【1879→】(ひぼ)

私の方こそ…あなたの気持ちを知らずに
(優しく触れた手を覆い、そっと触れる程度の口付けに頬を緩め「これから先も一緒にいてくれる？」プロポーズの様でそうじゃない言葉をポツリとつぶやき)

謝るな、リシュリーの気持ちを理解できてなかった俺の落ち度だ
(幸せという感情はまさに今二人を包む空気を示すのだろうか「勿論だ、俺からお願いしたい」足元に咲く小さな白い花を折り指輪を作って彼女の左手の薬指に通し)

喜んで…
(薬指に通された指輪は何よりも綺麗に見え、悲しみや苦しみの涙ではなく幸せな涙を流しながら抱きつき「あなた一人、遠くに行く事だけは許さないから…」幸せな気持ちがこの先も続くよう願い）

今はこんな物しか用意できないが許してくれ
(強く抱き締め温かな涙を肩口で受け止め「流れ者も年貢を収める時が来たってか」自称でしかない色男にとって本当の恋はこれが初めて、静かな雰囲気に堪えかね短く口笛吹き)

これで充分よ、ほかは何もいらない
(初めての恋に簡易な初めての指輪、高価な物が似合わないだろう自分にとってはいちばんの贈り物「そろそろを身を固める時ね」温もりを感じてから上を見上げクスクスと笑い）

謙虚だな、もっと我が儘になっても良いんだぞ
(控えめな発言が彼女らしいのだが女性は我が儘な生き物でも良い、遠慮しないで欲しいから優しく何度も頭を撫で「ファラデー夫人になるってか？親父さんがブチ切れる」自意識過剰でも流石に無理だと首を横に振り)

父さんに秘密でならなってあげてもいいわよ？
(幸せそうに撫でられ、彼のことを信用しているからと言って頑固な父がそれを許すかどうか。もしそうだとしても心配するのが目に見え、口元に指を持っていき内緒のポーズをとり)

内緒の関係も悪くない、今から二人でいる俺達達は夫婦だ
(元から人気の少ない通りでたまに出没する通行人も自分達には興味を示さないのだが彼女につられてコソコソ話、今までの人生では味わう事のなかったピュアな気持ちに飲酒とは違う要因で頬を赤らめ脱力した笑顔を浮かべ)

もしバレたら2人で怒られよう
(この関係を知った時の父の顔が頭に浮かび、その時はその時だと覚悟は決め。夫婦という響きに照れ笑いを浮かべるもあまり実感が湧かないがこれからずっと一緒にあることは確実だろうと)

そりゃ心強い、リシュリーがいれば何だって楽しく感じられそうだ
(その日暮らしの楽観的な考え方とは違う明るい気持ちで勢い余って大切な恋人を抱き上げ、所謂お姫様抱っこの状態で照れる頬にキスして)

2人なら辛いことは乗り越えれそうね
(これ程までに心強い気持ちになったことは無く、頬に優しな口付けをされればさらに顔は赤く。首元に両手を回しその間に顔を隠すように頭を下げ)

めでたしめでたしって事で、一緒に家に帰っても良いか？
(すっかり二人の世界に入り浸る男女を祝福するのか笑っているのかディッシュが鼻を鳴らし。良いと返事が貰えるのは分かっていても聞きたいもので、首を動かし返事を待ち)

もちろんよ、その前に…
(抱き抱えられている状態では帰らないと思うが、彼なら分かっててもやり兼ねず「降ろしてもらえる…？」未だに慣れない状況に上目遣いで見やり)

んー、どうした？
(続く言葉が何かは想像が付くのだが敢えて言葉をゆっくり発し、予想通りの言葉ににやりと口角を上げ「心配するな、このままでも乗ろうと思えば馬にも乗れるから」分かっていながら見当違いの返答で下ろす気配もなく抱き続け)

そういう事じゃなくて…！
(返ってきた言葉は想像通りで、このまま歩き出し顔見知りにでも会ったらと思うと余計に恥ずかしくなりドンっと胸を叩いてから真っ赤になった顔を隠し)

分かってるって、ほら暴れるなよ
(予想外に力強く叩かれ軽くむせて、要望通り可愛い可愛いお姫様をそっと着地させてやり。代わりにしっかりと手を繋ぎ普段浮かべるニヤついた顔とは違う純粋な笑顔を見せ)

変な冗談は辞めてよね
(やっと地上に足がつきホッとため気。しっかり握られた片手を強く握り「…サッサと行くよ。日が暮れちゃう」照れ隠しをするように街に向かう方向に足を進め愛馬の手綱を握り)

はいはい、帰りますかっと
(何が彼女の心を引き留めたかは不明でも嬉しさと照れ臭さに襲われている事はたしか、顔の緩みを止める為に余った手で火の付いてない煙草を口に運び)

(静かな空気が漂うが話す話題が思い浮かばず、ただ黙々と家に向かう道をひたすら歩き。夫婦となったとは言うもの彼への接し方がわからず、今まで通りでいいのかそれなりの接し方があるのかわからず悩み）

…どうした？
(咥え煙草でちょっぴり不明瞭な音声で黙る相手に声を掛け、家では話しにくい事もあるだろうし立ち止まり「何か言いたきゃ聞くし、言葉が見つからなきゃ黙ったままでも良い」プレッシャーを与えないよう優しくゆっくりを心掛け)

…そのこれからあなたにどう接すればいいのかな、なんて
(止まる足に釣られて進める足を止め、くだらない質問だなと笑われそうだが自分の中ではどうすればいいのか答えが出ておらず、父に相談しようにも難しく）

今までのまま、何も気にしなくて良い
(やはり一緒に居たくないだのマイナスの言葉を覚悟していた矢先に彼女らしい小さな悩みが聞こえたから、少し歯を見せ笑い髪が乱れる程にわしゃわしゃと頭を撫で)

ちょっと、やめてよ。
(乱れた髪で前を遮られ、嫌がる素振りをしながら顔は微笑み「そう言ってくれると安心する」前髪を直し二人の間の隙間を埋めるように寄り添い）

やめない、可愛すぎて困る
(寄り添う背中に腕を回し実感が分かるよう力を込めて抱き締め、乱れた髪を手櫛で整えたついでに夕日を集め金色に輝く毛先にキスして)

…ほんと困る人ね
(力強い寄り添いに今までにない愛情を感じ、それでも変わらない彼にやれやれと小さく溜息をつき目線についた首筋にリップ音を立てながら口付けをして)

