語り部 2016-11-11 07:32:53 |
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>アルカ
……忘れた?
(不自然な笑みを見れば相手が何かを誤魔化しているのは明白。しかしそこに無理やり踏み込むのは無粋だろう。引っ掛かる部分は幾らでも見付けられるのだが、それを掘り返したところでお互い何の益にもならないのは目に見えており口を閉ざし。途端に流れる沈黙。この混沌とした中で町からの脱出を試みる事が第一優先だというのに一体何をしているのかと我ながら誰かに問い掛けたい気分になるが、何事か意を決したらしい相手から告げられたのは思いもよらぬ一言であり。恐らく謝罪は己の事を認知していない事について。それは一向に構わない。何せ本来死の間際にしか出会わない存在であるのだから、圧倒的に面識の無い人間の方が少ないはずで。それは良いとして、いまいち相手の言っている事がすんなりと飲み込めず首を傾げ。当然だが、それでは困るだろう。何処からどう切り出して返事をすれば良いのか全く分からず、困惑したように首の後ろに手を遣っては「あー…他は?何も覚えてねぇとか?」最悪の事態を想定して眉を寄せながら問い掛けて)
>セレネ
あ?何が。
(相手が何事か言いかけたのには気付いたが、自ら引っ込めたのならば無理に聞き出す理由も無く言及は避け。しかし続けられたのは礼の言葉。それが抱え方に対してであるなんて夢にも思わず、更には相手を安全な場所へ連れて行く事に対してであるという可能性すら己の中からは消失しており眉を寄せて問い掛け。ともあれ相手の気持ちを落ち着かせる事ができたならば次にするべき事は一つ。早速少々足を速めながら、町の外へと向かって伸びる道を歩み始め。歩けば歩く程濃くなる怪物の気配。恐らくこの先に無数の化け物共が跋扈しているのだろう。ふと周囲に視線をやってみれば真新しい死体が転がっており、無残にも女子供のものまで容赦が無い。中には子供を庇うようにして共々生を終えたらしい親子の死骸も転がっており、その有様はあまりにも痛々しく。己でさえ気分が悪くなりそうな光景を相手が見ればさぞ心が痛み、後ろ向きな思考に陥ってしまうかもしれない。ともすれば要らぬ不安を煽り立てる物でもあり、無言で視界を遮るように相手の被ったフードの裾をぐいっと下へ引っ張り)
>魔女
…なぁにが“大事なこと”だよ。急所を突きゃァ良いんだろ。お前の魔法が大して利かねェなら俺が捻り潰すまでだ。
(相手から頼み込んで来るものだからそれなりに意義のある事なのかと思い、心底退屈そうにしながらも逆さにした鎌の柄の部分に顎を乗せて事の一部始終を見守っており。相手によって小枝にされ、更に己が粉砕したはずのそれはまるで成長するかのように元の状態に戻り始める。多少の驚きはあれど面白味がある物でも無く、結局考える事を頗る苦手とする己からしてみればなんの成果も得られない“実験”が終わっただけの事。呆れたような声を上げながら目の前で再生し始めたゾンビの頭を鎌で叩き割り、容赦無く踏み潰す。小難しい事を考える暇があるならば動きたいというのが持論であり、にやりと口角を吊り上げて相手を見遣れば「それに、無駄に体力消費されて俺が面倒見てやる破目になんのは御免だぜ」遠回しながら相手が過剰に体力を消耗してしまった際に直面する事態を示し、言い逃げ宛らにくるりと方向転換して相手に背を向ければ鎌を肩に担いで歩き出し)
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