柊 2014-06-16 01:29:42 |
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>物乃芽
(相手が駆け寄ってくる姿に、なんて未熟な行動を起こしてしまったのだろうかと。それは物乃芽の悲痛な声だけではなく、表情からも感じ取られて。しかし手に抱き留める子猫だけは守らなくてはいけないと、しっかりとその手で子猫を抱きしめると、駆け寄ってきた物乃芽に連れられなんとか岸辺まで上がり。微かに震える体を収めるように子猫を胸の内でぎゅっと抱きしめながらその場にへたり込んでしまう)
っ、…はぁ、――はぁ、
(まだ整わない息で小さく呼吸をしながら、しかし物乃芽が触れる背中に痛みを感じると、そこで初めて傷がついていることに気が付いて。それを意識してしまうと余計痛むような気がして、知らないふりをしようとつま先に力をぎゅっと入れ。しばらくしない内に聞こえた「帰るぞ」の一言。それは疎外感を感じるには十分で、そこで改めて己の行動の愚かさに目を伏せる。しかしそれとは逆に、撫でられた手の温度には温かさが感じられて。どうしようもない程の切なさが込み上げて仕方が無い)
(しばらく歩くが、依然として二人の間に会話は無く。しかしそれを払うように子猫の鳴き声が聞こえ、同時に聞こえた物乃芽の言葉に「はい」とだけ小さく返事をする。それからも会話は無く、歩いていけばいつもよりも寂しげに見える平屋が目に入る。それから玄関に入ると、柊はその場で立ち止まり)
―――物乃芽さん、
(呼びかけるように、寂しそうに。
しかし自身が起こしてしまった行動に悔いる気持ちは無くて。子猫の命を助けられた、柊にはその思いが一番強く。相手を求めるように彼の袖に触れようとして)
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