海辺のポスト 2021-05-24 23:36:07 |
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ユーリ。
もう一度僕の名を呼んで。
ユーリ。
またいつものように笑って。
ユーリ。
こんなの嘘だと言って。
ユーリ。
「ノクター、大丈夫だよ」って。
「どこにもいかないよ」って、嘘を、もう一度。
君が居なくてはもう生きてゆけないよ。
永遠の命など、なんと惨いことか。
火傷だらけになった君を、
治癒の力で元通りにした。
それでも君は戻って来ない。
どうして目を覚ましてくれない。
僕の大事なものをただひとつ抱いて、
呑気なくらい穏やかな顔で、
「大丈夫」って囁いた。
「また戻ってくるからね」って最期に言った。
でもね、ユーリ。
君以上に大事なものなんて、
僕にはひとつも無かったよ。
君がいつか聞かせてくれた魂の話。
君は姿形を変えて戻ってくるって、
どうか、信じさせてくれ。
たとえ、それがどんなに、
夢のような御伽噺でも。
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