「 My Angel, My Devil 」〆

( 2人で身を寄せ合いながら眠りにつき、時間はあっという間に過ぎていった。半日歩き続けた疲れと、久々に飲みすぎたアルコールのせいか真夜中に1度も起きることなく、気が付けば空は白み、徐々にその明るさを増していた。昨日は気持ちの良いほどに晴れていたが、今日は怪しい雲が徐々に近づき、冷たい風の吹く一日になりそうであった。)

……ん、
…あれ、いつの間に、朝に…

( 朝8時、いつもよりゆとりの持った時間帯にゆっくりと目が覚めると、至近距離にある相手の顔をみて驚いた。ほんのりと頬を染めながら身体を離し、半分寝惚けたまま上半身を起こせば、少し頭痛がする事に違和感を覚え、昨夜飲みすぎてしまっていたことを思い出す。自分の行動に羞恥を感じながらため息を着けば、長い髪で表情の読み取れない相手へ「ベリアル、おはよう」と声をかけた。まぁ、きっといつものように寝起きが悪いだろうと思いながら。)

（体の痛みに気付いたのは朝方空が白み始めた頃だった。何度か目覚めては微睡み、その度に羽を引きちぎられる嫌な夢を見た。腕の中に感じる温もりだけが救いのようにも思えて。
相手の声に目を覚ますと辺りは明るく、朝になっているようだった。しかし背中の痛みはより強く感じられて気分が優れない。背中にもじっとりと汗をかいているようだ。）

___…レイ、悪いが今日の約束は日を改めさせてくれ…今日は無理だ。

（この痛みには当然覚えがある、すっかり忘れていたが毎年必ず戒めとばかりに起きること。何千年と昔に地獄に落ちた日を忘れるなと神が警鐘を鳴らしているのだろう。
昨日は楽しい日だったというのに。今日はさすがに外出には付き合えないと横になったまま相手に返事をすると、いくつか必要なことだけ伝えて帰らせようとした。）

ケーキは冷蔵庫に入ってる…部屋はそのままで良い。
明日また連絡する。

……え、日を改めるのは構わないけど。

( 相手の声が聞こえれば、最初は呑気にも「起きていたのか」と呟く。そして、今日は無理だと言われれば、構わないと返事をしつつ、違和感に気付き慌てて相手の顔にかかる髪を払った。元々白い顔には血の気が引き、汗もかいているのが分かる。)

アル、大丈夫かい？
水でも持ってこようか？

( 自分の頭痛なんか忘れ飛び起きれば心配そうに声をかけ、帰らせようとする相手の言葉は気にも止めずにそっと手に触れようとする。
夜中に苦しそうな素振りは見られず、突然の事に正直戸惑っていたし、どうしたらいいか即座に対応ができず。とにかく心配だった。)



(／始まってしまいましたね第2幕っ…←←
そういえば、1つ質問なのですが…レイは毎年この日がある事を知っていたのか、それとも、毎年アルくんはレイに隠していたのか…どちらにした方がいいのか悩みまして…←)

…大丈夫だ、二日酔いみたいなものだろ。
悪いが今日は帰ってくれ…。

（髪が払われて目の前が明るくなるのと同時に澄んだブルーの瞳がこちらを心配そうに見下ろしているのが目に入る。水はいらないと首を振りつつ気怠げな色の浮かぶ目を閉じベッドの上で体を丸めた。
普段しまっている羽根を大きく広げたら少しは痛みが楽になるのだが、それでは相手に背中の傷が痛むのだと気付かれてしまうだろう。相手は敏い。綺麗で清らかな存在の相手には汚い自分を、神に背き罰を受けた憐れな自分を見て欲しくないのだ。
だからこそ、今はこの場所に居ないで欲しかった。）



（／始まってしまいましたね……昨日の甘イチャからの落差がすごくてすみません！！！← 第二章一段落したら(まだ先だけど)一緒にガトーショコラ食べましょうね！！←←
毎年隠していた方向で行きたいです！普段は悪魔として生きているけど唯一この日ばかりは、元は天使だった者が穢れた存在として在る自分が見窄らしくて嫌だ、という感じでしょうか。憐れまないでほしいというのが根底にあると、優しくされるのが嫌だっていうことで喧嘩にも繋がるなーなんて！）

いや、でも……明らかにいつもとは違うじゃないか。

( 二日酔いだという相手だが、普段の二日酔いの様子とはまるで違うことには気が付いていた。ベッドの上で丸くなる様子に静かに布団を掛ければ、そっと肩に触れ、尚も帰る様子は見当たらない。)

