kon 2015-03-03 05:24:14 |
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>薄雪さん
…貴女は、恨んではいないのですか。
(暫くして落ち着きを取り戻せば、不意に頭を引き寄せられて。降り注ぐ言葉はとても優しいもので、あの人の面影を残していて。酷く懐かしいその感覚に眉を顰めるも、俯いたままポツリと一言、自分にそうだと言い聞かせるように呟いて。あの時、まだ若かった自分は逃げ延びてしまった、生きながらえてしまった。それがこんなにも苦しむ事になるとは思ってもいなくて。もう誰も覚えていないのなら、一人で背負っていこうと思って生きてきたのに、こうして崩されて。呆気ないものだったと他人事のように思いつつ顔を上げては相手と少し距離を取ればゆっくりと立ち上がり、ふらりふらりと文机の定位置に戻れば、ゆっくりと腰をおろして正座をし。文机に頬杖をつけば、瞼を伏せて「憎いでしょうね…弟と言ってくださっている貴女は、本当にそう思っているか」皹の広がった手を摩りながら眉を下げて小さく笑みを浮かべて)
>鴇臣さん
ふっふっふ…では一つ、お伽噺をしましょうか。
(相手の不思議そうな顔に口元を袖で隠しつつ、どこか可笑しそうに小さく笑いを零しては、瞼を伏せて。頬に触れた相手の手を軽く撫でては静かに離していき、その手を見つめながら吐息を吐いて。聞きたいと思っているのなら、別に隠す必要もないだろう、しかし自分にあったのかという事には何も答えなくて、どう答えようかとぼんやり考えて)
私も聞いた話しです。その話しを思い出して懐かしいと…ある男の話しです。
(眉を下げてどこか悲しそうに笑みを浮かべては、自分の湯呑も正座した足元に引き寄せて。その湯呑を持ち上げては一口飲んで「ある男が子供の頃、親が早くに死に別れ、妖に拾われたんです…」どこか遠くを見つめるようにしてポツリと話始めて)
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