ただ一人特別なあなたへ〆

そっか、そういえばメジロ家の出身らしいね……でも、身内以外の人間もそれ程悪くないよ？実は俺もちょっとした名家の出身なんだけどね…訳あって家飛び出してトレーナーになるまで色んなところフラフラしてたんだけどさ、最初は知らない人だらけですごく怖かったけどいつの間にかその辺の知らない人に助けられたり助けたりできるくらいにはなってさ。だから君も今は無理だけどきっと人前に出ることを克服できると思うよ。
(人前に出た事ないと言う彼女に対して、自分の過去と重ねて周りの人は怖くない、むしろ自分が成長できる要因にもなると力強くも優しく伝え)

そういえばって…アタシがメジロのウマ娘だから声をかけてくれたんじゃないんですか？…変わった人、レースの結果も散々でどこのウマ娘かもわかってないのに声をかけてくるなんて…でも、ありがとうございます。少しだけ気持ち楽になりました……っ！？……って、あ、アンタ、昨日の！
(なんだかんだ言いながら家柄を見て、とりあえずといった感じで声をかけてきたと思っていただけに相手の反応は予想外で、その上この模擬レースではいいところを何も見せられなかった自分にここまで親身に接してくれる相手に緊張もほぐれてクスッと小さく笑うが、次の瞬間突風が吹いて相手の頭に被っていた紙袋が飛ばされて、その下から現れた見知った顔にわなわなと震えながら指差して)

なら良かった…ってうわっ！やべっ……ってバレちゃったか…素顔のままだったら昨日のこともあってまともに話してくれないと思って紙袋被ってたんだけどこれじゃ台無しだよ…
(突然の突風に驚きこのままじゃ素顔見られると紙袋を抑えようとするも遅く、ドーベルに顔を見られたことで昨日の延長で怒られるか、下手したら殴られるんじゃないかと思い頭を抱えて落胆して)

性懲りもなく、今度はあんな格好をして近付いてくるなんてどういうつもり？やっぱ不審者じゃない！…ていうか、なんでアタシはあんな話しをよりにもよってこんな奴に……
(正体が明らかになった途端に初見でのイメージと先程の妙な格好のせいでやはり相手は不審者なのでは、という疑念が改めて沸き上がってきたのも束の間、よりにもよって自分の弱味を知られたのが相手だという事実に絶望して頭を抱えて)

だって絶対変装しないとまともに話してくれないと思ったから……というか紙袋取れた瞬間からそんな態度ってことは俺の事そんなに嫌い？
(先程までは紙袋のおかげもあるだろうがまともに話せていたのに、いざ素顔だと言葉に棘がついたことで本気で嫌われているのかと思い少し悲しそうな表情で)

あ、いや…その…嫌いとかそういうんじゃないけど…気分を害したなら謝る、ごめん
(ついまだ昨日の印象を引きずってその延長線のような態度をとってしまうが、悲しそうな表情を見せられると、そもそも昨日のは冤罪でありどんな形であれさっきも親身になって話しを聞いてくれた相手への態度としては適切とは言えない自身の今の態度を省みてバツが悪そうに謝罪を口にして)

えっ、いや全然大丈夫だから気にしないでね。それよりも言いたいことがあるんだ…断られるの覚悟で言う、俺は君をスカウトしたい。なんでって聞かれるのは目に見えてるから言うけど昨日あの時、君を見て一目惚れしたからだ。だからずっと支えていきたいと思った。
(まさか謝られるとは思わず驚いたがすぐに笑顔で対応し、長々と話すより気持ちを伝えようと決心してドーベルに思っていることを真剣な表情で素直に伝え)

は、はあ？一目惚れって…そんな理由でスカウトされてもアタシとしては全然納得出来ないんだけど……そもそも、アンタの実力もまだ知らないし今すぐ、はいそうですか宜しくお願いしますとはならないわよ…とりあえず仮ってことなら……それも嫌だって言うなら他を当たって
(思い寄らないスカウトの理由に顔を赤らめるがすぐにそっぽを向き、相手のトレーナーとしての手腕もわからないまま契約は出来ないと口にした上で仮契約ということならと譲歩して)

仮で大丈夫です、むしろ本当にありがとうね。それじゃあ明日試しにドーベルの事指導させてくれたら嬉しいな。
(全力で断られると思うも、まさかの仮契約をしてくれとは思わずに嬉しすぎて満面の笑みを浮かべながらも早速ドーベルに自分の手腕を見せたいので明日時間を作ってくれないかと頼んで)

えっ…そ、そう、わかった…場所はグラウンドでいいの？
(自分のような実力も何も見せられていないようなウマ娘が、ここまで生意気な態度を見せれば愛想を尽かすだろうと思っていただけに相手の反応は予想外で、少しばかり戸惑いながら頷き、集合場所を確認して)

うん、大丈夫だよ。それじゃあ明日よろしく頼むね。今日は模擬レースお疲れ様、ゆっくり休んでね！
(無事仮契約でき、明日について話すと彼女も疲れているだろうと思い最後にしっかり労って、自分は笑顔で手を振りながら立ち去り)