首にキスするって色っぽいな
(ロマンチックになりつつある空気をぶち壊すのはモテない故の残念さで、にやりと下品な顔を引っ下げ愛して止まない女性にもう一度口付けをしたら「さて帰るか」手を引き漸く帰路につき)

貴方だってしたじゃない
(改めて言われると恥ずかしく目線を外し、二度目の口付けに頬を緩ませ。彼の手と手綱をしっかりと握り、このまま隣にある相手と何処かに行けたらなと想いながら街の灯りに向かい足を進め)

さぁて、いつだったかな
(遊び慣れてない所がまた可愛らしい相手をからかい肩を揺らして笑い、二人と一匹が並ぶ様に時折驚いた顔をする人が居たと思えば遊び仲間達で「リシュリーのお陰で俺は真面目な人間になれるかも」ギャンブラー卒業宣言も悪くないと口笛鳴らし)

覚えてるくせに
(記憶力のありそうな彼の冗談を可笑しそうに笑い。さっきまで喧嘩してたんじゃぁと聞こえてきそうな常連たちを見ては軽く手を振り、ギャンブル卒業を自信ありげに吐く彼を見て「無理よ、勝負師は勝負師なんだから。卒業はできない」肩を落としながら手を横に振り苦笑いを浮かべ)

はは、どうかな
(記憶力が良くなければ手品もポーカーも出来ない訳で相手のご名答と言ったところ、人差し指立てて何故か内緒のポーズ。報われない男共を横目に口角を吊り上げ「人生で最初で最後、おまけに最大の勝負に成功した男は違うぜ？」指をパチンと鳴らして突如現れた小振りの花を愛する女性の髪に飾り)

当たってるのね？
(わざとからかってるのか、もしくは正解を言い当てたのか首をかしげて尋ね。すれ違う人たちの視線が痛いほど突き刺さるようになるのはやはりはまだ慣れず「どうかな、そういう人達は山ほど見てきたから」飾られた小さな花をそっと触れながら悪戯っぽく微笑み)

(鼻を鳴らして笑って流し、さてこれからどうするか。通り過ぎた店のガラスに写る己の身なりはあまりに汚ならしく良いのは顔だけ、髭を触り剃るのも悪くないと「俺にどうなって欲しい？」ぼんやりと問い掛け繋いだ手を話して腕を組み)

急にどうしたの？
(投げかけられた質問に小さく目を開き、小首を傾げながらしばらく考え「どうなって欲しいって…あまり思いつかないな」頭に思い浮かぶ答えが見つからず首を振り）

いや、ただリシュリーの為なら何でも出来そうな気がしてな
(可愛らしく尋ねる相手の額をつんと指で突っつき「今のままで良いってんなら楽で良いんだが」どうしたいかは自分自身でも分かっておらず予測不能な二人の将来を思えば肩を揺らして笑い)

んー、そうね…
(どこかで聞いたことのある台詞にくすりと笑い、態とらしく考える素振りを見せ「このまま、今のジョシュのままでいいわ」そっと彼の胸に両手を添え静かに微笑みながら見上げ)

今の？こんな未来のない生活を送る男でも？
(今までその日暮らしを反省しなかったのは一人身だったから、これから先は彼女の側に居続けなくてはならず驚きで裏返った声を上げ瞬きを数回。予想外の回答に変な表情でひたすらに見つめ)

…それじゃぁ、あなたはどう答えてほしかったの？
(こちらも予想外の答えに同じような仕草で応え、どうなって欲しいと聞かれたため自分では素直に答えたはずなのに驚かれるなんてと眉をひそめ)

いや、嬉しいんだよ。ま、俺は世界一のモテ男だから当然か
(相手の政客からして先ずは定職に就いて欲しいとかギャンブルを辞めろとか言われる事を覚悟していた訳で、自称の称号を口に厳しい表情を浮かべる彼女の額に指を置き)

私だってあなたに無理して欲しくないのよ？
(一体どっちなんだと思いながら険しい表情を解き優しい顔に戻し「その言葉だけは変わらないのね」聞き飽きるほどの言葉に困ったように笑い）

無理はキツい、だが愛する女の為なら努力は惜しまないと言ったところ
(彼女の店かつ家が見えてくれば気まずさというか恥ずかしさから繋いだ手をほどき、相手はディッシュを馬屋に戻すだろうから何事もなかったかのような顔して入店し)

成程、でもお互い無理は禁物ね
(店が近づいてくると握られていた手は離れ、何となく寂しい気にもなるが仕方は無く。馬小屋に愛馬を返し裏口から店に入り、案の定常連や父からは心配の声が届いたが「大丈夫、少し散歩したら良くなったの」手を振り無事をアピールして)

うるさいな、リシュリーとは上手くいってるぜ？
(店内の定位置へ腰を下ろした途端に汚ならしい男共が詰め寄り彼女を泣かせたとか問題を起こすなとか口々に騒ぎ立て、あまりの賑やかさに両手の人差し指を両方の耳に突っ込みうるさいとアピールし)

(変わらない店の雰囲気に思わず笑いが立ち込め、クスクスと笑いながらも普段通りに仕事を進め「上手くやってる？どうかしらね」状況を知らない人らによっては本気に聞こえるかもしれないがコチラとしては冗談で言い放ち）

んー、上手くいかない理由がないからな
(にやりと下品な笑いを浮かべる内心で営業用と二人の時で使い分ける彼女の顔には驚くばかり、対する此方は平常通りの雰囲気で然り気無く彼女の手を取り甲に唇を寄せ)

よく言うわね
(二人の仲を周知してる周りでさえ、夫婦になったと言うのは誰も気がついておらず。手の甲に口付けをする相手を軽く押し返し「後でね」周りに聞こえるか聞こえないかぐらいの声で囁き、片目を瞑りながらその場を立ち去り)

自信家だからな
(鼻を鳴らして得意顔に更に力を入れ、可愛すぎるウィンクに軽く片手を上げて了解の返事を。二人の雰囲気が変わった事を察した常連から飲み比べやギャンブルの勝負を挑まれ片っ端から相手をしてやることに)

その自信はどこから来るのか
(しょうがないなと肩を落とし、絡まれる光景はいつもとは変わらずそれを横目に安心しながら仕事を進め。日が暮れるにつれ閉店の時間が近づき「ほら、今日は店仕舞いだよ」寝てる客や彼に群がってる客を引き剥がし）

ほーら、リシュリーが怒る前に帰れよ
(ハエを追い払うような動きで手をしっしと動かし帰るよう促し「水貰える？」相当に飲まされたようですっかり回った酔いを冷ますべく水をリクエストし)

