◆ -- B U D D Y ＆ B L O O D Y ？ -- ◆

>トーマ

……貴方、前線の人間じゃないでしょう。盤上の負けにそこまで価値を見出すのは、実際に膝を着く目に合った事の無い連中だけ。違う？
（ 挑発紛いとはいえ、無感情の羅列の中にようやく明確な意図を見出せば愉しげに双眸を細め /
ちらりと目をやるのは机の下で突き合わせた彼の足。先刻一瞬感じた違和を確かめるにはちょうど良いと、不躾な好奇心を穏やかな声音に隠し ）……歓待しようにも駒の意味すら知らないジョン・ドゥが居るってこと、私が言いたいのはそれだけ。資料見りゃわかるわよ。ついでに私の名前もね。（ 聡明な受け答えに何とも言えない表情を浮かべ、条件反射的に開きかけた唇は一度閉ざして / 要はチェスというツールの選択に疑問があるのだと、幼い仲間の姿を思いつつ遠回しすぎた言葉を今一度並べ、自己紹介はひとまず後回しに ）


>オスカー

──随分と腕の悪い医者に当たったのね、お気の毒。私だったらもう一度首をかっ切って死んでるわ。（ 第三者の指摘に肩を竦めて同意を示し、次いで彼のほうへと視線を移せば目に飛び込むのは異質な縫い目 / 挨拶もそこそこに哀れみの声音を作り、自身の喉元をそっと押さえて ）