……変な人
(帰っていった相手の背中を見送ると、これまで自分が関わったことのないタイプの相手にポツリとそう呟いてから自身も帰っていき)

まだ来てない、か…
(次の日の放課後、指定された通りグラウンドへとやってくれば周りを見回すが、まだ相手は来ていないようで、もう少し待てば来るだろうとその場で相手が来るのを待ち)

(/提案なんですが、キタちゃんは割と史実なぞりつつのガチ育成ストーリー寄りなのでこちらは恋愛要素強めで進めていきませんか？せっかくトレーナーの設定に名家の生まれという要素がありますし、実はお互い忘れているだけで過去に接点があったみたいなのも面白いかもしれないですね。いかがでしょう？
例えばなんですがトレーナーがトレーナーを目指した理由は小さい頃に社交パーティーみたいなとこらで出会って仲良くなったウマ娘のトレーナーになるためで、そのウマ娘が実はドーベルだったみたいな感じとか…)

こ、こんにちはドーベルサン、本日はお日柄もよく、今日もあなたは美しいデスネ！では早速ワタシの手腕を見せるべくトレーニングはじめましょうか？
(仮とはいえドーベルのトレーナーになったことが今でも信じられずなんだか緊張してしまい、気づけば昨日のように紙袋を被ってまた変な口調になってドーベルの前に参上し)

(/その案めちゃくちゃいいですね！ドーベルがツンツンしてるのでなんだかラブコメっぽいなって思ってたので大賛成です！)

やっときた…遅い！…って、何やってんのアンタ…遊びに付き合ってる暇は無いしふざけてるなら帰るけど
(実際はそれほどの時間待たされた訳ではないが、気持ちがソワソワしていたせいか待ち時間が長く感じられようやくやってきたトレーナーを振り返って文句を言うが、またもあの奇妙な格好で現れたことに呆れ果てたような顔をして、真面目にやる気がないなら帰ると言い放って)

(/賛同いただけてよかったです。個人的に脳内少女漫画のドーベルめっちゃ好きなんですよね笑笑)

ごめんごめん、ふざけてるつもりは無いから帰んないで……っとそれじゃあとりあえずもう一度ドーベルの走りみたいから少し走ってもらってもいいかな。
(帰るという言葉にあたふたし、すぐに紙袋を取って口調も直った後にトレーニングをすると言い、昨日の走りはまだ覚えているがもう一度見てみたいと言い)

(/分かります！それと序盤のようにたまにラッキースケベ展開入れても大丈夫でしょうか？)

はあ、全く…それはいいけど…あまり期待はしないでよ
(流石に本気で帰るつもりはなかったため、やれやれと小さくため息をつくのみに留めて、自分の走りにイマイチ自信がないこともあり、走りを見たいという相手の言葉に対してはそう予防線を張り)

(/あまり頻回にでなければ大丈夫ですよ)

えっ？まぁ、ドーベルがそう言うなら分かったよ…無理のないように頑張って。
(というのは嘘で実はめちゃくちゃ期待しており、ドーベルの走りをもう一度見たくて内心うずうずしているがバレないように平然を装い)

(/ありがとうございます！)

…じゃあ行くわ
(それだけ言って早速走り始めると観客や人の目があまりないこの状況でならベストに近い走りが出来ており、昨日の模擬レースよりもずっといい走りっぷりを見せて)

……どうだった？…まあ、ここで多少いい走りが出来たって本番ボロボロじゃ何の意味もないと思うけど
(走り終わった後、相手に対して今の走りについての感想を尋ねながらも、ここでの走りだけ見て評価されても本番で本領を発揮出来なければ結局同じことだと自虐的に口にすれば肩を竦めて)

そうなんだよね…今の走りはとても素晴らしかった。多分同年代の中でもトップレベルだと思うんだけど……う－ん…
(一通りの走りを見てやはり本番にこの力を出せないのは痛いなと感じ、ドーベルに必要なのは普通の基礎トレではなく人に慣れさせることだと思い、なにかないか腕を組んで少し考え)

……よし、今日のトレーニングは駅前で行うよ。ドーベル、10分後に校門前に集合するから制服に着替えてきて。
(いいアイデアが思いつき、早速それを実践しようとドーベルに微笑みながら伝え)

駅前でトレーニングって何するつもりなの…？…わかった、今は一応仮とはいえアンタがトレーナーだし指示には従う
(駅前でするトレーニングなんて聞いたこともないと訝しげな目を向けるが、それでもトレーナーの指示ならと一つため息をついてから渋々ながら頷いて制服へと着替えに戻って)

それで、アタシに何をさせるつもりなの？…アンタの言い出すことってイマイチ不安なんだけど…
(制服へと着替えて校門前で既に待っている相手の元へと歩み寄ると、何となくまだ相手に対する疑念は払拭しきれていない様子で)