怒らないわよ、また明日ね
(最後の客を見送り入り口に鍵をかけ、机に溢れるほどの酒瓶をどかし「どうぞ、大丈夫？」後片付けを再開しながら机に突っ伏し彼を横目で見て)

まだいける、が酔いすぎた
(巷じゃ有名な大酒飲みがリシュリーを取られた悔しさ紛れに飲み比べを吹っ掛けるものだから流石にダウン気味、水を一気に飲み干し椅子の背凭れに体重を預け手足をだらりと放り出し)

闘う相手が違ったようね
(オーバーに椅子に倒れる彼の額を軽く叩き、ここで寝られとも困ると「ほら、貴方も先に家に戻ってて」唇に軽く口付けをして後片付けに戻り）

いや、リシュリーを待っとく
(店から家まで距離はないと言えど夜中に女性一人歩かせる事は不安で。椅子から悲鳴が上がる前に立ち上がり散らかる空き瓶を一所にまとめ片付けの手伝いをして)

…わかったわ
(素直に聞き入れてくれる彼でもなく、仕方ないと溜息を吐き「手伝ってくれるのはいいけど、酔いはいいの？」あれだけ酔っていたのは大丈夫何だろうかと)

これくらい問題な…っと、すまん
(くわえ煙草で順調に片付けを進めて居たが流石に呑みすぎて足元が覚束なく、全くもって故意ではないのだが彼女の方へフラついて急に距離が近付き)

大丈夫な…無理しないで
(千鳥足の足元を時おり見ながらイスの片付けをしているさなか、急に彼がこちらに近づいてきたから何を思ったのかと目を丸くし恥ずかしそうに体勢を正し、再び手を動かし)

問題ない
(やはり彼女は可愛いだなんて惚気ながらも気掛かりな点がひとつ「やっぱり銃は嫌いか？」唐突な質問を口に腰に納めた銃をケースの上から撫で)

何よ急に
(片付けが終わりかけの頃、思いがけない質問が耳に飛び込み手を止め「もちろんよ…、でもあなたが持ってても怖くないわ」店に来る客で銃が持っていれば少し身体が強張るが隣に居る人が持っている事には抵抗はなく)

深い意味はない
(己を特別扱いしてくれる事に胸が高なり、酔いも手伝って普段以上にスキンシップを取りたい衝動に駆られ「なぁこっちに来てくれよ」両腕を広げ彼女の方を向き)

なに？
(両手を広げてこちらを待っている様な仕草に少しだけ首をかしげ、ゆっくりと歩み寄りながら彼の胸に飛び込み「どうしたの？」ぎゅっと抱き締めてから上を見上げ)

いーや、相変わらず可愛いなって
(飛び込んでくれた相手を受け止めぎゅっと抱き締め頭を撫で「俺ほんとお前の事好きなんだな」愛して止まない女性を腕に耳元で囁き)

どうも、でもまだまだだと思うわ
(店内はひんやりと冷たいが身体と心はあたたかく、耳元に吹きかかる吐息がくすぐったく身を震わせ「ホントよね、なんでかしら」どうして自分のことを好きになってくれたか今更不思議に感じ)

最初は冷たくされて俺に惚れさせようと遊んでた。それが気付けばすっかりリシュリーの虜になっちまってた
(抱き締めたまま近くの椅子に腰掛け向き合うように膝の上に彼女を座らせ、長く美しい髪を撫で彼女の全てを愛しているのだと毛先にキスして)

私のこと遊んでたのね…酷い人
(向かい合わせになった姿がガラス窓に薄らと映ると少しだけ頬を染め「ねぇ、こんな姿父さんに見られたら…」外にいるかもしれない父親に発見されればと思えば少し体を離し)

ほんの序盤だけ、あとは必死だった
(自称とは言え世界一の色男が本気で誰かを振り向かせようとしたのは勿論これが初めて「悪かったよ、ほら」心配するのは最もな意見、足の悪い彼女が転ばないよう丁寧に下ろしてやり)

私にはからかってるようにしか見えなかった
(異性を愛したことのない人間にとって本気という言葉は思いつくはずもなく「そういうのは…家に帰ってから｣赤らめたまま聞こえるか聞こえないかの音量で軽く彼の頭を叩いてからそそくさと逃げるように店の裏に行き)

はは、悪かったよ
(遊んでると思われていたからこそ最初は相手にして貰えなかったのだと判明「わかった、先に帰っとくからな」逃げる彼女の背中に返事を投げ掛け、テーブルに体重を乗せて立ち上がり千鳥足で家を目指し)

ビックリした…
(あの時何も言わなかったらどうなっていたんだろうと思うと顔が熱くなり、裏で作業していた父と共に後片付けを終え暗がりの帰路を後をつけられてないか背後に注意しながら進み)

(曇りで月明かりが少ない日は短い距離と言えど女性とその父親だけで夜道を歩くのは危険かも、何を言われようと一緒に帰るべきと考え少しだけ進んだ道を店へと引き返し)

(早く家に着こうと少し歩くスピードを早め、あと少しという時に目の前から近づいてくる人影に足を止め「…だれ？」不安げな声を上げ父は自分を守るかのように少しだけ前に立ち)

待て俺だ、一緒の方が安心だろ？
(店からの帰り道となれば金品を持ってるのではと襲われる危険もある。銃を持っていれば撃たれかねない父親の殺気に咄嗟に両手を上げ、後方に身を隠すリシュリーに向かって声を掛け)

…ジョシュ
(聞き覚えのある声に顔を覗かせれば先に帰ると言った彼が立っており、安堵のため息をついた父は彼の頭を叩き1人歩いて帰り「まだ帰ってなかったの？」あれだけ飲んでまだ飲み足りず何処かで飲んでいたのかと勘違いし)

…あいてっ
(まさか頭を叩かれるとは思っておらずびっくり眼でパチパチ瞬きを繰り返し「一緒に帰ろうと思ってな」気の効く父親の背中に口パクで有り難うを述べ、残った彼女に向かって手を差し出し)

(父の行動にこちらも驚き目を丸くして暗闇に消える父の背中を見つめ差し出された手を握り返し、彼の温もりに嬉しそうになるのをぐっと堪え「また呑んでるんじゃないかと思った」少しきつい口調で見上げ)

そんなに呑まない
(相手にとっての己はひたすら呑むだけの人間と認識されてるらしく肩を竦めて笑い、歩くリズムに合わせて繋ぐ手にギュッギュッと力を込め)

