2人掛けの玉座 【〆】

っ、お前な……誰かに見られても知らんぞ。足りない分以上に満足させてやる。
(ただでさえ深いキスのあと顔を突き合わせて理性が霞んでいるのに、視線を交えてお強請りされれば一瞬で考え事は弾け飛んで、代わりにドロドロとした高鳴りが胸にせりあがってきてしまう。はぁ、とひとつ吐き出した息が一段階熱くなっているのが自分でも分かった。肌寒い夜のためにと買ったあんまんは脇へと置いて代わりにその手を後頭部に添える。そして再び唇を重ねた。相手を逃さないようにと腰と後頭部とを押さえ指先で時折撫でながら、唇を割って中へと侵入する。まだあんまんの甘さが残る舌で相手の舌を絡めとる、口の端から僅かに水音が漏れてその音でまた理性が飛んで行った。人っけのない公園だがいつ誰かが来てもおかしくない、そんな場所で口付けを交わす背徳感が余計に体を駆り立ててしまっていて)

こんな夜に出掛けてる悪い子は俺達だけだよ。ゲイツ、…っ、……ふ、
（お強請りの意図は通じたらしい。少しでも動けばぶつかりそうな程近い距離にある状態では熱持った息が頬を掠めて誘った身でありながら欲情を煽られた。先程まで世界を一緒に救うと誓いを立てたはずなのに今では同じ口で相手のキスを強請っている。他の民には見せられない一面だ。恋人である相手にしか見せられない顔。目を細めて悪戯っぽく笑えば後頭部に回された手に口付けの予感を覚えては求めるように名を呼んで瞳を閉じる。再び柔らかな唇が重なると自らも相手の背中に腕を回して布地をぎゅっと握った。舌の粘膜を擦り合わせるように絡ませ時折下唇を軽く食んでみたりして。人の気配のない静かな公園では二人しかこの世に居ないような錯覚に陥りそうだ。息継ぎの合間に小さく声を零しながらももっとと己の欲のままに求める様な口付け続け）

俺たちが悪い子ならいくら悪いことをしても問題ないって事か、さすが魔王だな。っ、…、……ソウゴ…
(相手がこちらを煽ったのも分かっていたしそれを理解した上で乗ったのは自分だ、所謂確信犯と言うやつでこいつの言う『悪い子』には十分該当する。こんな所で、という理性よりもいました鼻の先ににある柔肌に触れたい欲望があっさり勝ってしまったのだ。相手の声で自分の名前が呼ばれるのが聞こえるとそれだけで腹部がゾクゾクと疼く感覚が襲ってくる。冗談めかして返事をするもあまり心の余裕はない。こちらの背中に回された手が暖かくてそんな些細な温度でさえ体の熱を上げていく。下唇にピリと軽い刺激があって呼応するように熱を持った吐息が漏れてしまった。相手のもので十分潤った舌で愛でるように相手の舌唇を丁寧になぞる。口端からゆっくりと頂へ、そしてまた反対の口端へと舌を這わせていい)

…ん、共犯者だからね？…、っ、ン……は、ぁ
（欲のまま煽っている自覚はある。それでも普段真面目でクールな印象の相手が自分の前でだけ理性とか常識から外れて求めてくれることに特別感を覚えてしまう。もっと自分に夢中になってほしいし、乱してしまいたい。そんな底知れぬ欲望を抱けば、冗談らしく紡がれる“魔王”の名も悪い気がしなくてお返しにとより背徳感を煽るように甘く囁く。間近で吐き出される熱い吐息も鼓膜を揺らす相手の声も全てが心地好い。息継ぎの為に半開きになった唇をゆっくり舌が這うと小さく肩が跳ねる。強引に絡み合わせる動きとも違う大事な物を確かめるような愛でるような舌の動きにぞわりと背筋に興奮這い上がり、蕩けかけた表情で相手見上げ）

