田口は、紙片にメモ書きをする。 「私の携帯の番号です。独り身ですからニ十四時間いつでもかけていただいて構いません」 「ひとりで飲んでいて淋しくなった時でも、かけていいんですか」 田口は一瞬、ぎょっとして翔子を見つめる。それからゆっくり笑顔になる。 「おじさんをからかうものではない」 海堂尊『ジェネラルルージュの凱旋』第ニ部 戴冠 16章 旧友(オールド・フレンド)本文 田口公平、如月翔子 より