語り部 2016-11-11 07:32:53 |
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>ケルツェさん
――は、い…お、お邪魔します…。
(出会ったばかりの相手ではあるもののこの混沌とした現状において生きた人間というだけで心に広がる安堵はかなりのもの、普段であれば見知らぬ男性の家に着いて行くなど不用心以外の何物でもないが今は繋がる掌の温かさに縋るほかなく。しかし極度の不安が一部解消されたとはいえ油断できない状況には変化なく、それ故だろうか次第に速足になっていく相手の足取りにそもそもの体格の違いも相まって半ば小走りで引かれるようにして相手の家までたどり着けば少しだけ乱れた息を整える様に深く息をつきながら勧められるままにその室内へと足を踏み入れて。「…え、っと…ここにはお兄さんしか住まれていないんですか…?」しんと静まり返った室内、他人の気配がしないその状況に恐る恐るといった様子で言葉を問いかければそっと相手の方を見返して。相手の一人暮らしなのか、はたまた同居人がいるもののこの家にまだ帰っていないということなのか。仮に後者であれば惨劇の舞台となってしまったこの国でその行方など知れていること、それでもその事実確認を控えることなど出来ず差し出がましい言葉かと思いつつも問いかけた形で。)
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