主 2015-07-07 22:04:40 |
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>ラディ
( Ruin )
(相手を引き止めてどうしようと言うのか自分でもわからないが、状況のせいもあってかこの空間に一人取り残される事に不覚にも恐怖心を払拭できず。自分はこんなにも弱い人間だったのかと嫌悪に眉を潜めた刹那、顔を上げずとも相手の気配が消えていくのを感じこの期に及んで己のような人間の要望を聞く者も早々には居ないだろうと諦観している自分も居り。今更になって体が小刻みに震え始め思わず両手で自らの体を抱き締めるが掌に触れるのは重たく濡れた冷たい感覚で、肩に掛けていた羽織が雨に濡れてしまったのを思い出し。この寒気は濡れているせいか。そう思い羽織を脱ぎ掛けた頃、一度は姿を消した相手が戻ってくると咄嗟に顔を伏せてしまい。一体何に気まずさを感じているのか我ながら疑問だが、テーブルに何かを置かれ其方へ視線をずらせばその手に傷のような物が見受けられ。薄暗い闇の中に浮かび上がるのは紙袋とタオルだろうか。戸惑いながらも相手を見遣るとその姿は部屋の隅へと移動し、適度な距離を保ってくれているように思え。暫し躊躇するように視線を泳がせた後、徐に立ち上がって羽織を脱ぎ椅子の背に掛けると相手の方へ歩み寄り。正面に膝を付きしゃがみ込むと、顔にかかる濡れた髪を耳に掛けながら視線を上げて「触って良い?」と静かな声で問い掛け。他人の肌に触れるのにわざわざ許可を取るような真似等した事が無く我ながら滑稽だとは思うが、儚さと表現すれば良いのか、相手の持つ雰囲気は触れれば壊れてしまいそうな物で。それ以上は何を言うでも無く、返答を促す事さえもせずにただ口を閉ざして相手を見据え)
>シキ
( Ruin )
(足首の鈍い痛みに耐えながら時間は静かに流れ、漸く痛みが止んだ頃には丁寧に包帯が巻かれてあり。腑に落ちないような表情で暫し足元を見詰めていたが、僅かな距離を取った相手の口から紡がれた言葉によると手当てをしてもらった上どうやらRuinから脱するルートを導いてくれるらしく。流石に此処へ迷い込んでこんな待遇を受けるとは予想外で、ただひたすらに悪い噂ばかりが闊歩するこんな場所でもまともな思考を持ち合わせている人間が居るのかと安堵にも似た心境で小さく息を吐き。どうやら相手はこの場から去ってしまうようだが、Ruinが己にとって危険な場所である事は嫌と言う程痛感したばかりで、下手な行動には出ずに相手が戻ってくるのを大人しく待っている事とし。暫くはソファに腰掛けていたが、生憎己の意思とは無関係に好奇心は湧いてきてしまう物で。足を痛めているから、と制止の言葉を言い聞かせる一方、礼を言っていないと欲望に忠実な己も居る。然程の葛藤も無くそっと下駄を履くと痛む足を庇うように其方へ体重を掛けないよう意識しながら階段へ歩み寄り、一段目にそっと足を掛ければ慎重に一段一段上って行き)
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