２人だけの生徒会での日常【NL】

夢・・・？ああ、そういや会長の夢でも見てたかもしれないな。少なくとも生徒会の夢を見てた気がする
（夢、と聞かれて正直はっきり覚えていないのだが夢を見たことは覚えていて。微かに残る記憶を思い出しドアの鍵を閉めながら答えて。ドアがしまったことを確認すると「それじゃ、俺は鍵を返してくるから。遅刻しないように戻れよ」と短く述べると自分はそのまま職員室へと向かって。そういえば何故夢の事など聞いてきたのだろうか、今更ながらそんな疑問を持ったが大したことではないとすぐにその疑問を取り払って）

はーい！じゃあ先戻ってるわね！
(昨日同様に鍵を戻しに行ってくれるという相手の発言に、今日は無駄なことを言うことなく素直に受け入れて。職員室へと向かう相手に軽く手を振って見送ってから、自分は相手と逆方向のクラスの方向へと歩いて行き。先ほどまで頭の中を支配していた仕事のことなどとうに吹き飛び、自分の夢を見ていたという相手の発言だけが頭の中を支配していて。「私の夢、かぁ…。心配かけてるのかな」と少し反省しながら歩いて)

やっと放課後か・・・長すぎる。さて、生徒会行きますか。あ、会長、今日ちょっと用事あるから遅れる。先に仕事しててくれ
（時間は飛んで放課後、午後の授業は思うように寝ることができなかったため若干不機嫌なのだが仕方なく頭を切り替えて。今日はやることがあり相手の席に向かい先に言ってくれと短く伝えると自分はとりあえず昇降口に設置してある生徒たちの意見箱を回収しに向かって。意見箱には結構な数の紙が入っており試しにそれを一枚取ってみると「無理無理・・・なんだこれ」と明らかに無理な要望にため息をついて。）

へ？うん…じゃあ、先行ってるからね？
(相手がどこへ行くのか気になったものの、あえてそこは掘り返さずにコクリと頷くと生徒会室へと向かい。生徒会室へと辿り着くと、視界に入るのは昼の成果で半分以下に減った書類の山。それに満足したように一人生徒会室入り口で笑みを浮かべると、腰に手を当て「よし、終わらせなきゃだね！」と気合を入れて取り掛かり)

あー、なるほど・・・。そうゆう考えもあるか、部活中悪かったな。意見助かる
（意見箱の中身をひと通り見た後今度は適当な生徒を捕まえて要望は無いかと聞いて回る作業を初めて。室内部はもちろん外の部活までひと通り回りながら意見を聞いて回って。そしてある程度時間が経ちひと通り聞き終えると生徒会室に向かいドアを開けると「悪い、ちょっと担任に指導されてた。寝過ぎだ・・・ってな」と嘘をついて何事もなかったかのようにして席に着くといつも通りグターっと机に突っ伏して）

指導って…。副会長なのに授業中寝るなんて前代未聞だもん。生徒の模範にならないよ。
(山積みになっていた書類の山も残すところあと僅かという頃になって相手が生徒会室にやってきて。まさか要望を聞きまわっていたなどと想像だにせず、相手の発言を鵜呑みにすると指導はもっともだと言いたげな口調で自分からも指導もどきを付け足して。しかし、朝の担任教師の一言を思い出し、「…でも、東は健気だからって先生言ってたよ」とフォローになっているのかはともかく言い足して)

だから健気じゃないっての・・・。俺が寝たい時に寝て何が悪いんだ。俺は悪くない
（色々な場所を歩き回って疲れたのか顔を上げること無く突っ伏したまま相手の言葉に返事を返して。健気、という言葉はここ最近自分が教師に最も言われている言葉でありうんざりしていたため相手に言われた言葉にため息をついて。すると何かを思い出したようにハッとして頭を上げるとポケットの中から意見箱に入れてあるような紙を取り出すと「これ、要望箱に入っていた会長宛てのファンレター。いやラブレターか？まぁどっちでもいいか。」ラブレターに近いような内容を書いてある紙を相手の目の前に持って行って。）

へ？ファンレター？
(相手のうんざりとしたような返答とため息に、あまり言わないほうが良かったのだろうかと内心少し反省しながら苦笑を浮かべ。ちょうどその時手にしていた書類を机の上に置き、ファンレターと言われた紙を不思議そうに受け取って中身を読んで。ファンレターの中身を読み終えると元あったように折りたたんでから、「私に憧れてるんだって。そのまま私に続いて模範的な言動をしてくれたら学校が良くなっていきそうね！」と内容を勘違いしたらしく、満面の笑みで言い放って)

・・・ふっ、ドンマイだな誰だか分からない男子生徒君。
（まさかの内容を勘違いした相手の満面の笑みを見れば顔も知らない男子生徒を励ましたくなるのも仕方ないだろう。相手の事は前々から天然が入っているのではないかと思っていたのだがまさか内容を勘違いするほど天然だったことに呆れて先程に続いてもう一度ため息をついて。なんだかかわいそうな人を見る目で相手を見ると「おう、そうだな。会長模範的ですもんね・・・。それは憧れる人もいるでしょう」と何故か敬語で言葉を返して。これはこれで相手らしいといえばそうなのかもしれないが）

そうでしょう、そうでしょう！こうやって模範的な生徒がいることで学校が良くなっていくのよね。
(自分の普段の言動が一人の生徒の心を打ったのだという感動が心の中を完全に支配しており、相手の心中など察する余裕なもあるわけもなく。もはや相手の視線に乗せた感情の意味するところにすら気が付かずに、大切そうにそのファンレターを鞄の中に仕舞うと、「よし、この調子で仕事も頑張らなきゃね！」と書類に取り掛かり)

