†白線ﾓﾗﾄﾘｱﾑ†BML†

>神谷

(何を躊躇っているのか、我ながら疑問を抱くものの何故だかスプーンを手にする事が出来ず。相手が横から声を掛けて来ようが何らかの行動を起こそうが一切此方には届いておらず、ただ無言で視線を一点に落としており。然し不意に前方から相手の声が聞こえてくれば我に返り、漸くスプーンを手に取ればオムライスを一口分掬い上げ。それを口元へ運び咀嚼すれば口内に広がる味覚に懐かしささえ感じ、普段レストランで食べていた物と何がこんなにも違うのかと微かに眉を寄せ。一口、また一口と食べ進める度様々な食材の味を舌に感じ、久々に感じるこの感覚は旨味と言うものなのだろう。結局半分程度まで食べた所でスプーンを置いてしまい、これ以上手を付けるつもりは無いのか椅子の背凭れに体重を預けており)


>宮原

お前が土下座したら、だな。
(相手の浮かべる困った顔が己には愉快で仕方が無く、吊り上げた口角はそのままにゆるりと首を傾げて様子を窺っており。程無くして手が離され問い掛けられた言葉は都合の良いように解釈してしまえば“何でもする”と言う事。恐らく相手は目の前での他人の死に抵抗があるのだろう。ならば此処から立ち去れば良い物を、何をそんなにする必要があるのかと疑問でしがないが面白そうな事には便乗するのがこの男の性であり、口元の笑みを一層深いものにすれば遠慮も無く要望を述べて)