柊 2014-06-16 01:29:42 |
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>物乃芽
――っ、確かに、確かに正しいと思い行動しました。
けれども、私は考えが浅はか過ぎてしまったのです。
物乃芽さんが、物乃芽さんがそんなに苦しそうな表情をするなど、私は自身のことだけを考えてしまってっ、
(子猫を助けることができた。それは事実には変わりないが、それと引換に何かを無くしてしまったような気がして。ぽっかりと心に穴が開くのを感じれば、それを埋めようと必死に言葉を紡ぐ。泣きたいわけではない、叫びたいわけでもない。ただただ、空虚にも似たこの気持ちがどうしてももどかしく感じてしまって)
―――…っ、
(「ありがとう」という言葉に首を左右に何度か振って。間に挟まった子猫に目を向ければ、見えないように流れたその涙は子猫の毛にじわりと染み込んで。これでは駄目だと、それを見せないように顔を伏せていれば、「身体を流してくるといい」という物乃芽の言葉に黙ったまま風呂場へと移動をして)
物乃芽さんっ、―――物乃芽さん、ごめんなさいっ、
(膝を抱えるようにして浴槽へと身体を沈めれば、柊の白い肌は朱も見せずにただ浸かっていて。水を被ることがこんなにも良かったと感じたことはないだろう、涙は流れているがそれも汗や水滴だと思ってしまえば幾分心が癒えたように思える。上記を繰り返し言う柊はただただ悲しく、しかしその明確な原因が分からずモヤモヤとして気持ちが落ち着かない)
―――物乃芽さん、お先に上がりました。
作って頂いたものは夕飯に頂いても良いでしょうか、少し疲れてしまったので横になりたいのです。
(柊の白い髪に、着ている着物もそれに劣らず白く美しいものだった。風呂を上がり居間まで赴くと、正座になり子猫を手で招きながら上記を述べて。近くへと擦り寄ってきた子猫をそのまま抱き抱えると、「この子お借りしても良いでしょうか」と一言呟く)
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