語り部 2016-11-11 07:32:53 |
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(一度目は腰紐で不意を突かれて絞められ、二度目は毒を仕込んだ櫛で頭を刺され、二度目はご存じの通り毒林檎で―――死ぬのは、怖くない。いいや、怖いけれど、その先にあるものと私の後ろで支えてくれていた仲間(小人)が必ず窮地を救いに来てくれるという絶対的な信頼が裏付けているから。だから、怖くない。鋭く空気を裂く錆び刀の鞘となるのは自分だと脳裏に過り、また、避けるに避けられない距離感である事も踏まえて覚悟を固めるよう睫毛を伏せたその刹那。木の軋む音とプラスして鈴の音のような若い女性の声に生存者の存在を知ると共に腰に回った細い腕に瞠目し、どうやら突如として現れたこの少女は救世主になろうとしてくれているのだと悟り、為すがままに身を任せ――流石骸骨兵、脳味噌が入っていないせいか「目の前にいた筈の人間が消えた」という状況を疑いもしなかったらしく、困惑したようガシャガシャと部位同士が擦れる軽い音を立てて辺りを見渡したと思えば振り上げた刀を下ろして踵を返してしまい、他の生存者を捜しに行った模様。女神の加護のもとに成り立つ聖域内に居る為だろうか、心無しか鼻腔に届く死臭に取り巻いていた重苦しさも幾分晴れ、漸くまともに呼吸をする事が叶ったなら命の恩人足る彼女に礼の一つでも向けようか視軸を揺らして相手を見遣れば先ずはストレートな感謝を。けれど今は一切の油断が命取りとなるデスゲームの真っ只中、まだ生者を狩ろうと徘徊を続けている骸骨兵らの餌食に二度もなるつもりは毛頭無く、幸い周囲に敵影が確認出来ないこともあって先を急ごうと)
あ、ありがとう……ったく、こんなアクシデントのときに限ってなにも持ってないんだから――こうなるって知ってたら毒林檎の一つでもくすねてきたっていうのに…
まあ、兎にも角にも前進あるのみね。先を急ぎましょう、――貴方、……貴方さえよければ、私と一緒に来て。…名前は?
(/絡みありがとうございます!!臆病ながら加護を武器に立ち向かうすがたのなんと可愛らしいことか……これから宜しくお願い致します**)
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