はぁ・・・。会長、後でそれを冷静になって何回も読み返せよ？じゃないと色々報われないからな
（何故か急にやる気を出した相手を見て最後にもう一度呆れたため息をつくとさすがに意味くらい知ってほしいために一応ファンレターの事を言っておいて。もし何回呼んでも分からなかったらさすがにお手上げだが顔も知らない生徒のためにこれ以上頑張る気にはなれず残り少ない仕事へと取り組んで。『やっぱりモテるんだなあいつ・・・』と仕事をしながらファンレターの事を思い出してはそんなことを思い。）

…？別にそれはいいけど…。
(自分としてはかなり嬉しい内容の手紙であったため、記念にとっておこうとまで思っているレベルのもので。しかし、相手にまた読み返すようにと言われると、たしかに嬉しくはあるがなぜそこまで念を押されるのか理解できずに不審そうに相手を見て。残り少ない仕事も案外簡単なものが多く、テンポよく終わっていくことに爽快感を覚えながら、「そういえば東って恋人とかっているの？」と尋ねて)

なんだ会長いきなりどうした・・・。恋人なんているわけないだろ。逆に聞くが普段寝てばかりの俺に恋人がいると思うか？
（適当な書類を見ていると急に予想外な質問が飛んできて思わず相手の顔を見て。恋愛的な話を今まで一度もしたことがないということもあり何故そんな質問をするのか疑問だったがとりあえず質問に答えて。生まれて１８年彼女なんて出来たこと無くむしろ親しい女子すらいない自分が恋人などまずありえない話で。再び視線を書類へと落とすと「生まれてから１回も彼女がいた経験はないぞ。むしろ親しい女友達すらいないからな」と他から聞けば悲しくなるようなことをサラッと述べて）

そう？
(さも当然だと言わんばかりの相手の発言に、相手にわかるかわからないか程度の微妙な具合で首を傾げて。クラスでよくお弁当を一緒に食べる親しい友達の中に、相手のことを気になっているという発言からの言葉で。まさかそこを言うわけにもいかず、「東みたいにやる気なさそうな人が好みって人もいるらしいからあるのかな、って思って」と微笑むと最後の一枚である書類に手を伸ばして)

ないない・・・。会長はともかく俺はモテる要素ないっての。仮にそんな奴いたとしたら悪趣味か男を見る目がなさすぎる
（親しい友人はゼロ、社交的でもなく性格も良いとは言えない自分を好みだと思う人などいるわけがないと思っているからこそ相手の言葉に鼻で笑うように一蹴して。向こうが最後の一枚を取ってくれたおかげでもう自分の分はなくなり仕事がなくなり安心して大きなため息をつき。しかしあの会長だと言うことを考えるとまた何か仕事を持ってきているかもしれない、そんな嫌なことを考えながら「もう仕事ないよな？また何か安請け合いとかしてないよな？」と念を押すかのように尋ねて）

えっ…う、うん！もちろん！
(相手の質問に実は放送委員会からの予算引き上げの要望を聞いたことを思い出し。しかし、これはまだ正式な文書ではなく口頭で委員長から言われただけ。正式な文書が着たらその時は話し合いが必要となってしまうのだが、まだ大丈夫だろうと考えて席から立ち上がり、「じゃあ私はこれ生徒会顧問の先生に出してくるわね。今日は私が戸締まりしておくよ！」と書類を纏めて抱え、扉へと向かい。)

はいはい・・・お疲れさん。それじゃ、俺今日は帰るわ
（一瞬返事をどもった相手の姿に疑問を抱くが追求しても仕方がない事であるために何も言わずに。相手が生徒会室を出て行った後どうするか考えたが仕事が無いのであればここにいる必要もないため帰り支度をして生徒会室を出て。いつも居残りでやっていたからかこんなに早く帰るのはかなり久しぶりでなんだか違和感を感じるが「はやく帰って寝るか・・・」欠伸をしながら言うとそのまま昇降口へと真っ直ぐ向かって）

はーい。お疲れ様っ。
(昇降口へと向かう相手をしばらく見送ってから生徒会室の窓などの戸締まりを済ませて。一通りの仕事を終えた達成感で気分はすっきりとしており、自然と口元には微笑みを浮かべていて。相手の机の上に手を乗せるとなんだかんだと協力してくれている相手のことを思い返し、「ありがとねっ」と呟いてから生徒会室を出ていき)

（すいません！遅れてしまいました・・・！）

うわ・・・もうこんな時間だったのか。なんか社畜みたいだな俺・・・
（自室にて、事前に生徒会顧問から貰っていた仕事の処理をしていて気付いたらもう結構遅い時間で。なんだか最近仕事ばっかしている自分の事が社畜っぽく思えてきたがこれは仕方ないだろう、とりあえず終わった書類関係を１つに纏めて鞄へとしまうと夕飯を食べるのも面倒だと感じてそのまま布団へとダイブして。寝る前にふと今日あったファンレターの１件が一瞬頭にチラついたがすぐに振り払って）

(/こちらも遅れてましたし大丈夫ですよー！年末ですし、返せる時にで！)

おはよう。…なんか、疲れ気味？
(翌日。ようやく纏めたクラス会の原案を担任教師へと提出し、寄ってきた同じクラスの親しい友達と談笑していて。しばらくして教室に入ってきた相手の姿を見ると、協力したことへのお礼と原案が終わったことを報告しようと相手の傍へと近づき。しかし、昨日はいつもより生徒会の仕事も少なく早く解散したというのに疲れの色が見える相手の表情に疑問を抱いて)