柊 2014-06-16 01:29:42 |
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>柊
……危な、ッ!!
(制止を振り切り進んでいく相手に頼むから無事で居てくれと願うがそれも虚しく、流木が背中に直撃して体勢を崩しそうになるのを目の当たりにすると全身の血の気が引く感覚がして
(反射的に身体は未だ流れの速い川の中へと進み、必死で子猫を守りながら痛みと闘いその場に踏みとどまる相手の元へ向かっていて、何とかたどり着くと黙ってその華奢な身体を支えるように引き寄せて。そしてそのまま相手と猫を庇いながら元居た岸辺にへたり込むようにして戻って
………
(黙ったまま既に整った息で相手を此方に背が向くように座らせると流木が当たって僅かに着物が破れ血の滲む背にそっと手を触れて。よく見れば泥水で汚れた着物の下から見える細い足も枝や小石が当たったのか無数の掠り傷が出来ていて
……帰るぞ、
(相手に優しくせねばと思う半面ひどく怒りに似た冷め切った感情が心を支配していて。相手に見えぬよう無力さを悔いるように唇を噛み締め背中の傷を再度撫でた後、相手に片手で猫を抱えさせながらもう片方の肩を支えてはゆっくりと立ち上がり。
……子猫はしばらく平屋でみるから
(傘を片手に歩みを進めながら相手を一切見ずにいたが、重たい空気を払拭するように子猫が鳴けば小さく短い息を零し、やはり相手を見ずに低声でボソリと呟いて
相手を支えて身体は密着しているのに酷く離れている気がするのは己から距離を置き相手との隙間を広げようとしているからか…。平屋までの距離が途方もなく長く感じるが其れからは一言も声を発することはなく冷ややかな態度をとり続けて
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