柊 2014-06-16 01:29:42 |
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>柊
(自分の身だけでなく、己の身も気に掛けてくれる柊の優しさに微かに目を細めれば、子供を寝かしつけるように柔らかな白い髪を撫でて。彼のそばで、彼の笑顔をずっと見られたらなどと、其れこそ欲張りなことを考えながら。
(小雨が髪や着物に染み込み、湿って僅かな重みを感じれば随分とそこに佇んでいたことを悟るが足は一向に動かずにいて。しかし相手が駆け寄ってきて雛を包み込むように持つのを見ると意識が浮上し、フとその光景を無表情の中、切なげに見つめて
…柊、すぐにそいつを元の場所に戻すんだ。もう、間に合わない。
巣から落ちたら、親鳥でもどうすることも出来ないんだ
(普段よりも低い冷酷さを纏った声色で静かに言い放つが、僅かに声が震えるのを感じて短い息を吐く。相手にどう思われるか考えれば顔を上げられず小さく俯いて
着物が汚れる…。それに、風邪を引く
(以前と冷ややかな声で言い、部屋に入るようにと屈む相手の肩に手を置いて促し。なにか説明してやらねばと思うが、こんな時に根の不器用さが出てしまい上手く言葉を紡げずに「もう、生きられないんだ」と一言呟いて
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