は、俺は魔王の側近だ。共犯で当然だな。…、……ん、……っ、……
(こんな公共の場所で浅くはないキスをしている時点で自分も同罪だ、当然のことを言われているはずなのに相手の方へゆっくりと引き込まれていく気分になる。だが今この行為を止めることなんて出来そうもない、このまま口付けを続けて一緒に『悪い子』に落ちていく方がよっぽど良い。相変わらず相手はこちらを煽るのが上手く、これが秘め事だと強調されると背筋がなぞられているようなゾクゾクとした感触が湧き上がる。それに加えて相手の肩が跳ねるのを敏感に感じ取るとじわりと嗜虐心が顔を出して、それを生唾と共に飲み込む。代わりに両手をそれぞれの頬へと添えると顔を包み込むように持ちかえる。下唇を這っていた舌は上唇へと移動し、そこを這うだけでは足りなくなってきて時々そこを食むように動きを変えていく。唇が腫れてしまうかもしれないなんて考える余裕もない。まるで柔らかな相手の唇を食すように舐めて噛んでを繰り返しその感触を相手へと刻みつけていって)

ふふ、…げいつ……っ、…は、ぁ…
（言葉だけ聞けば未来から来た戦士が魔王に寝返ってしまったみたいだ。もし未来で二人を送り出した人がいるのなら今の姿を見てビックリするだろう。自分の影響でここまで変わったという事実が何よりも独占欲と優越感を満たす。本当にもう相手が居なければ駄目かもしれない。改めて実感する感覚に口角がつい上がってしまいつつも頬に手を添えられ包まれると相手を見上げるような形になる。舌が這った下唇は二人の唾液で濡れていて力なく相手の名を呼んでは荒く呼吸を繰り返す。上唇に移動してくれば今度は時折軽く歯を立てられその度に相手の背中に回した手に力が籠る。繰り返し行われる行為に今だけは唇が相手に愛でられ食べられるためだけの器官になったような錯覚に陥りそうだ。自らも舌を伸ばして応えるように触れ合いながらも寵愛を受けるばかりで）

っ、ん………は、……ソウゴ……、……満足したか？
(自分の両手の中でこちらを見上げる相手の顔が見えるとまたゾクゾクと高揚が背筋をせり上がってくる。この世界で最も愛しい相手がその掌の中にいる、その相手はこの掌ではそうそうに収まらない人間だというのに。好んで、選んで、自分のそばにいる。大袈裟な言い方をすれば堕天を選んだ天使のようにさえ思える。それだけ相手はここに留まるはずの無い相手で、しかし必ず自分を選んでくれる愛おしい存在。また上唇を甘噛みする、今度はそこに噛み付いたまま上唇を舌先でなぞってやった。反応を示す背中に回された手と時折精一杯こちらに絡んでくる舌、そうやって注ぐ愛に応えようとする姿が堪らなく愛おしくてもっと激しくと押さえつけていた本能が暴走しそうになる。その本能をグッと堪えながら最後には舌の表面全体で相手の唇をゆっくりと舐めてやると、そこに存在した液体を全て舐めとってしまい。喉仏を動かして全て飲み込んでしまうと、親指の腹で頬を優しく撫でてやりつつ、眠る前にされた問いをそのまま問いかけて)

……っ、…ふ、……ん、しあわせ。…また好きになっちゃうんだけど、
（相手の両手に頬が包まれ欲と愛がこの世界で自分にだけ注がれている。触れる掌がなぞる舌先が熱くて夜風の冷たさを全く感じないほと二人の身体は熱を共有していた。また上唇を本能的に甘噛みされたかと思えば湿った舌が同じ部分を這う。唇の端っこまで全て相手のモノだと刻み込まれ、塗り替えられているようでそれさえ幸せな事だと感じてしまう。そんな行為を享受していれば口端から零れそうだった唾液ごと舐めとられ、喉から相手の体内に飲み込まれてしまった。男らしい喉仏の動きと自分のモノが相手に取り込まれたという事実に背筋にぞくりとした物が走るのを感じる。まだ冷めきらぬ熱の中、優しく頬を撫でられるとうっすら目を細め小さく頷けば喜び噛み締めるように呟き。どんどん惹かれてもう引き返しようのない所まで来てしまったこと自覚すれば困ったように言葉零すもその口元は緩んだままで）

