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「作品」というものは色々な見解が存在している、僕はそう感じながら生活しています。そういう意味で「嫌い」という意見があるのは当たり前です。それを僕にぶつけてくださった人がいる。素晴らしい事です。
その上でここからは個人的な意見を少し。「シンが嫌い」は大いに結構なのですが、「キラと対立しているから嫌いです」や「アスランの意見を聞かないから嫌いです」といった内容がありました。もちろんドラマである『Destiny』には一つ大きな「視点」があります。「ドラマ上の悪」デュランダルを「ドラマ上の正義」キラ達がやっつけるという視点です。なのでその観点から言えば「キラと対立しアスランの言う事を聞かないシン」は「ドラマ上の悪」になるのだと思います。ただその構図だけでシンが嫌いな方が多かったのです。
シンにはシンのドラマがありました。「戦争を憎み、戦争を終わらせる為に戦う」それがシンでした。力を求め、目の前にある自分にとっての障害はなんとしても排除する、自分の価値観に合わない人間は敵対する、そんなキャラクターでした。よく言えば芯が通っている、悪く言えば自己中心的ですね。画面から伝わったイメージは自己中心的なシンの方ではないでしょうか？人間的にとても未熟な奴ですよね。嫌われても仕方ないと僕は思います。

アニメ『機動戦士ガンダムSEED Destiny』小説 第四巻 あとがき 解説 シン･アスカ役 鈴村健一 より