だよね。…何やってるの？
(さすがの彼もあれだけ飲めば倒れる事は分かってるだろうと、繋いでる手に力を込めたり緩めたりする行動に疑問を持ちチラッと片手を見てから再び彼を見上げ)

別に意味はない　
(何を考えるでもなく酔っ払い特有のご機嫌さんを表すのに無意味に動かした手に突っ込みが入り、握ったり緩めたりはそのままに素直な答えを返し)

そう
(深い意味は無いと言われればこれ以上聞くとのはなく、前方に見えてきた自宅には明かりがついており先に帰っている父がつけたんだろうと）

よし到着っと。お先にどうぞ、お嬢さん
(暗闇に警戒したが何事もなく無事に迎えた帰宅に胸を撫で下ろし、酔っぱらいで台無しだが紳士の真似して玄関の扉を開け)

ありがとう、酔っ払いさん
(皮肉の言葉を交えながらお礼を述べ、食堂には父の姿が見えず先に寝たのかと｢それじゃ、私は部屋に戻るから｣休憩がてら部屋で休もうと自室に足を向け)

いいえ、お安いご用で
(廊下で別れ各々の部屋に帰ろうとしたのだが、ドアノブに手を掛けた状態で「店の続きがしたきゃ部屋に来いよ」嫌がられるだろうが酔いと過剰な自信に任せてウィンクを飛ばし、返答は聞かずに己の部屋に入り)

うるさい…!
(酔って覚えていだろうと思い言った言葉を覚えていた事に驚き、ぼっと顔から湯気が出そうなほど熱くなり勢いよく扉を閉め。ダイブするようにベッドに倒れ、彼の部屋に行くかどうか悩みながらも今までお詫びをしないとと隣の部屋のドアを叩き)

(/すみません…！名前を間違えてしまいました…)

……開いてる
(いつも以上に飲まされ酔いが回りベッドへ横たわって重い瞼を閉じ、眠りかけている時に聞こえたノックの音に目は閉じたまま扉に鍵を掛けていない胸を小さな肥で告げ)

…眠いならまた来るけど
(声が聞こえる前に扉を開け、ベッドに横になる相手の顔を覗き。眠たそうな声と瞼に、大人しく寝かせてあげようかと思い返事を聞かずに自室へ戻ろうと)

こっちに来ておやすみのキスをしてくれよ
(薄く開いた瞳で暗闇に人影を捉え重い腕を持ち上げゆっくりした動作で手招きし、ちょっとした注文に応じてくれれば嬉しいのだが。ベッドに腕を下ろして彼女の動きを待ち)

…仕方ないわね
(帰ろうとドアノブに手を掛けたが自分自ら彼の部屋に来て何もしずに帰るのは失礼かなと困ったように笑い、彼の元まで戻り「おやすみなさい…あなた」額に口付けをしてから優しく髪を撫で)

(嫌だと言うようなニュアンスの返答があっても彼女は必ず応じてくれるから可愛い「こっちは？」具体的に言葉には出さずに唇をトントン叩きもう一つ注文を付け加え)

…また明日、酔っ払いは早く寝て
(注文に答えてあげたのをいい事に追加注文をしてくる彼の頭のしたの枕を抜き取り顔に押さえつけ、数回ポンポンと叩き｢はい、キスしたよ｣冗談を言って自分の部屋に戻り)

はいはい、ありがとさん
(真面目に相手するだけ無駄である事を理解し扱いが上手くなった事に小さく吹き出し、部屋の扉が閉まるのを確認したら目を閉じ深い呼吸を繰り返し)

疲れた…
(今日1日だけで色んなことが起こりすぎてまだ頭の整理が追いつかず、とりあえず寝間着に着替え疲れと幸せ感に満たされながら布団に潜り目を閉じながら朝が来るのを待ち）

(飲みすぎたせいか夜中に数回目が覚め何度目かに目を開けると窓から朝日が差し込んでおり、重い身体を起こし煙草に火をつけ煙を吐き出しぼんやりする頭で彼女はまだ寝てるのか起きたのかを考え)

(ふっと目を覚ますと窓から朝日が差し込み、ゆっくりと寝れたなと大きく背伸びをして。ベロベロに酔った彼はまだ寝てるんだろうかと様子を見に部屋へ向かい、一応ノックをしようと数回叩き)

目は覚めてる、入ってこいよ
(煙を何度か吸い込む内に頭が冴えて来たとは言え何かをするでもなくベッドに腰掛けたまま窓から見える景色を眺め、小さく聞こえたノックの音にドアへ向かって返事して)

おはよう、まだ寝てたのかと思った
(二日酔いでまだ寝てたのならイタズラをしてやろうと思っていたが、聞こえてきた声に1度入口前でため息を吐いてから扉を開け彼の隣に座り)

おはよ、酔うと眠りが浅くなんだよ
(気持ちはまだ寝ていたい時間なのに目が覚めてしまってガッカリしたところ「二度寝でもするかな」店のある相手には怒られそうだが、座った体勢のまま上半身だけ横に倒し)

でも父さんは爆睡するよ
(この前のことが頭に浮かび上がり、酔っていれば爆睡するくらいに寝れるものなのか彼みたいに起きてしまうか「ご自由にどうぞ、私はお店があるから」倒れた彼の腕をポンポンと軽く叩き)

眠気は酷いが眠りが浅くなるというか、身体には良くないんだろうな
(飲めば瞼が重くなる事は確か、考えれば考える程に酒も煙草も身体に悪いとは分かってても止められないのが事実「ん、じゃあ好きにさせて貰う」叩く手を捕まえ指先にキスをして、然り気無く指の太さを計ってみたりもして)

私にはわからないわ
(二日酔いになった事はあるが眠りが浅くなるという事になった事がなくどんな感じになるんだうと考えるもなりたくないなという気持ちの方が強く「私の話聞いてた？」自分の指を触り始めた彼は離れる気配がなく、半ば諦めながら彼の行動を眺め)

分かるまで飲む必要はないからな
(ぐでぐでに飲むタイプでない彼女なら分からなくて当然、小さく吹き出しながら頷き。店があるから離してくれの意味は分かってるのだが「んー、話って？」敢えて間延びした声で答えまだ手は離さないままでいて)

ここに悪い手本がいるから安心して
(今も二日酔い気味の酔っ払いがいる為、絶対になりたくないと誓い「…ここにいて欲しいの？」分かってるくせにに分からないふりをする彼にため息をつき)