…アル、僕が付いているから大丈夫だよ。
……僕になんとか出来るかもしれないから、どこが辛いのか言ってみてよ。

( それは、悪気もなくただただ相手を心配して放った言葉だった。幸いにも仕事は片付いているし、1日看病するぐらいなんともなかったし、辛そうにしている相手の傍を離れたくはなかった。しかし、どうしたら良いのか分からないのも相変わらずで、自分もその辛さを知り、和らげることができると思っていた。)



( ／いえいえ！今から楽しみです…←
食べましょう食べましょう！！

把握致しました！では知らない体で進めますね！
少し思ったのですが、この日の内にすべて行うには、アルくんの身体的にもやはりとても辛そうなので…
今日1日は適度に時間を飛ばしつつ、夕方から夜にかけてレイくんが罠にかかり…翌朝、戒めから開放されたアルくんが異変に気付き…という感じではどうだろうと考えたのですがいかがでしょう？←
その代わりレイには一晩頑張って頂きます←←←)

……っ良いから、俺に構うな。
お前の手助けは要らない、休ませてくれ。

（いつもであれば心地よさを感じたはずの相手の優しい言葉と肩に触れた手。しかし今はそれがどうしても苛立ちを募らせてしまう。放っておいてほしいのに。
何か出来ることがあるかもしれないと手を差し伸べてくれる相手に背を向けて、手助けは必要ないと突き放す。相手が自分を心配し寄り添おうとしてくれる度にドロドロとした嫌な感情が溢れ出してしまいそうになるのだ。
完全にただの八つ当たりだったが、棘のある声色でもう一度相手を帰らせようとした。）


（／わ、それは非常にナイスアイディアです！！
日中は不調＋イライラに徹して()喧嘩勃発、夕方以降にレイくん誘拐パート←に移行して、翌日すっかり体調も元通りになってようやく反省してレイくんの家に行くも帰った形跡なし。何かあったことを察して助けに行く！って感じですね！レイくんには何かとご迷惑をおかけして申し訳ない限りです…←）

…そ、そんな言い方しなくてもいいだろ。

( 背を向ける相手に多少は戸惑いながらも、段々と強くなる口調に此方も思わず反論してしまう。辛そうにしているのが見過ごせなくて言っているだけなのに、と素直に甘んじてくれない相手に眉を顰める。真実を知らないが故に、頼ってくれない相手に不満も持ったようだった。)

…それとも、僕みたい奴は頼りないのかよ。
僕だって、キミの気持ちを分かることはできるよ。

( だが、分かり得ない事だってそこにはある。この時はその可能性を考慮することができず、ただただ勢いに任せて無責任な事を言えば、再度心配そうにその背をさすろうかと近寄った。しつこくも、側にいることが相手の為にもなると考えたのだ。)



(／そうなのです！伝わって良かったですっ！←
申し訳ないなんてそんな…っ！レイはこれでも意外と頑丈なので大丈夫だと思います←
改めまして承諾してくださりありがとうございます！そのような流れでお願い致します。)

（背中の痛みも相まって苛立ちは募るばかり。耐えかねて黒い翼を広げると枕に顔を埋める。相手が歩み寄ろうとしてくれているのを撥ね付けることしか出来なかった。
相手の差し伸べる手を取って身を委ねることの方がずっと心身を楽にしてくれることに、今は気付きもしていない。）

___俺の気持ちが分かる？
何が分かるって言うんだ、言ってみろよ。
天使が奇跡でも起こして楽にしてくれるのか？それとも神に祈りでも捧げてくれるか？

（君の気持ちを分かることはできる、という言葉が引っかかったようだった。清らかな天使に何が分かる、翼を奪われる痛みも知らなければ、この惨めな気持ちも分からないだろう。
苛立ちのままに発した言葉は徐々に鋭さを増し、すぐ側に立つ相手を睨むと煽るように言葉を重ねた。）



（／了解しました、お願いします！悪魔が言い過ぎていたり、描写で苦手なものなどもしあったらいつでも教えてください！）

…何故、そんな言い方しか出来ないんだ。
キミこそ、僕が祈りさえすれば満足か？

( 突然と羽を拡げた相手に一瞬呆気に取られる。黒々と妖艶に映るそれは久しぶりにみると圧巻で、部屋の中がとても狭く感じる。
その様子に更に違和感は増すばかりだったが、此方を睨み発せられた言葉に、思わず此方も続けて棘を放ってしまう。いつもなら悪かったと折れる場面でも、今日は何故だが煽られるような口調が気に入らず、眉間の皺を深くするばかり。)

…馬鹿馬鹿しい。心配して損したよ。
そうやってキミは捻くれて過ごしてるといいさ。

( 深くため息をつけば静かに上記を述べて、今度は相手と視線も合わすことなく背を向ける。テーブルに置かれた煙草を相手の方へと放れば「我慢させて悪かったよ」と加え自身のコートをやや乱暴に引っ掴んだ。)



