名無しさん 2017-02-11 21:42:25 |
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おっと気付いちまったか、忘れ物を取りに来ようか悩んでただけだ
(忘れ物話は真っ赤な嘘、沈む相手とは裏腹に普段よりも飄々とした口調で借りていた部屋の辺りを細めた目で捉え手にした酒瓶から直接アルコールを流し込み)
そう、なら勝手に持っていけば。
(ウソかホントかわからない言葉に変わらない口調で言い放ってはそれ以上の言葉は掛けず、無視するかのように相手の前を通り過ぎようと)
後で取りに行くよ
(ギャンブラーである己を軽蔑しているのか別の理由か自称モテ男は女性の心を読めず、相手が通り過ぎるのを見守るだけでただ黙って立ち尽くし)
(目端に薄ら涙を浮かべながら、家を出て行った理由を聞きたかったのが本音。もし聞いてもはぐらかされる様なら聞かない方がマシだと、後ろを振り向かず店の方向に早足で向かい)
(店へと消えた相手の背中を見続ける己を乾いた笑いで肩を揺らして、気になるなら家出しなければ良いだけとはいかない。鬱々とする気持ちを晴らすべく近くの酒場へと足をび)
(仕事に集中しようと、頬を叩き表へと出て。昼になれば店はいつも通りの賑わいを見せいつも相手とポーカーをしていた常連に店に来てないことを指摘されれば「さぁ、いい人でも見つけたんじゃない?」笑顔で答え)
(先程のやり取りを目撃したらしい客から早速フラれたのかと揶揄され肩や背中を叩かれ笑われても否定はできず「彼女と俺じゃ不釣り合いな事くらい分かってたはずなのにな」自嘲気味に鼻で笑い次々に酒を飲み続け)
…ごめん、先帰るよ
(頭から今朝のことが離れず父親に述べてから店を出て、ディッシュを連れて牧場があった付近まで散歩しながら今度こそ理由を聞こうと相手の姿を探し)
今日はやめだ、酒が旨くない
(胸に引っ掛かる何かがある状態では酒を飲んでもあまり酔わず、常連に混ざってツケ払いで済ませ気付けば彼女との思い出を探しに以前二人で訪れた事のある牧場へ続く道をトボトボ歩いており)
…ねぇっ!
(一旦家に戻り、服を着替え再びディッシュを連れ足を進めると見慣れた背中が自分の前を歩いているのが見え。もしかしたらと思い、思い切って声を上げ)
(蹄の音が耳に届き賭けの代償に失った愛馬のジャックに思いを馳せ、そのまま通り過ぎるのを待つはずが相手がリシュリーだったとは「…何か用事か?」一瞬だけ立ち止まり肩越しに後方の彼女へチラリと視線を向け冷たく言い放ち)
…理由ぐらい教えてよ
(人違いだと思っていた相手はジョシュ本人で、でも向けられたのはいつもの砕けた口調ではなく。彼の視線と口調で言葉に詰まったが、ここまで来て何も聞かずに帰ることだけはしたくないと震える声を無理に抑え)
理由って一体何の、俺が何かしたってのか?
(拳を握り締め本来の感情をシャットダウン、アウトローではなく身分のある人を探して欲しい一心で突き放す言葉を投げつけその場を去ろうと足を踏み出し)
分かるでしょ、出ていった理由よ…
(何も言わず、置き手紙一枚だけ残して出ていった本来の理由は何もわからず近づきたくても足がこわばり手綱を強く握ったままその場で立ちすくみ)
昨日のやり取りが嫌だっただろ?俺にとっちゃあれは日常茶飯事だ
(再び立ち止まり顔は見せずに口を開き、昨夜二人で飲みに行った話を取り上げ質問とやや意図のずれた回答でもやもやした気持ちを晴らすべく葉巻を吸い込み)
私は…
(昨日いった酒場の出来事が関係しているのかわからないが、昨夜の体験は自分に取っては新鮮でもちろんギャンブラーであったら根に持たれたりケンカが行われるというのは分かっていたが嫌じゃなかったという言葉が口に出せず)
無理すんな、俺に合わせる必要はない
(口から吐いては消える煙のような存在は彼女には不釣り合い、一瞬だけ向けた顔は悲しみに染まった表情をしているが首を振り顔を背け)
お願い、本当の事言って?何で…
(どうしてそこまで自分を突き放すのか、今までの言葉は全部嘘だったのか。向けられた表情を見て、彼がまだ本心を言ってないんだとわかり)
…俺とお前じゃ生きる世界が違う、どう考えても結ばれるべきじゃない
(酒場という共通のスペースはあれど客と店員じゃ大違い、煙草の火を消し悲しみに染まる瞳を細めたまま面と向き合い。かつて撃たれ不自由なままの相手の足に視線を移し)
私はそれでも構わない、あなたと居れるだけで幸せなの…
(これが本音だろうと受け止め、彼の前では見せないようにしようと決めて涙は知らないうちにこぼれ落ち。何もかもが初めてでこういう時なんて言ったらいいのか分からず、彼に駆け寄り強く抱きしめ)
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