はっはーん、俺は悪い大人の代表か
(定職なしの飲んだくれが何故かドヤ顔で歯をキラリと朝日に輝かせ。「当たりま…いや待てよ、店を手伝う。今日こそそうしよう」惚れた女性と片時も離れたくない一心で身体を起こし訴えかけ)

私の好きな人の中ではね
(なんで自慢げに話すのかわからず、もちろん酒場にいる常連の中にも悪い大人はもちろんいる。なぜかやる気満々の彼に眉をひそめ「それホント？」冗談なのか本気なのかじっと見つめ)

好きな人の中では…LikeでもLoveでも俺が一番じゃなきゃ気が済まん
(今はそんな話をしてるのではないが、彼女の周囲にいる人間を浮かべては鼻をふんと鳴らし。片足の悪い彼女では一度に運べる量は限られてる「本気、力仕事なら任せろ」胸元をドンと叩き俺に任せれば万事解決くらいの雰囲気を放ち)

はいはい、そうですね
(まるで子供みたいな言葉に困った人を好きになってしまったなと眉を下げながら笑い、でも何故そんなことを言うかは何となく想像がつき。本気で手伝う気なんだと「手伝うのはいいけど、迷惑はかけないでよ」やるならとことんの彼に諦めるという言葉は効かず)

何ヶ月ぶりかしら…、もういないと思うけど上げておくわよ？
いたら返事ぐらい返しなさい

すまん、どう詫びても言い訳にしか聞こえないよな。さんざん待たせておいて調子良いだろうけどまた頼めるか？本当に悪かった。

もう一度何も言わずにどっか行ったら、知らないからね…。

言うのが遅くなっちまったが、俺の事を覚えてくれていて有り難うな。今更どう顔を出すべきか迷ってる内にまた時間が経っちまってた、ビンタでも何でもしてくれて良い。
ところでだが、俺の話の展開が下手すぎて退屈させちまってないかが心配なんだが。このまま続けるも良しだし心機一転何かするのもアリか？

そうね、一体いつまで待ったのやら…。と言っても私も半分忘れてたけど…、今はそんな気分じゃないから気分が向いた時に遠慮なくやらさせてもらう事にするわ。
退屈？そんなわけないじゃない、楽しいわよ？んーわたしはどちらでもいいよ、2つとも楽しそうだし？

気分が向かない事を願うぜ、リシュリーのビンタは凄そうだからな。
そりゃ光栄だ、ありがとうな。リシュリーが可愛いから他の子も見てみたいってのもある。

私もあなたにビンタをくらわせることがないことを願うわ、それで怪我でもしたら大変だもの。
可愛いわ余計よ…、他の子ってたとえば？

そういう趣味はないが、お前の手によって負う怪我なら痛くないってモンだろ。
なんでだよ、素直に褒められてろ。あーん、リシュリーじゃない女の子？俺も別の誰かになるとか？リシュリーの後ろにいる人がさ、他にどんな人を俺に見せてくれるか興味持っちまっただけ。

…それがあなたの性癖ね、Ｍなのかしら。私以外の女の子ねー、それならあなたもあなた以外の人が見てみたいわ。世界観は同じとしてお互い丸っきり違う人でやるのも悪くわないわね

かもな、とにかくそれ程にリシュリーに惚れてるって事だ。
よしなら先ずはアンタの好みを教えてくれ。聞いておいて知らなかった時は申し訳ないが、好きな俳優・女優、映画は？ちなみに俺は分かるかもだが俳優ならクリス・プラット、エヴァンスの方のクリスも気になる俳優だな。で女優はジェニファー・ローレンスってとこだ。

ほんと、私の事好きなのね。まぁ、私もあなたのこと好きだけど。
好きな映画はありすぎて困るわ、俳優だったら…ダブルクリスはもちろんだけどジョン・バーンサルも好きよ。女優だったら、クリステン・リッターかな。

そりゃどうも、今聞いた事は一生忘れないぜ。
だよな、俺も有りすぎて逆に挙げなかった。俳優を調べたがタイトルは知ってる作品がちらほら、渋めのが好みなんだな。二人ともMARVELのドラマに出てるのか、ドラマには手を出せてないが映画ならほとんど観たぜ。ダブルクリスならキャプテンアメリカとかガーディアンズだな。

覚えておいてよ。
作品は割と有名なものもあるしね、こう見えてもね？渋めのもあるしそれ以外のも。私はMARVELの映画もドラマもほぼ全部観たわ、ドラマも映画とは全然違うからオススメよ。どちらも好きだけど、どちらかと言うとガーディアンズが好きかな

ペギーの話とかコールソンが出てくるのも観たいんだが、ドラマって手を出しづらくて困ってる。まじかよ、ガーディアンズは俺もすげえ好き。よしなら俺は違いが出せるか自信がないが、スターロードに変更するぜ。同じ作品から選んでも別のでもオリジナルでも…ってお任せすぎて困るか？

映画と違って各話があるからね、それにシーズン物は見るの大変だし。なら決定ね、ガモーラやマンティスもやってみたいなって思うけど似てなかったらあなたに悪いし今回もオリジナルか別の作品だったらスカーレットウィッチかしらね。

それを言うなら俺の方もスターロードができるか分からん。リシュリーがやりたいと思う奴を選んでくれたら良いしって丸投げじゃ困るだろうが、ガモーラかワンダかが気になる所だからこうしよう。先ずはガモーラとクイルで、またいつか今度の時はワンダを頼むぜ。

ならそうしましょう、自信はないけど頑張ってやってみるわ。似てないのはお互い様ってことにしましょう。

ならそうしましょう、自信はないけど頑張ってやってみるわ。似てないのはお互い様ってことにしましょう。

ウエスタンな服装の人から此処に来るようにって言われたんだけど…え、ガモーラが来てくれるの！？まじで！？やばいそれって凄く緊張するヤツだよ。
(そわそわする気持ちが落ち着かないままにウォークマンの再生スイッチを押し、躍りながらメロディーを口ずさみ)

どこかで聞いたことある声だと思ったら、クイルだったのね。私も可愛らしいお嬢さんからここに来るよう言われたの、ネビュラだったら絶対来なかったわ。
(陽気な声に誘われやってきた場所には、見覚えのある顔と聞いたことのある鼻歌にわかりやすく溜息をつき)

君を呼んだのが誰でも構わないよ、ほんとに。俺はこうしてガモーラに会えるだけで幸せだから。
(人影にウォークマンをオフ、溜め息なんて耳に届くはずもなく幸せオーラ全開で調子に乗りハグを求めて両腕を広げ)