……俺も幸せだ。お前とこうしていると色々な物が満たされる。
(まだ整わぬ呼吸と熱い体のまま頬に添えていた手を背中へ回して体を抱き寄せる。しあわせ、とそう呟くのが聞こえて、その響きで口付けとは異なる種類の幸福が胸に広がっていった。愛しい人が自分といて幸せであるのがこれ程嬉しいことだとは。荒く呼吸をする最中、口元が緩んで小さく笑みが浮かぶ。幸せを噛み締める、とはこのことを言うのだろう。ようやく周囲の気温を自覚できるほどに落ち着いてきて、今は夜風もちょうど良い涼しさだ。とめどなく相手への気持ちが募っているのはこちらも同じ、どこへ出かけても口付けを交わしてもその度に相手への気持ちと幸福とを思い知らされる。ゆっくり相手の背中を撫でながら胸に広がるものを堪能していて)

そうだね。……ゲイツがこの時代に来て、俺の事好きになってくれてほんと良かった。
（抱き寄せられるまま相手の腕の中に収まるとお互いの熱を共有する形になる。幸福感と安心感に包まれて、自らも背中に回した手に力を込めてくっつく事にした。そのまま目を閉じればどくどくと相手の心臓の音が聞こえてくる。相手はちゃんとここに居て生きている。これまでの過程で何処か一つでもボタンが掛け違えば相手はこの時代に来なかったかもしれないし分かり合えずに敵対してたかもしれない。様々な偶然の上で成り立っているこの場所が特別で大切で改めてその幸福を噛み締める。相手の肩に擦り寄りつつその事を呟いて）

あぁ、お前がここに居てくれて良かった……愛してる、ソウゴ……冷めてしまったな。
(2人の距離が零になる。相手の体の温もりと、近くに居る時だけ感じられる相手の匂い、それを全身に受けながら深く呼吸する。自分の時代に居た時の決意がこんな形になるとは思わなかったが、何よりもかけがえのないものを手に入れ、絶望の明日が希望ある未来になった。そのどちらも相手がここに居るから叶うこと、時間を辿ってたどり着いた先で常磐ソウゴに出会えた幸運はきっと人生の中で1番の幸運だ。五感全部で相手を感じながら胸に宿る気持ちをそのまま口にする。ここまで素直になれるのも恋人である相手に対してだけだろう。だが恥ずかしいものは恥ずかしくて抱きしめていた腕を緩めると脇に置いていたあんまんを手に取り話題をシフトさせる。コンビニで温まっていたあんまんも流石に夜風に当てられその熱は失われてしまっている、それだけの時間2人きりの時間を過ごしたと言う証拠だ。冷えたあんまんも美味しいのか分からず手の中のそれを持て余していて)

…ん、俺も愛してる。ほんとだ、…夜も遅いし少しお行儀悪いけど食べながら帰ろっか。
（こうやってストレートな物言いをしてくれるのも恋人という関係ならではの事だろう。相手の腕の中で身を預けて好意の言葉を聞くこの時間が何よりも幸せだ。かつて自らの存在を恨んで消そうとした相手が今では存在を認めてくれて、傍にいることを幸せだと言ってくれている。それは大きな変化で、でも今はその前のことを思い出す方が難しい。それくらい2人の関係は変わって、それが自然なくらい馴染んでいる。腕の力が緩んで相手から少し離れれば、見つめて此方からも想いを伝えることにした。脇に置いていたあんまんは冷めてしまっている。とはいえ、暖を取るのは肉まんと先程の行為で達成している気がする。それに家を出た時から大分時間も経った。そろそろ帰らないと夜ふかしとはいえ明日に響きそうだ。割った半分のあんまんを受け取ると帰宅すること提案して）

