語り部 2016-11-11 07:32:53 |
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>死神
…っ聞け!人の話を!そっちの通りは危険だと……――っ!
(必死に喚起し相手を抑止しようとしていたつもりだが、大声を張り上げた所為で怪物達の視線を集めるのに一役買ってしまった。今更口を噤んでみても当然遅く一斉に襲い掛かられ反射的にかたく眼を瞑るが、予期した衝撃はやって来ず代わりに耳に聞こえたのは刃が肉を切り裂く音。うすら瞼を上げれば胴と脚とをまっぷたつに断たれたそれが地面に転がるのを目にし「ひっ」と喉を引き攣らせ。二体、三体と次々に薙ぎ倒され血飛沫を上げる怪物達、その光景に圧倒されるどころか眩暈すら覚える。周囲の怪物を一方的に蹴散らして進む実力に加え余裕綽々とした姿は頼もしさを通り越しいっそ恐ろしいほど。――だが呑気に感心ばかりしていて良いものか、果たしてこの優勢がいつまで続くかは分からない。死神である彼がどれ程力を持て余しているのか知らないが、それでも無駄な戦闘は極力避け少しでも体力を後のために残しておくのが賢明だろうとの考えのもと、一度今後の行動の手筈を整える必要があると判断し「おい、ここから僕の医院への道は分かるだろ。こいつらを撒いてそっちへ寄ってくれるか」と相手の顔を見上げ呼び掛けて)
>セレネ
謝る必要なんかないよ。僕も他に生き残った者がいると知ってすごく救われた気分だしね。それから女神様…だっけか。きっと彼女に君の祈りが届いて、ご加護を賜うたんだろう。
(俯く顔を上げて見せてくれた微笑みに改めて胸を撫で下ろすと、つられて口元も綻ぶ。女神様の銀貨、今しがた彼女はそう言った。視線を落とせば相手の掌の内にきらりと光を反射するものがあり、成程これが彼女の言う「女神様の銀貨」とやら、さては魔除けの御守りか何かだろうか。きっと傍に頼る者もなく神にも縋る想いで助けを待ち続けていたにちがいないなどと何とも事実からは外れた考察に至り。もっともこれまで仕事と勉学に明け暮れるだけの日々を送ってきたが故に、国内でも名を知っている者とといえば城下町内の数少ない知人か国のお偉いさん、若しくはカルテに記載されている患者程度のもので、まさか目の前の少女が自分と同じく一童話の主役を担う人物だなどとは考えにも及ばずにいて。さて、気丈に振る舞ってくれている彼女ではあるが当然疲労も溜まっているはず。このまま城下町に身を置いておくのは危険極まりなくいずれは城壁の外へ出ることを考えなければならないが、生憎人の足では数時間はかかる見込みになるだろう。幸いにもこの路地を突き進んだ先には自身の住居を兼ねた医院がある。一度そこへ身を隠し彼女を休ませてやってからでも遅くはないだろうと考え、転げたランタンを手に取ればゆっくりと立ち上がり相手の前へ片手を差し出して)
さあ、いつまでもこんな所に座りこんでいるわけにはいかないな……この辺りの道は詳しいんだ。少し歩いたところに僕の家があるから案内しよう。話の続きはそこで。立てるか?
>魔女
それなら良いが…くれぐれも無茶だけはなさらないように。見えなくなっては遅いのだからね。
(真っ直ぐに向けてくれる眼差しはしっかりしたものであり、その言い分はどうやら本当らしいと判断するが状況が状況だけにいつ何時無理をするか知れない相手への心配は残り未だ晴れない面持ちでいて。矢庭に建物の向こうへ投じられ放物線を描く小石の行方を目で追っていると、やがて聞こえて来たのは小石が地面に落ちた時のそれとは到底思えぬ不快な音。音の質と状況から落下したソレの正体が何なのか察してしまえば思わず「うええ…」と呻いて顔を歪め。暫しの沈黙のあと口を開いた相手が言うのは怪物たちへの魔法の効果やウィークポイントに関する情報で、その恰も実験結果を報告するような口振りに苦笑を浮かべ「さすがは魔女様、あんな恐ろしい奴らをモルモットにしてしまうとはね」などと肩を竦めてみせ。それはそうと魔法がかかりにくいという事実、何百年とこの国に生きて来た魔法のプロフェッショナルである彼女に心当たりが無いのだとすればこれは相当に由々しき事態だろう。胸の前に腕を組み原因を考察しようと試みるが今ある情報だけでは何とも判断し難く、「貴女の魔力が衰えているわけでもない……となれば、奴らが魔法に対して耐性を持っている、ということにでもなるのか…?」と独り言のように呟いて)
(/当方の勝手で加えさせて頂いた設定でしたが問題無いとのことで安心しました。素敵な背景までつけて頂きありがとうございます!こちらこそ問題なんてとんでもないです、むしろこれぐらいのことでしか魔女様のお役には立てそうも御座いませんので…!今後も屡々お節介を焼いてしまうかもしれませんが、展開の妨げになりそうな際には何時でも仰って下さいませ^^それでは改めて宜しくお願い致します。此方への返信は構いませんので…!)
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