柊 2014-06-16 01:29:42 |
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>柊
柊の所為じゃない…。
(柊の悲痛な声と肩を振るわすその姿に己の浅はかな失言を悔いれば、息が詰まったように言葉が出なくなる。しかし少しでも相手の重荷を軽くしたく背後からそっと近付くと相手と同じ高さに屈みその肩に手を置いてゆっくりと口を開く、
……少し酷かも知れないが聞いて欲しいことがある。
この雛はもう助からない…。それは巣から落ちてしまった時から決まっている。
けどな、無駄ではないんだよ。…きっと暫くしたら烏の親鳥が我が子のために餌として持っていく。四季に繋がりがあるように命も同じように係わり合っているんだ。だから—-…
(相手の哀しみと痛みに比例するように辺りを包み込む冷気と霜に急速に身体が冷え、声が震え言葉が途切れるが、相手の苦しみと失望を考えるとそんなものは比にならず。
肩に置いた手をそっと相手の胸元に持ってくると、そのまま両腕で優しく包み込むように抱き締めて)
だから、柊が謝る必要はない。…声を聞けず気付けなかったと自分を責めるなら、俺も同じ事だ。むしろ、その可能性を知っていた俺の方が罪深い。でもあんたはそんな俺を責めないはずだ。
それに…例え夜に雛が落ちたことに気付いたとしても俺たちには見守ることしかできない。
命の結び付きに関わりを持つことは許されないことだからな。
命が消えゆくのは自然の理。必要なことを受け止め支えるのが俺たちなんだ。
………柊、自分を責めないでくれ。傷付くあんたを見るのは辛いんだ
(吐く息が白くなり、喉元が冷え乾く初めての感覚に、冬はこんな風なのかと頭の片隅で思いながら、相手を落ち着かせようと穏やかな声色を努め、優しい口調で諭すように耳元で言葉を紡いで。語尾はやや小声で弱々しくなるが、それを感じさせぬよう強く抱き締め
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