そうだな、夜更かししすぎて生活リズムが狂うのも困る。それに大叔父に見つかると大事だからな。
(恥ずかしさを誤魔化すために密着した状態から離れたつもりだったが、それ故にしっかりと目線を交わして思いを告げられてしまう。相変わらず相手の行動は予想できない、一瞬言葉に詰まるも今度は逃げずに不器用な笑みを浮かべてその言葉を受け止めた。帰宅しようという提案には頷いてベンチから立ち上がる。初めて2人で来た２回目の場所として刻まれた公園、ここにはきっとまた来ることになるだろう。なにせ自分はこの時代で相手と共にずっとあることを誓っているのだから。2人の明日はまだ続く、だから明日のために今日はそろそろクジゴジ堂に戻るとしよう。未だベンチに座る相手の方へ向き直るとあんまんを持っていない手を差し出して)

今日の出来事はおじさんにもツクヨミ達にも内緒だからね、二人だけの秘密。 明日は平日なんだけど文化祭の振替で休みなんだよね、何しよっか？
（今の笑みはきっと照れ混じりの物だろう。相手が素直に表情をおもてに出してくれるようになったのと同時に何となく此方も感情を読み取れるようになってきた。この出来事は二人だけの秘密、といえば何となくワクワクする響きだ。既に何個も抱えた秘密だがそれだけ想い出を独占しているような気がして悪くない。悪戯っぽく笑いながらも立ち上がった相手が差し出した手に気付けば、またぱあと表情明るくして直ぐに立ち上がり手を繋ぐ。今日も明日もその先もこうして相手とは繋がっていられると思えば帰宅の気分も晴れやかだ。明日の計画を立てようと話持ち掛けながら公園を後にし帰宅の道を歩き始め）

（／いつもお世話になっております。素敵な夜更かしの時間が過ごせてとても楽しかったです。丁度区切りの良さそうなところに差し掛かりましたので今後の展開について御相談させて頂きたくお声がけいたしました。今回は此方のやりたいシチュをさせて頂いたので次は是非マジェスティ様のやってみたいシチュエーションをやらせて頂きたいのですが何かご希望とかありますでしょうか？以前頂いた案もとても素敵でしたので御自由に仰って頂いたらと思います！）

当然だ、夜食以上に言えないことをしたんだからな。口が裂けても言えん。そうか明日も休みだったか。それなら街を巡回しにでもいくか？平日の俺の日課だが。
(差し出した手を見て相手の顔は眩しいほどの笑顔になる。単純な奴だと笑ってやりたい所だが、この笑顔でこちらも幸せな気持ちになっているのだからからかっても結局は照れ隠しになってしまうだろう。手を繋いだまま並んで歩く、また他人に言えない秘密か増えてしまったが、それはすなわち2人だけの大切な時間を過ごせたということ、他人には教えたくない2人だけの思い出だ。それをわざと刺激を加えた言い方をして冗談にしつつ夜道を歩く。明日は平日だが魔王の監視をする必要がなくなった今、相手が学校に行っている間はツクヨミと同じく街を巡回しアナザーライダーを始めとする敵の動向を伺っているのだ。特に用事もないのなら気晴らしにもなるだろうと誘ってみて)


(/こちらこそお世話になっております！夜食からちょっぴり甘い時間を過ごせてこちらも楽しかったです。次の展開ですが、もし宜しければ前お伝えさせていただいた、ある朝突然救世主が魔王と同じ高校生になっていて…みたいなことがやれれば良いかなぁと思っておりました。今までこちらがツンツンすることが多かったので、例えば救世主は今の記憶を保持して魔王は記憶を無くして普通の高校生になってしまって……から始めてみたら面白そうかなと。いかがでしょう？)

