幸福世界【一部人数制限有/戦闘/シリアス】

>綺堂

それなら良かったです。ふふ、そうですね。幸せ過ぎて困ってしまうだなんて贅沢な悩みを抱ける、今の平和なままが一番ですよね
(陰りを見たのは自分の気のせいだったかと納得すれば、それ以上追求する事は無く。噂のレジスタンスは今はまだ大きな騒動も無く、また義務を果たす為にさらに上をと目指す心もあるものの自分も現状に特に不満も無ければ、地下街とは言え相手と他愛無い話で花を咲かせられている現状に幸せそうにくすくすと笑い。「何だか愛の告白を盗み聞いてしまった気分です。綺堂さんにそこまで思ってもらえているその子は、幸せ者ですね。……私はそこまで誰かを思った事はまだ無いので、少し羨ましいです」相手の言葉を聞いていれば、そこにぎゅっと詰まった強い愛情と決意は感じ取れると言うもので。子と称するなら相手が生んだ子供か、もし居るのであれば妹だろうかと予想しつつ、誰かを思う気持ちは素敵だと改めて感じては、眩しいものを見るかのように瞳を細めながら、素直に羨ましいと呟き)

いえいえ、今の顔もカメラで撮りたかったくらい愛らしかったですよ？シャッターチャンスを逃してしまったのが非常に残念でなりません。えぇ、えぇ分かっていますとも、ただ照れてらっしゃるだけなんですよね？
(自分の言葉に思いの外狼狽えたかのように表情を変化させる姿を目の当たりにしては、可笑しそう笑みを溢し。からかい混じりに両手で四角を作り、右手の人差し指を上下させカメラで相手を撮るような仕草を見せては、今はひきつったような笑みを浮かべる相手の表情に対しわざとらしく肩を落とし。否定への訂正を律儀にする様には何度も頷いては、にんまりとした満面の笑みを浮かべて答え。「私もその日が来るのが今からとても楽しみです。此方は言って下されば、可能な限り休みは綺堂さんに合わせられると思いますので。──大丈夫ですよ、そんなにお気になさらないで下さい。それにもしここで名刺を貰ってしまったら、楽しみが一つ減ってしまって私の不幸指数が上がってしまう所でしたよ？」相手も同じ気持ちである喜びを感じながら、アットホームな小さな会社で、尚且つ大した活躍は今だ無い平社員な自分であれば、休みの自由は効くと告げ。連絡先のメモが書かれた紙を両手で受け取り、無くさないよう大切に鞄の内ポケットに入れては、何やら気にする様子には、その気持ちが少しでも軽くなれば良いなと思いながら冗談を交えた返事で返し、止めていた歩みを再開しようかと一歩前に踏み出してみせ)

>岸本
え、えぇ？取材の許可を、ですか？──はい、是非！邪魔はしないと誓いますので、本当に岸本様が迷惑で無いのならば、恐れながらお願いしても宜しいでしょうか……？私達も幸福な世の為に、お役に立ちたいのです。
(帰り支度の手を止め顔を上げれば、先程のお詫びから思わぬチャンスが目の前に転がり混んできた事に目を白黒させては、確認するように相手の言葉を繰り返し。本来であればこのような大きな決断は会社と相談するのが正しいのであろうが、こんな機会を逃したら二度と来ないと感じれば思わず受けると答え。もしレジスタンスについてのスクープを取れれば執行者の役に、ひいては帝国の為に一般人である非力な身にも何か出来る事があるならばと、その気持ちを言葉に出して伝えては、やや高揚と緊張の入り交じった表情で相手の顔を伺うように見上げ)

>織部　不幸

まこちゃ……ふふ、そんな風に呼ばれるのは何年ぶりでしょう。私もゆきちゃんのような小さなお友達は少ないのでとても嬉しいです
(小さな唇から紡がれた自分を示すあだ名は、幼子の相手に呼ばれるからこそか、どこかくすぐったい気持ちに駆られ。また自分の小学生時代を思い出せば、あの時の仲間達は今どうしているのだろうかと一瞬思いを馳せたあと、目の前の相手に意識を戻せば思わぬ偶然で相手と知り合えた事が嬉しいと笑みを浮かべ。「わっ……もう、ビックリするじゃないですか。」握手をしようと伸ばした手は握られる事無く、代わりに力いっぱい首もとを抱き締められれば、特に苦しくは無いものの相手の勢いに何とか倒れないよう、姿勢を持ちこたえつつ受け止め。温かい相手の体温を感じながら子供は時に予想外の事をすると思わず笑えば、相手の背に伸ばした手でそっと抱き締め返し。「あ、そう言えば友達で思い出したのですが、ゆきちゃん。貴方お友達とかくれんぼか何かされている途中だったのではありませんか？」と、漸く当初の目的を思い出せばそのままの体勢を維持したまま、このまま此処に居ても良いのかと問い掛け)