。月明かりの下で行われているからこそ、どこか神秘的にも感じられて。言葉に従ってトランプの山から一枚を引き、彼に見えないように隠しながら確認する。それから、やはり彼には見えないように裏返した状態でトランプの山とは少し外れた位置へと戻し。それからカードに指先を触れさせ、あえてはっきりと間違いでないことを示して )
これが、今引いたカードね。
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