そういう所は変わらないのね
(嬉しいのかそうでないのか困ったように笑い、何を言ってもきっとこの調子なんだろうと広げられた腕の中に入りポンポンと優しく背中を叩き)

何があっも俺は変わらないよ、例えばもし最強の敵が現れたって変わらないさ
(愛する人が腕の中に居る事ほど幸せな時間はないのでは、片手を腰に片手は毛先の赤い美しい髪に指を通し何度か撫で)

そうね、あなたは何があってもあなただもの…でもあまり触りすぎるのも良くないわ？
(どんな状況になっても自分は自分のままでいる相手に関心しつつも、やはり腰に手が来る状態は何か変でチクリと脇腹に刀の先を軽く刺し)

あいてて、このタイミングでそれは酷くない！？照れ屋さんな所も可愛いけど、それ以上さしたら流石に泣いちゃうかも
(脇腹に感じるチクリとした痛みに身体を離し手で擦り、何処からともなくドラックスの笑い声が聞こえた気がするのは空耳という事にしておき)

そうだ、さっきドラックスがあなたの服を着てたけどー
(フンっと鼻を鳴らし刀をしまい、ここに来る前のことを思い出し)

え、何だって？ドラックスが着たら破れるだろうに、何で止めてくれなかったの！
(面白半分でロケットと遊んでいたのだろうが、巨大なドラックスが袖を通した事で無惨に破れたTシャツを想像しては彼女の両肩を掴んで揺さぶり)

私が見た時はもう既に着てたのよ
(体を揺さぶられても平然と言いのけるが、実は一部始終見てたのともし行ったとしても無残なシャツが待ってることは黙っておこうと)

あーごめん、君にあたる事じゃないよな。ちょっと見てくるから待ってて
(言われてみればそうだと反省、今さら見に行ったとて遅い事は分かってるが気になる気持ちを抱えたまま離れて数分後「…ただの布切れになったシャツを返してくれた」破れたTシャツを丸めてちょっぴり涙ぐんだ声で再び姿を現し)

…
(数分待てと言われ、ドラックスたちの方へ向かう相手を見送り言われた通り数分後に帰ってくれば手元に持ってたものがとうていシャツとは呼べない布切れで「ごめんなさい、実は知ってた」言うのが遅い！と言われそうで)

え、何？知ってた！？
(まさかの発言に持っていた布切れを床に落とし目が真ん丸に「ガモーラまで俺を酷い扱いするなんて…いいよ、俺が凄い男だってのは行動で示すから」怒るよりむしろ半泣きで鼻水をすすり)

ごめんなさい、言おうとしたらすっかり忘れてたわ
(真顔で伝え忘れたことを謝り。子供のようにベソをかく相手に溜息をつき「あなたは充分すごい男ってのは分かってるわ」ティシュを渡し)

いいよ、俺のTシャツなんて君にとったらそんな程度なんだよ
(受け取ったティッシュで音を立てて豪快に鼻をかみ涙を脱ぐって上げた顔は先程と違ってスッキリしたものに「なぁガモーラ、俺だって着替えがないと困るし今から買いに行こう。一緒に！」にっこり満面の笑みでさりげなくデートに誘い)

買い物？いいわよ、行きましょ
(相変わらず切り替えが早いと関心しつつ、デートの誘いとは知らず相手の誘いに乗り)

よし来た、ガモーラは何か欲しいものある？ロケットに言ってくるから考えといてよ
(見えない所でこっそりガッツポーズ、にやけた面構えは普段よりも一層楽しそうに。服の他にも船内の飾りなんかも買っても良いかも、操縦席のアライグマに寄り道する旨を伝え)

欲しいものなんて別にないわよ
(そう叫んだところで相手の耳には届いてないだろうと、欲しいものと言われても物欲がないせいか何が欲しいのかも思い浮かばず。とりあえず相手が戻ってくるのを待ち)

おーけーお待たせ、んじゃ比較的治安が良くてお洒落な店がある星に行こう
(程なくして宇宙船が停止、繋いで貰えたら幸せなんて運試しに降りる際に然り気無く手を差し出し)

ひとりで行けるわ
(治安が良くても悪くてもどちらで構わないと口にすれば相手はダメだ、と言うのが目に見えてわかるので口にはせず。出された手をしばらく眺め、軽く手を叩いては宇宙船を出て)

あいてっ、ガモーラの照れ屋さん
(断られて元々と考えていたってガッカリするもの、背後からロケットとドラックスが笑いを圧し殺す声が聞こえたり呑気に手を振るマンティスがいたり。さっさと歩いて行ってしまう相手を追い掛け隣に並び)

別に照れてないわよ
(自分では気がついてないが照れ隠しなんだろうと、宇宙船を降り暫く歩くとショッピング街へと入り中は色んな店や人が楽しそうに行き来をして)
こんな所もあるのね

そうそう、いつもは治安の悪いとこばっか行くけど宇宙には平和な星もあるんだよ
(ガーディアンズへ仕事の依頼が来るのはゴロツキの集まる星ばかり。此処では様々な肌の色をした人々が花や果物に手作りの小物まで売ってたり、気分はご機嫌でカラフルなドライフラワーを手に取り)

賑やかな場所ね
(生まれた環境が環境だからかあまり慣れず、キョロキョロとあたりを見回し。もしこういう環境で育っていたらどんな風になってたんだろうと、有り得ない自分を想像し)

ガモーラ、ちょっとこっち来て。これ君に似合いそうだなって
(辺りを窺う彼女を手招き、反対の手には毛先の赤と同じ色をした小振りの雫形のペンダントを手に取り)

何よ…。これ私に？似合わないわよ、マンティスがよほど似合うわ
(呼ばれる方へ振り返ると、光に当たりキラキラと輝くペンダントトップを見つめ。自分に似合うと言われれば、手を横に振りこんなに綺麗なものは似合わないと)

そうかな、君ってば綺麗なのに…
(光に当たって輝くアクセサリーを見ればマンティスは喜ぶに違いはないのだが、それでも好きな人に何かを贈りたい気持ちは変わらず目を盗んでこっそり購入し)

そうかしら？そうだとしたら、あなたの目は節穴ね
(ふっと鼻で笑いながら、止まって足を進め相手を置いて特別目的地もないショッピング街を歩き向かい)

俺の目が節穴だって？そんな訳ないだろ
(プレゼントは鞄の奥底へと突っ込み「待ってガモーラ、服は多分あっちだから俺に似合うの選んでよ」追い掛け当初の目的の品を遠目に発見し手招きして)

