柊 2014-06-16 01:29:42 |
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>柊
(光彩に囲まれ涙を流す柊の姿は美しくそして儚く見え、その心の純粋さと繊細さ故に光から感じる何かを感じて取ってしまったのだろうと目を伏せる。己の手からすり抜けるように離れる柊に一瞬心がひやりとし、光の中微笑む柊がどこか遠くに行ってしまうような感覚に陥れば大きく一歩踏み出しふわりとその身体を抱き寄せて。二人の周りを光が舞い上がる中、柊の手をそっと取るとその甲に留まる灯を見ては静かに口を開いて
……蛍。昆虫の類だ。丁度今の時期、水辺に集まりこうして光を放つんだ。…ただその光はほんの数日で失われてしまう。この光景も明日には見られないかもしれない。…儚く見えるのはそのせいかもしれないな。
(ゆっくりと本で読んだ知識を述べる中、蛍の寿命が酷く短く死期が近いことを直接口に出すことを躊躇えば言葉を言い換えて。恐らく同じ四季である相手は言わずとも感じているだろう。-----美しい相手を纏う淡く儚い光を見ては、どうか共に舞い連れていくなと握る手に力を入れる。それでもこれ以上己の不安が伝わってしまわぬよう小さく微笑んではその頬に唇を寄せて
美しいものにも終わりがある。でも終わりがあるから次ぎは尚輝きに溢れる
……桜の長老がそう言っていたが本当にそうだと今改めて思ったよ
あんたが此処に来たいと言ってくれなかったらこの景色は見られなかった。
あんたとこうして同じものを見て美しいと思うこともなかっただろう
また、次ぎも柊と共にありたい。それを待つ間でさえも胸が熱くなって輝いて感じる…。
……でも今があるのにもう次のことを考えてしまうなんておかしな話しだが
(水辺を揺らめく蛍に目を向けながら穏やかな声色で続け、ふと光に反射して煌めく柊の瞳を見詰めてはいつまでも傍にと、微かに首を傾け不意を付いては口付けて
---やはりあんたと居るとどうしても欲張りになる。でも…今ならそれも悪くないと……。
こんな気持ちにさせてくれるのはあんただけだ。……ありがとう、柊
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