柊 2014-06-16 01:29:42 |
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>物乃芽
――…、
(呼びかけには応えてもらえず、どうしようもないほどに胸が苦しくなる。押し付けられた布切で子猫を拭いながら、しかし堪らなくなり子猫ごとぎゅっと抱きしめれば小さく鳴き声が聞こえて。それがまるで大丈夫だと言われているような気さえして、「ありがとう」と小さく呟き微笑むと、それから優しく子猫を拭う。ザラザラとした舌で舐められると慣れない感覚に眉を寄せながらも笑みを浮かべて、子猫も尾を振って喜んでいる様はとても可愛らしいものに見える)
――…ご迷惑、おかけします。
(それから間もなくして、物乃芽が来たことを知らせる床のギシリと沈む音。それに反応しつつ手当をしてくれるという相手に、何故か「ありがとうございます」の一言は出てこずに。ただただ申し訳ないという思いでいっぱいの彼には、手当して染みている筈の傷の痛みも分からない程。すり寄ってくる子猫には笑みを見せるが、チラリと見た物乃芽はこちらに目を向ける素振りも見せず。それが余計悲しくなってしまい、思わず涙が出るのを堪えるように唇を噛み締めて)
っ、―――いいえ、いいえっ。
私の方こそ、っふっ、…うぅ、ものの、めさっ
(少しだけ背中を見せるように脱いだ着物。そこに擦れる布の感覚に痛みを感じ眉を寄せてしまうが、我慢しなくてはと手に力を込めて。その手を舐める子猫を見ると、やはり笑みしか浮かべることができずに。
しかし次いで物乃芽のとった行動、それに思わず目を見開きながらも、その後ろ姿は僅かに震えており。命を助けるためとはいえ、柊にとっても川へ足を踏み込む行為というものは恐ろしいものだった。その記憶を脳内で思い出すと、途端にそのときの恐怖が体や脳へと流れ込んできて。上記を泣きながらにも述べながら、縋るように物乃芽の手を握る)
ごめんなさいっ、ごめんなさいっ―――…ごめんなさいっ
(それからまるで狂ったかのように謝り続けると、縋っていた手を解いて自身の顔を両手で覆ってしまう)
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