土佐人 2014-11-24 06:43:24 |
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「思いやりは確かにうれしい。けど、俺は軍人だ。多くの人命が危うい時に、じっとしてなんか……」
その言葉を聞き、キースはわざとらしく驚いてみせた。モーラも嬉しそうに目を開く。
ついひと月前までは、戦争という言葉の意味すら判らなかった名前だけの将校が、今、自らの意志で戦いに向かおうとしている。軍人とうう職業を自分なりに理解し、その義務を遂行するために戦おうとしている。
人の成長は月日の長さでは計れない。無為に時を刻むだけの者もいれば、僅かな間に、それこそ十数年分の修練を積む者もいる。コウは後者だ。少なくとも彼は、自分自身がすべきことだけは正確に理解していた。そしてその意志に従って、GP03のパイロットに志願したのだ。
だが、彼の決意は脆くも挫かれた。
OVA『機動戦士ガンダム0083 スターダストメモリー』小説 下巻 第12章 ラビアンローズ 本文 コウ・ウラキ チャック・キース モーラ・バシット より
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