土佐人 2014-11-24 06:43:24 |
通報 |
「でしょうね」味を確かめるように、右京はさらにひと口飲んで、「しかし、カクテルにそんなドラマがあったとは……」
「カクテルはみんなそうですよ。どのカクテルにもドラマがあり、思い出があります。お客さまは自分の思いを話し、私はそれを形にする。だから、カクテルはバーテンダーだけのものではないんですよ」
三好がしみじみと語った。
「なるほど。それでお店の名前が(リメンバランス)なんですね。同じ“思い出”という意味でも、“リメンバランス”は“メモリー”ではない。単なる記憶ではなく“記念”ということですか」
「ええ。カクテル一杯一杯が小さな記念品。そんな意味を込めてみました」
よき理解者を得た店長が嬉しそうに語った。
ドラマ『相棒』第五話「殺しのカクテル」小説 本文 杉下右京 三好倫太郎(店長)より
トピック検索 |