□□ 2025-12-30 22:14:59 |
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( あと数ミリ。届かないまま屈辱と羞恥に震えている唇を見下ろして、堪らず喉の奥で息を詰める。……反則だろ、その顔。幼馴染ごときに変な感情が湧きそうになる。スマホがあったら確実に保存案件なのに、夢なのが惜しい。俺相手にこんな必死な、愉快極まりないキス待ち顔、現実じゃ絶対見れないし。一生ネタにして擦るやつ。──視界の端に映るのは、どこまでも白い壁と床。音も温度もない。感情なんて存在しないみたいな無機質な空間。なのに、そんな箱の中でこの一角だけが明らかに浮きまくっていた。踏み込むことにした勇気は認めるが……それでも、こちらからは手は出さない。じっと動かないまま、嫌味なほどに余裕ぶった声で煽り散らかして )
……ほら。あとちょっと。
( 楓の背中に回した腕に、更に少しだけ力を込める。逃げられない程度に。白い床に二人分の影が重なって、でも唇の距離だけは埋まらない。静かすぎる部屋に、こいつの荒い呼吸だけが浮いている。それでも、触れない。そっちから求めてくるまで。個人的にはどちらに転んでも面白い状況で、意地悪く双眸を細めて )
やるって決めたならやれ。
それが出来ないなら、どうしてほしいか口で言え。……言えたらしてやる。すぐにでも。
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