海辺のポスト 2021-05-24 23:36:07 |
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今日も塔の窓から差す陽を眺めて一日が終わった。
わたしを殺さずここに幽閉したのは、
敵国の王の慈悲でしょうか、それとも拷問でしょうか。
ここは冷たくてかたい。
暖かくて柔らかいものなど何もない。
唯一それを持つ陽の光さえ、
遥か上部。手の届かない場所。
心細いのです。寂しいのです。
誰か、わたしの声を聞いてはくれませんか。
誰か、この声に、答えてはくれませんか。
誰にも届かず反響するだけの自分の声が、
ただ、どうしようもなく、虚しいのです。
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