確かに、俺の唇まで食べられそうになったし。 行きたい！ 街のパトロールも皆を守る為の大事な使命だよね、同時にデートも出来るし一石二鳥って奴？
（夜道は先があまり見えないほど暗く夜風は冷たい。だけどこうやって手を繋いでいれば不安なんてなくて堂々と目的地に向かって歩いて行ける。これから歩んでいく未来だってきっと同じだ。わざと刺激的な言い回しをする相手のノリに乗っかって誤解を招きそうな言い方で先程の行為を振り返る。相手のお誘いに行きたいと申し出る。普段自分が高校に行く間に何をやっているのかは話だけは聞いていたが、明日は丁度平日で実際に付き合う絶好の機会だ。最近姿を見ないとはいえアナザーライダーの警戒をするのは民を守る王様として大事な使命でもあるだろう。自分もそれに協力するとしながらも恋人と街を回ることでもある明日の予定を楽しげに話して）

（／大賛成です！ 朝起きたら令ジェネやVシネみたいな感じの同級生になった世界に救世主君が迷い込んでいたみたいな感じでしょうか？ 記憶喪失も色々な展開やロルが回せそうなのでアリです。その場合、魔王目線では初対面の対応かVシネ等と同じく既に一緒に高校に行く程度の友達という対応どちらがお好みでしょうか？ツンツン程ではないですが普通の友人くらいの距離感に戻ると思うのでどういう感じになるか楽しみです。）

、…まったく、俺の前以外でうっかりそういうことを言うなよ。パトロールとデートを一石二鳥にするな、浮かれて痕跡を見落としたらどうする。ふざけるなら置いていくぞ。
(相手を揶揄うつもりだったがすんなり返事をされてしまうとたじろいでしまう。翻弄する、という点に置いてはいつもやられてばかりな気がするが、こんな甘く酩酊したような感覚を他人に味わわせたくない。ふわりと沸いた独占欲と共に忠告するように釘をさしておいた。相手と一緒に行動できるのは良い事だがそれはそれ、この世界における自分の任務がこの世界の民を守ることならその任務を怠るわけにはいかない。相手といて敵への警戒心が薄れるわけではないが、不意に目を奪われてしまう可能性もゼロとは言いきれないのだ。そこは戦士もとい側近らしく、そしていつもの頑固で真面目な面が出てきっちり分けるべきだと頭を横に振り)

(/ありがとうございます！まさにその感じですね。どうせなら初対面くらいの対応が新鮮かなと思いますので隣のクラスの明光院くんっていたよなーくらいの認識でいかがでしょうか。救世主側はVシネの如く記憶は引き継いでいて生徒になっており、原因を探るべくとりあえず生徒として魔王に接触しにいく、みたいな感じで進めていければと思います。2人に気持ちの距離感が生まれてしまいますがそれがまた楽しくできるかなと思ったりしております！)

はーい。まあゲイツ以外にこんなこと言う機会ないから大丈夫だって。 …ふふ、ごめんごめん。俺もちゃんと真面目にやるから、ね？ ＿＿ 起こさないように部屋に戻って寝よっか
（こういう事については自分の方が上手らしい。独占欲の見え隠れする言葉に呑気に返事して頷いておく。常にこんな態度だと思われてそうだが揶揄うのも翻弄するのも正真正銘相手にだけだ。それほど仲の良い間柄の人だって殆ど居ないし、居たとしても言うつもりはない。浮かれて出た発言だったがそんな自分を律するようにぴしっと言われてしまうと一瞬驚くも直ぐに笑みが零れる。自分が惚れたのはこういう人だった。2人の目標である平和の為にも怠る訳には行かない事。それに置いていかれると困る。謝罪を口にしてちゃんとすることを約束するよう話しかけていればあっという間にクジゴジ堂に戻ってきた。どうやら大叔父もツクヨミも2人の不在に気づかず寝ているみたいだ。明日の予定の為にも早く寝た方が良い。小声で話しかけると静かに部屋に戻るように促して）

（／確かにそうですね。とりあえず分からないなりに高校に登校してきて休憩時間や放課後に廊下とか歩いていた魔王を見つけて話しかけたら救世主君のことや今の記憶が無かった、みたいな展開から始めるのはどうでしょうか？ また魔王が救世主君に惹かれたり物足りなさや違和感を覚えたりと楽しそうです！ 問題が無ければ上記で就寝したらその展開に移行出来たらと思います。）