そう、節穴よ。
(可笑しそうにクスクスと笑い、当初の目的をスッカリ忘れており相手に言われようやく思い出し「そうだったわね、忘れてた」手招きに誘われ方向を変え)

あーん、これは？それかこれもクールだよな
(ラッキーな事にTシャツのワゴンセールを発見。訳の分からないキャラクターの描かれた物や、ジュラシックパークの文字が入った物を広げてはチラリと窺い)

…、あなたってセンスないわね
(相手がシャツを物色してる隣でガラス細工やレトロな雑貨を売ってる棚を眺め、いいものが見つかったのかと相手の手元を見るととてもセンスがいいとは思えない柄のシャツにボソリとつぶやき)

これ良いかと思ったのに残念。ここは無難に無地にしとくか
(濃いグレーの無地を発見、これならセンスがないとは言われまい。会計を済ませ隣を見ると何やら雑貨に興味があるようで「何か良いのあった？」肩越しに後ろから覗き込み)

(隣で会計をしている最中、隣の雑貨屋で1つのスノードームを見つけ。キラキラ光雪と家と街灯と雪だるまだけのこじんまりとした奴だが、何故かそれに目が止まり見つめてると後からの問いかけにハッと振り返り)
べ、別に何も無いわよ

今のツンデレっぽい、ヤバいめちゃ可愛い
(決して金持ちでないが何のその「おっちゃん、これ頂戴」手にしたままの財布から硬貨を数枚取り出し、どこの星の人かも分からない肌をした店主に手渡し)

ツン…？何言ってるか分からないけど、そろそろかえるわよ
(ツンデレという初めて聞く言葉に何を言っているんだろうと首を傾げ、相手の買いたい物も買え買い物は済んだとそろそろみんなのところに戻ろうと来た道を引き返し)

あ、そのスノードームなら会計済ませたから君へのお駄賃にさせて
(気になっていたらしいスノードームは買い物に付き合ってくれたお礼に、引き返す相手の後を早足で追いかけ直ぐに隣に並び)

別に誰も買ってなんて言ってないわよ
(確かに気になっていたのは気になってはいたが欲しいや買ってとは一言も言っておらず)

買わなくて良いとも聞いてないからね
(素直じゃない言い方がまた可愛い相手にふふんと鼻歌鳴らし、荷物をまとめて片手に持ち空いた手を差し出し期待に満ちた表情浮かべ)

…なによ？
(何を言っても機嫌が良くなる一方の相手に溜息をつき、差出してきた手の意味がわからず首を傾げ)

何ってそりゃ手を出したらこうでしょ？
(回避すべく惚けている訳でもなさそうな雰囲気に、この際どうなっても良いと半ば自棄に緑の手をとりしっかり握り)

ちょっと…！
(どうなるんだと何もせずにしているとぎゅっと握られた手に驚き、見た目では分からない顔が赤くなってるのが分かり)

ごめん、嫌だった？ミラノに帰るまで、少しだけ握ってたいんだ
(嫌なら振りほどけるよう緩く握ったまま、帰路を進む足を止め歯切れ丸くぽつぽつ言葉を紡ぎ)

…少しだけよ
(ここまで落ち込まれるとため息しか出ず、今まで助けて貰った借りもあったと手を握り返し止まってた足を再び動かし）)

すごい間が空いちゃった、ごめん！君の方も忙しかったら気にしなくて大丈夫だから。

ありがと、俺今すごく幸せ
(下がりきった眉毛が上昇しにっこにこ笑顔に、ぎゅぎゅとリズムに乗って力を込めたり抜いたり戻る迄とは分かっていても軽い足取りで進み)

ただし、近くになったら離してよ…
(誰に見られるとは言わなくても分かるだろうと、昼になる頃に連れ人通りも多くなり人混みの中離れない様に少しだけ相手の手を強く握り)

分かってるよ。約束は守らなきゃ、君って何するか恐ろしい所があるし
(ノーウェアにてキスしようと顔を近付け喉元に剣を突き付けられた事件が頭を過り、頭を小刻みに上下に渋い顔して)

あんたがおかしなことするからでしょ
(恋愛経験皆無な人にキスやら手を握るやらをすれば怒るのも当たり前と眉を困ったように下げ)

おかしくなんかないよ、ガモーラが好きだって気持ちに従ってるだけ
(その気持ちが一方通行なら怒られても当然でもいつかは伝わるはず、人が行き交い賑わう路地を外れ一本入った道へ。一目の無くなった所で抱き締めようと腕を伸ばし)

…男の考えることは分からないわ
(自分の気持ちに正直になれないだけか、それとも自分では気が付かないでいるだけなのか。どこからか伸びてきた腕を力強く握り、それを反対方向へ回しながら上にあげ)

そりゃ君は女の子だか…痛い痛い！謝るから離して！！
(あわよくばキスなんて淡い考えは一瞬にして砕け散り、変な方向へ力の掛かる腕の痛みに現実の辛さを知り。早々に涙目で肩を数回叩いてギブアップを訴え)

変な事考えてるんじゃないよ
(パッと腕を離し、少しだけ睨みつけるように相手を見てからスタスタと足早にミラノへと戻り）

誰かを好きになるのは人間として当たり前の行動なのに
(なかなか想いの伝わらない相手にはどうしたら良いか、答は簡単アタックするのみ。人混みを掻き分け小走りで普段よりも早い足取り追い掛け)

好きになる？悪いけど、私にはそんな気持ち一切ないわ
(暗殺者として育てたられたせいか異性を愛する感情や気持ちを持ち合わせていなく、人を避けるように進み続け)

今は分からなくてもいつか分かるかもしれない、人は愛なしには生きられないんだよ
(人を避ける癖がはサノスの育て方が下手なせい、あの紫の顎をへし折ってやりたい気持ちは拳を握って腹の底へ。何とか人を避け追い付き、切れた息もそのままに肩を叩き)

いつか…ね
(人を愛せる時がこんな自分にも本当に来るのかと分からない遠い未来を想い、もし来たとしたら一体その時は多少は丸くなってるのだろうかと想像してはクスリと笑い。乱れる呼吸と共に肩を叩かれては「何よ」と振り向き)

急がなくて良いよ。君には恋人より先に家族の愛を教えなきゃだし
(はみ出し者の集まりでもガーディアンズは家族に代わりない、それを伝えるにはどうしたら良いか答えを求めるように空を仰ぎ。振り向く顔が予想以上に怪訝そうなのはさて置き「何でもない、置いて行かれそうだったから」呼吸を整え得意の脱力した笑顔に)