(／分かりました。ありがとうございます！
此方の方にも、もし何かあれば仰ってくださいね*)

必要ない、天使は悪魔ごときのためには祈らないだろ。

天使と悪魔なんてそんなものだ、元々分かり合えるはずがない！
そうさせてもらうよ。憐れみを受けるのはごめんだ、出て行ってくれ。

（広げた黒い翼が部屋の中に影を落とす。祈りは不要だと食い気味に答えると、そもそも天使は悪魔などのために祈りを捧げはしないだろうと嘲笑して顔を背けた。
ムキになった末に自分たちは元から分かり合えるはずがなかったと突き放すと、相手を制止することもなく上記述べ今度こそ布団に顔を埋めてしまうのだった。
___相手は自分の身を案じて優しく寄り添おうとしてくれただけだった、それを苛立ちに任せて跳ね除け酷い言葉を浴びせたのは自分。
痛んでいたのは背中のはずだったが、心ない言葉で相手を傷つける度に痛むのは自分の心の方だ。今は苛立ちに支配されていて、その痛みに気づくことさえないのだが。）

………あぁ、そうだね。
…泊めてくれて、ありがとう。

( 分かり合えるはずがない。そう言われれば、視線を下に落としたまま握った拳に力が入る。所詮天使と悪魔、どんなに親しくとも越えられない壁がある、その現実を突きつけられた気がして、怒りと共に何だかとても悲しくなる。先程よりは落ち着きを取り戻したようだったが、同意を示したその声色には静かな怒りが含まれていた。
そのまま黙ってコートを着れば、相手の方を振り返ることはなく、泊めてもらった事への礼を一方的に冷たくいい放てばそのまま去っていってしまった。)

……寒。

( 外に出ると、明るかった空には段々と厚い雲がより1層近づいており、風も一段と冷たくなっていた。静かに鼻を啜れば、自分の家に帰ることも無く、ボサボサのままの髪を整えながらまた街中へと姿を隠した。
どうしようも無い苛立ちと胸の苦しみを誤魔化すように、今日もまた、困っている人々に笑顔を振りまいていた。).

____くそ、……

（扉が音を立てて閉まり静寂が訪れる。怒りと悲しみの混ざった静かな言葉だけ残して、相手は出て行ったようだった。
誰にともなく悪態をつくと、背中の痛みと惨めさに苛まれたままベッドの上で一人背中を丸めて、眠ってしまおうと目を閉じた。）

（街では天候が荒れる前に帰ってしまおうという人が多いのか、人通りは普段より少ないようだ。
愛想の良さそうな相手を遠目に見ている二人組がいた。あの男ならある程度金も持っていそうだし、人も良さそうだから騙して使えるかもしれないと目配せをすると、接触するきっかけを作ろうと動き始めた。）


（／レイくんを狙う輩ですが、金目当てで人気のないところに誘い出して捕まえる感じにしようかなあと思ったのですが、翌日まで拘束しておく理由が上手いこと思いつかず…！金目当てじゃなくても良いし、ただ放置されたとかでも良いんですが、他に何かイメージとかあったりしますか？）

( 昨日とは売って代わり、人通りもなく、あれ程賑わっていた広場でさえ、その痕跡だけを残して閑散としていた。どんどんと薄暗くなる空に冷たい外気とくれば、人間が家に籠るのも訳はない。
気を抜けば、相手の事を思い出し、体調や気分は果たして大丈夫なのだろうか、と胸の奥で考えてしまう。しかし、家を出てくる際に言われた言葉を思い出せば、眉を顰め考えるのはよそうとコートのポケットに手を突っ込ませながら散策を続ける。
道中、困った人を見かければ優しげに声をかけ力になり、自分の邪念と格闘している者がいれば背中を押した。それが、天使である自分の役目であるから。)

…なんだか、疲れたな。

( 何時もは嬉々としてら行う人間観察や散策も、今日はどうやら本調子にはならず。影から様子を見られているとにも気づかずに、少し休もうとや近くのベンチへと腰を掛けた。)


(／そうですね…金目当てで近づくも、脅しや要求にも答えない様子に憤慨し、若く顔付きも良い方なので人身取引用に拘束され、翌朝に悪人の仲間が迎えにくるまで待っとけ！状態などですかね…←←)

（相手がベンチに座るのを見ると2人は目くばせをして、片方はその場を立ち去った。もう片方の、金髪にパーカー姿の若い男が相手の方に駆け寄り声をかける。）

…すみません！ちょっと手を貸してくれませんか、向こうで仲間が怪我をして…1人じゃ運べないんです。

（焦っている風を装い、相手に手を貸してほしいと言うがこれが彼らのやり口。人気のないところに誘い出して、2人で脅して金をゆすり取るのだ。
そんな目的がばれないよう、困ったように相手を見つめた。）