一緒に居て民を守れないなら元も子もないからな。……あぁ、音を立てるなよ？
(元より巡回に相手を置いて行く気は無い、相手がそこまで空気の読めない男でないことは分かっている。どちらかと言うと自戒のためと言った方が近いだろう。敵がいるかもしれないという時に恋人に心やら目やらを奪われてしまうなど腑抜けにも程がある。その時に万が一が起こってしまえば尚更だ。常日頃から臨戦態勢であるべきではあるが、巡回と名をうっている間は集中せねば。クジゴジ堂は灯りひとつついておらず眠りの時間が流れている。この眠りを妨げればツクヨミには怒られてしまいそうだ。小声には小声で返事をしてひとつ頷くと音を立てぬように玄関をあけ、階段を登る。音を立てないことには神経を使ったが、無事部屋にたどり着くことができた。相手が休みと言えど明日はいつもの時間に起きていつもの様に出ていくつもりだ。2人でそうそうに支度を済ませると昨夜と同じように2人寄り添って眠りについて)

……＿＿っ！！
(規則正しい生活を送るがゆえ目を覚ますのはいつも同じ時間帯、いつもの様に覚醒すると目を開ける。違和感にはすぐ気がついた、目の前に広がる光景がいつもとまったく違う、思わず飛び起き身構えるが何が飛び出てくるでもない。畳の上に敷かれた敷布団の上、和室の中には2人で買いに行ったダンベルとジャージが確かにあるのにその他の物は見覚えがない。見知らぬ自分の名前が入った賞状に柔道着、極めつけはソウゴと同じ学校の制服だ。追い打ちをかけるように「ゲイツー早く起きないと遅刻するわよー」と女性の声が聞こえる。まったく理解出来ない状況だが今自分が置かれている状況はひとつ、この時代の高校生になってしまっているのだ。これは何かの攻撃だろうか、ベルトとウォッチは健在だがどいつに使えばいいか分からない。とにかく動かねばと制服に着替える、まさかこんなにも早くまたこの服を着ることになるとは思わなかった。女性の制止の声も聞かずに自宅らしき場所を飛び出すと学校へと向かい、校門を抜け校舎へ入る。向かうべきはただひとつだ、王で恋人のいる方向。案の定自分のクラスに向かい廊下を歩く相手を発見すると、それだけで安心してしまう。見知らぬ世界で一番大事な存在を見つけられたのだから。背後から駆け寄ると肩を叩いて)

おいソウゴ！一体これはどうなってる？

(/まさにそのような展開を考えておりましたので朝一に話しかける形にしてみました！適度なところで時間軸を曲げたアナザーライダーを倒すかソウゴが元の世界のことを思い出して元通りになるみたいな展開にできればと思っております。では背後は一旦失礼させていただきますー新たな展開楽しくやっていきましょう/こちら蹴り可です！)

え、えっと…誰？ …あ、隣のクラスの明光院であってる？
（いつも通り起こされて、大叔父と二人で朝食を取ってからクジゴジ堂を後にする。今日は数学の小テストがあるらしく、今から少し憂鬱だ。クラスメイトに解き方のコツでも教えて貰おうかな、など考えながら廊下を通って教室に向かう。その途中で突然名を呼ばれ、肩を叩かれた。自分を下の名前で呼ぶ知り合いなんて居たのだろうか。その声の主の方に振り返ってみるとツンツンした黒髪とキリッとした顔つきの人物が立っていた。クラスメイトにもこんな外見の人は居なかったはずだ。だが相手はすっかり顔馴染みに話しているような態度で人違いではないかと困惑した面で問いかける。忘れているだけで何処かで接点でもあっただろうか。まじまじと相手の顔を見つめていればいつかの全校朝会で表彰されていた柔道部の一人で勉強面でも勤勉だと噂の人だと気付いて思い出したようにその名を上げてみて）