幸福世界【一部人数制限有/戦闘/シリアス】

>安仁屋 時雨

A2、D4地区辺りが最有力かと。
(頭の中の地図とメンバー達からの情報から割り出した最適解を戯れのような質問にも淀みなく答えれば。｢それ、はどうするつもりですか？｣ 腕の中にすっぽり収まる猫の瞳に身じろぎして、まさか抱いたまま戦闘行為に出向く訳はないだろうと思うものの、理解に苦しめられてきた行動の数々が頭を過ぎり

>飛騨 寧々子

どうせ幸福以外の感情に興味ないだろ？
(新人、だと言う彼女の顔は確かに過去の記憶にはなくて、出会ってしまった執行者が彼女だったのは不幸中の幸運、とまでは言えなくても大分と気が楽だ、と気休め程度な現実逃避をしてみても地面を汚し続ける赤い水溜が消えてくれる訳もなくて、こんな風にぐるぐる巡る思考をひた隠しに、刀を抜いて

>織部 不幸

…おい、(少し前を行くひらひら揺れるセーラーの白い襟に目を止め。この地下街に子供は珍しく、跳ねるような足取りが危なっかしく思えたせいか柄にもなく声をかけたのはいいものの、吸いかけの煙草を手に持ったまま、おまけに掠れた様な低い声、と子供に接するような態度じゃなかった、と気付いたのは、彼女の小さな背中に向かって不機嫌そうな呼び掛けを発した後で、俗に言う、手遅れというやつ

>岸本 哲也

今時そんな台詞、三流の悪役でも言わないって。
(怒号と喧騒に釣られた先には、執行者と血塗れに倒れるメンバーと、多分軽傷が1人。自分の仕事は犠牲を出来るだけ減らす事、生き残りを回収し自分も退散、先手必勝、逃げるが勝ち。前向きなんだかどうなんだか分からない文句を祈りの句みたいに脳内で反芻し、執行者の注意がこちらに向けば上等、程度の心構えで刀を片手に躍り出て