「 こんなところにポストなんてあったっけ……? 」
海辺にぽつんと佇むポスト。
好奇心で中を覗いてみると、そこには手紙というにはあまりにも拙く、身勝手な思いが綴られていた。
「 誰かのいたずら? 」
こんな場所にあるポストに投函したって、どこにも届くわけがない。
けれど、書き綴られた想いがあまりにも切実で、もがいているから、叫んでいるから。
家に帰って返事を書いて、海辺のポストに投げ入れた。
次にポストを開けた時には手紙は消えていて。
苦しそうなあの人のもとに届いたのかな、なんて、そうだったらいいな、なんて。
この日から、〝ここではないどこか〟と繋がる、不思議な文通の日々が始まった。
>1 文通のルール
>2 ポストの中身
( / 海辺のポストに手紙が届くまで、暫しお待ちを。 )