2024-01-04 23:14:52 |
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(夢の海を一人歩いていた。流れは穏やかで、水面には淡い月の道が浮かび上がっている。この道の向こう側に彼女は行ってしまった。笑いながら、もうリグレットではいられないと口にして。行かないで、とは言えなかった。自分の形が歪む苦しさを知っているから。行かないで、とは言いたくなかった。誰かの形を意のままに歪めたくなどないから。自由の為に魂を放り投げたことを今でも悔いているから。バランスを崩しかけた瞬間、何とか体勢を立て直して顔を上げる。――自分の足で立たなくちゃ。夢の海は相変わらず冷たくて月が無ければ一面の黒だ。それでも、歩いていかなくちゃ。澄んだ世界で見た星と音楽と物語がある。きっと、大丈夫にして見せる。怒りも涙も笑顔にももう許しは必要ないのだから。)
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