（／とても良いですね！それを採用させてください！！
仲間が迎えに来て連れて行かれそうになるところで駆けつけさせますー！←）

( 早くも日が傾き始める時間、今日はなんだか勿体無い1日だったなぁと思いながら今にも雨粒が落ちてきそうな空を見上げれば、その時にふと声を掛けられ其方に視線をやる。)

……え、それは大変だ。
勿論、僕で良ければお手伝いしますよ！

( ヤンチャそうな若い男性が困ったように事情を説明すれば、ぼんやりと考えていた事なんてすぐに払拭し、此方も慌てたように立ち上がる。特に疑いもせずに相手の話を受け入れれば「場所は何処ですか」なんてお人好しにも此方から尋ね、声を掛けてきた男性に付いて行ってしまう。
小走りで現場に向かうが、今日は元より人通りが少ない為か、向かっている場所への懸念も抱くことが出来なかった。それが、今思うと浅はかだった。)



(／よかったです…っ！
アルくんからのお迎えを心からお待ちしています…←
あっ、輩の役も行っていただき、お手数お掛けしております…ありがとうございますっっ；；)

ありがとうございます、こっちです！

（相手が疑うことなく立ち上がると、掛かったと内心でほくそ笑む。やはり見立て通りお人好しで、人を疑うことを知らないらしい。相手を連れてメインストリートから少し離れると、路地裏に向かった。
薄暗い路地裏の奥にたどり着くと足を止める。他に人がいる気配はない。すると不意に相手の背後から人影が現れ相手の退路を阻み、相手は男たちに挟まれる形で路地裏の奥に立ち止まることになった。）


（／待っていてください！！！←
いえいえ、大丈夫です！お任せください！）

…あの、本当にこんな所に人が一……！

( 薄気味悪い路地裏へと足を踏み入れれば、本当にこんな所に人が倒れているのか疑念を抱く。しかし、今に遅く、歩みを止めた相手への不信感が確信へ変わる頃には、既に背後を取られてしまった後だった。)

優しさを逆手にとるとは非道な…。

(しまった。と眉を顰めれば、小さくそう呟いた。奴らの目を振り切って羽を拡げ逃げれれば話は早いが、2人の男性に行く手を阻まれてはそれすらままならない。
天使もエスパーではない、頑丈な仮面を付けられててはその内面に秘めた悪には気付くこともできないのだ。しかし、それにしても油断した。
どうするべきか思考を巡らせながらも、落ち着き払った様子で息を吐けば「…僕に、何か用でも？」と行く手を阻む2人を交互に睨みながら問うた。)

自分のお人好しさを悔いな、お兄さん。

何か用かって？金だよ金。
持ってるんだろ、良い身なりしてるもんな。

（相手はようやく罠に嵌められたことに気づいたようだったが既に遅い。この場所で2対1であれば逃げることは難しいだろう。眉を顰める相手を見て嘲笑う。
もう一人の、見るからに体格の良いスキンヘッドの男が相手に近づき、頭の先から爪先までを眺める。決して派手ではないが上質なものを身につけているのは分かると、まずは財布をゆすった。）

まずは財布からだな、出せよ。

( 金だと言われれば、相手が善良な人間から金を盗む卑しい奴らだと分かる。きっとこれまでも何人もの人間を脅かしてきたのだろう…。そう思えば奥歯を噛み締めるが、今は静かに相手の顔を見詰める。
ガタイの良い男が近寄れば、一歩後ろへと後退りして潔くコートのポケットから財布を取り出す。)

…生憎、あまり金は持ち合わせていなくてね。
それで勘弁してくれないかな。

( しかし、財布の中には端金しか入っておらず、その他にも何も入ってはいなかった。金は支給額貰っているが、銀行に預けたり等すると、何かあった時に素性が怪しまれかねない為、必要な時に必要な分、支給をお願いしているのだ。
そして、今入っている金は昨日からの余り。丁度金が少なくなっていた頃に散財したばかりだ。使っていてよかったとこれ程思ったことはない。
相手がこれで満足するとは到底思えないが、無いものは仕方ないだろ、とわざと困ったように笑顔を向ける。)

馬鹿にしてんのか、どこに隠し持ってやがる！
これだけで帰して貰えると思うなよ。
持ってるもの全部出せ！

（相手から差し出された財布を奪い中を確認するも、まとまった金どころかほとんど入っていない。怯えている様子もあまりなく、苛立ったように詰め寄るとアクセサリーや腕時計、なんでもいいから金目のものを出せと脅した。）