家族の愛ね…
(小さい頃、自分にも家族がいたんだと思い出したが暗殺者として生きていくうえでは余計な愛情は邪魔だと忘れ去り一生愛する事すらないだろうと思ってたため相手の言葉に苦笑いで応え)

俺はガモーラの事もドラッグスもクソったれロケットもグルートも、俺は皆の事を家族だと思ってる
(実の父が大悪党だったり育ての父が大悪党だったり色々乗り越えた集団だからこそ分かりあえるはず、そう気負う事ないのだと肩を撫で宥め)

…あなただけよ、そんなこと言ってくれるの
(今の自分を家族だと言ってくれるのは若しかしたら、隣に居る人だけなんじゃないかと。もし今の姿を本当の親が見たらなんて言うかうっすらと笑みを浮か)

それって俺はちょっぴり特別な存在だったりしちゃう？なんてね、難しい事は考えなくて良いんだよ
(過去がどうとか親がどうとか関係なく大切なのは今がどうかと言う事、微笑みをしっかり目に焼き付け見守ってくれるヨンドゥと母に向け空を見上げて笑いかけ)

そうね、考えないようにするわ
(相手の前向きな性格は尊敬するくらいに値し、しばらく歩くとひょこりと木の影からヒューマノイドのグルートが顔を出し言葉は相変わらずだが「ただいま」と一声かけて)

そうそう、難しく考えて表情が険しくなったら損だしね
(楽しかったデートタイムはあっという間に終了でポジティブ思考の持ち主でもがっくり肩を落とし、最近少し理解できるようになったグルートが戻るのが遅いとか言ってるような気がしても聞こえなかったふりをして)

…何か買ってきたって？何も買ってきてないわ、ただピーターの買い物に付き合わされただけ
(なにかくれと言わんばかりに手を伸ばした手をポンポンと叩き、ミラノの外では噂のビリビリになったシャツを見て笑うマンティスとドラッグスが目に入り)

そういう事、それに此所じゃ面白いモンは売ってないよ
(来たいが外れた腹いせなのか伸びたら蔓で肩やら腹やらをペチペチ叩かれ。足元に転がる小石を手に取りドラッグスの頭めがけて投げてやり)

次に行く惑星に降りたら一緒に買い物でもしましょう？
(相手に伸びる蔦を優しく握り宥め。投げた小石がドラッグスの頭に直撃するとそれを横で見てたマンティスが一瞬驚く顔をして心配そうに傷のついた頭を見て)

よし、そうしよう。もう少し治安の良い星を探さないとな
(乗り気になった事で許して貰えたのか蔦攻撃が収まり。代わりに怒ったマンティスが睨みをきかせて来たため、シャツを指差し悪いのはドラッグスの方だと抗議)

はぁー…マンティス、ほっときなさい。好きにやらせておけばいいわ
(このままだと無関係のマンティスまで巻き込まれかねないと怒る彼女と機嫌の直ったグルートを呼び止め中に入るよう促し、外が騒がしいと機嫌が悪そうなロケットが顔を出し)

えぇ、ガモーラは誰の味方なの！？
(シャツを破かれた自分は被害者で悪くないのに、想いを寄せる女性に呆れられたとはショックが大きく大袈裟に驚いた拍子に船で足を強打し涙目に)

私はみんなの味方よ？
(出入口から顔だけだし、いたずらっ子のような笑みを浮かべ再び中に戻り。船の船体に足をぶつけ痛がる様子を偶然目撃したロケットがゲラゲラと笑い転げ)

あぁクソ痛い…じゃあ俺の味方でもあるって事だよね？
(笑うロケットに歯を剥き出して威嚇しておき、まだ痛む足で軽く跳び跳ねながらガモーラを追って移動し)

強いていえば弱いものの味方かしら
(ある意味でこの中には弱者はいないが冗談半分に言えばどう反応するんだろうと答え、頭の傷を抑えながらなにか文句を言いたげな視線で相手を見るように移動してきたドラックスと一通り笑ってきたロケットは大きなため息をつき出発の準備にはいり)

弱いものね、ならお気に入りのTシャツを破かれて可愛そうな俺の味方って事だね
(何と答えてもプラスにしか捉えないのだが、どや顔にて新調したてのTシャツの裾を引っ張り。すれ違い様に軽く叩いてきたドラックスには仕返しを、ロケットとはいつもの如くどちらがメインで操縦するかの口喧嘩が始まり)

誰もあなたの味方だとは言ってないわ
(どこまでもポジティブな相手に言葉は出ないが呆れ苦笑いと共にため息がこぼれ、そろそろ出発の時間だと外で遊んでいるグルートを中に入れイスに座らせ。目の前で子供のようなケンカをする2人の仲裁に入り)
ケンカするなら、私が操縦するわよ

(/遅くなりました…すみません！！)

あーあー、やっぱり皆俺には冷たいんだ
(ポジティブ思考が拗ね拗ねモードに突入で盛大な溜め息の後に唇を前に突き出し、喧嘩の仲裁は助かるにしても操縦は譲れない「いやいや、操縦すんのはキャプテンじゃないと。君は座ってて」運転席のシートベルト締めて後部座席を示し)

(/こちらこそ遅くなりましたっ)

…子供ね
(大きな子どもをあやすのも大変だと苦笑いを浮かべながらため息をつき、2人の喧嘩がひと段落し示された席につき「今度喧嘩したら、私が操縦するから」とひと声掛け、シートベルトを締め)

男子はいくつになっても子供心を忘れないものだからね
(決して褒められた訳でないのに勘違いで得意気に鼻を鳴らし、過ぎない女性に怒られる様が面白かったのか大爆笑のロケットを横目に背筋をしゃんと「分かった、このアライグマにも言い聞かせとくから」何処に行く宛てもなく次の星へ向けて出発し)

…男ってのはそういうものよ、いつだってお子様のまま
(相手の言葉に不思議そうな顔でこちらを見るマンティスに苦笑いを浮かべ、男の子供心は治らない病気みたいなものとわかりやすいように答えなるほどと理解したのか次にグルートの顔を見て、彼も？と指を指し)

だから老けないの、爺臭いのじゃ一緒に居たらつまらないだろ？
(図体だけデカいガキは恥ずかしいとかアライグマじゃないとか隣から歯を剥き出しに文句を言ってくるロケットは片手であしらい「なぁ次の目的地はどうする？思い付かない時は行き当たりばったりかな」いくつかの星を飛び越えぼんやり外を眺め)