2024-01-04 23:14:52 |
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『 レコードに花束を 』
(あの頃のように上手に笑えていたのか。鍵を掛けてしまったはずなのに、鍵は壊れていた。失くした自己が今日も見当たらないまま手放した自己が戻ってきた事実が刺すように冷たかった。舞台に上がることも無いのだから、壊れて使わなくなったレコードを戸棚の奥に隠すみたいに雪に紛れてしまいたかった。
そんなことないよ。きっと自嘲を隠しきれなかった。次はあの頃みたいに上手に笑うよとはにかむ。少し心が痛んだ。だけど、いつも冷たい私の手が流れる涙がこの瞬間だけは温かかった。)
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