土佐人 2014-11-24 06:43:24 |
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「バカな大人がかってにつくった法律で、なんでおれたちこんな目にあわせられなきゃならなんないのさ。どうして、おれたち子供には法律つくる権利はないんだよ。そんなの不公平じゃないかよ。おれたち子供にも、法律つくらせろよ」
仁の叫びは、学校中に響き渡った。
マリアにも、仁の悔しさは痛いほどわかっていた。
それは、このクラス全員の思いだと言っていい。
子供たちにとって、これがはじめてぶつかった社会の壁だった。
いつか学校を出て、社会に入っていかなければならないということは、子供たちはみな、心のどこかでわかっていることだ。
だが、それがこういう形で、目の前に現れてくるとは思いもよらないことだったのだ。
「なんてこった……」
ぽつりとつぶやき、飛鳥は虚ろな目で窓を見た。
晴々とした青空が、そこには広がっている。
いつもと変わらない平和な空だ。
木立の揺れが、爽やかな風がそこにあるのをおしえている。
雲は自由に流れ、鳥たちは思いのままに羽ばたいていく。
だが、その下には目に見えない『社会』という垣根がはりめぐらされているらしい。
今日は、自分たちもその垣根の中で生かされているのだということを、思い知らされた日だった。
地球防衛組に出動禁止令が下された日。
飛鳥は、この一日を、決して忘れることはないだろうと思った。
アニメ『絶対無敵ライジンオー』小説 僕たち地球防衛組(中) 第一章 地球防衛組禁止令 本文 より
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