乙種七類型調査隔離　──番、〆

…何だ？下から突き上げられたいのか？( 幾度か言葉を口遊む内唐突に肩へと力が込められれば、一瞬思惑通りに倒れてやるか迷ったものの、ひとまず相手の出方を伺おうと大人しくシーツに身を預け / 誂いを含んだ声を掛けながら相手を見上げて目を細め / 片手を伸ばすと相手の後頭部に回し引き寄せて )俺も寿命を代価にすんのは初なんだ、悪魔としちゃ名折れも良いところだな。…怒ってる顔も可愛いぜってのは神経を逆撫でするか。( 肩を竦め飄々と嘯き / 先よりも幾分か和らいだ語気にクスクスと笑みを漏らしては力の抜かれた手に視線を遣って )なるほどな。今の所俺に契約を解消する気は無いが、心変わりした時の保険として恋人関係に留めとくわけね。……ふ、寛大だな。俺が死なねえように配慮してくれてんのか。( 相手の言う番と言う概念を奥深くまで理解しているかと言われれば非常に怪しいが自身なりに噛み砕いてその意図を咀嚼するとゆっくりと首を傾け / ともすれば扇動か揶揄に数えられかねない調子で言葉を付け足し )

…我愛ｲ尓愛到無法自抜。言ってみろ。( シーツへ倒れ込んだ相手の体を跨ぎ顔の横に両手をついて / 問い掛けには不服そうに片眉を上げ言外に否定を示し / 引き寄せられるまま相手の肩口に顔を埋めると耳元へ唇を寄せ先程よりもゆっくりと噛んで含めるような声で伝え )意外だな。お前程他人の寿命食い荒らしてそうな奴居ねぇのに。…、( わざとらしく眉を上げて見せ / 不服ながらも返答が即座に出て来ないのが何よりも如実な答えである事には変わり無く、徐に顔を寄せると相手の下唇へ犬歯を立て )…お前が後悔しねぇように配慮してやってんだ。番になるってのがどういう事か分かってねぇだろ。( 眉を寄せると相手の胸元を人差し指で軽く突き )

我愛ｲ尓…愛到、無法自抜。( 耳元で伝えられる要求に目を細め / 慣れない異国の発音故に辿々しいながらも復唱を終えれば心做しか得意気な表情を浮かべて相手を見据え )寿命にも価値があんだよ、どうでも良いヤツのなんか貰ったって意味がねえ。( 相手の印象に首を横に振り / 抗議の代わりなのか突き立てられる牙に僅かに眉を顰め )そうだな。分からせてくれるんだろ？( 胸元を突く人差し指に自身の掌を重ねて口角を上げ )

…よくできました。( 一度身体を起こし相手の口元へ視線を落としてその声へ耳を傾け / 発音された言葉と得意げな表情に笑みを零すと相手の髪へ指を通し )お前は俺を喜ばせンのが上手いな。…少しは反省したか？( 相手の言葉の裏を何処までも都合良く解釈すれば頬を緩め / 唇を離すと歯を立てた場所を親指で撫でながらゆるりと首傾げ )…そうしねぇとお前にも首輪をやれねぇからな。( 掌が重ねられると手を開き互いの指先を軽く絡ませるようにしながら口元に笑みを浮かべ )

…良く出来た生徒にご褒美は？( 髪に通される指に目を細めながら相手の唇を親指で軽く押し )おう、喜んだまま食い尽くされちまえ。…反省、ねえ。したって言えば良いんだろうが、絶対またやる自信があるな。( つられたように目元を緩ませて / 指の当てられる唇にさも困ったと言わんばかりの口振りで嘯いて )あんまり焦らすと噛み付くぜ、早めに縛るもんをくれよ。( 柔く握り返して / 空いた掌で自身の頬を横に引くと犬歯を見せ付け )

オネダリ上手な事で。( 唇へ触れる指先に笑みを零すと再度身を屈め柔く唇を食み )まあそれも悪くねぇか。…随分素直なこった。ッたく、厄介な奴だな。( 満更でもない心境に苦笑を浮かべて呟き / 反省を促しておきながら素直に頷く相手は此方も想像ができず肩を竦め )別にそれでも良いンだけどな、俺は。お前が痺れを切らすまで待ってみるか？( 犬歯に視線を遣れば目を細め / 悪戯っぽい口調で告げゆるりと首を傾げ )

…、( 重ねられる唇に満足気に口角を歪め / そのまま相手の首と腰に手を回して / 相手が不安定な姿勢であるのを良いことに体勢をひっくり返してシーツに沈めてしまおうとし )はは、お前も大概絆されてんな。……俺が厄介じゃねえ時なんてあったのか？だとすりゃお前は相当な策士だよ。( 些か傲慢にも聞こえる台詞を上機嫌で口にして )…俺の暴走がそんなに良いもんだと思ってんのかよ。言っておくが、昨日は手加減してやったんだからな。( 絡ませていた手指を不満を示すよう一度強く握り返し / 緩々と拘束を解きやや不満げに眉を上げて )

っ、…油断も隙もねぇな。( 脱力し油断しきっていた所に力を加えられれば抵抗の間も無くあっさりとシーツに身を沈め / 不意に反転した視界に呆れたような声色で零し )そうだな。お前に残りの人生食いモンにされても良いと思っちまうくらいには絆されてる。…仰る通り、一瞬も無かったな。( 不服を露わに眉を寄せ )…お前に手加減って概念があった事が驚きだ。( 言葉に呼応するように力が込められる指先へ視線を落とし / 凡そ信じ難い言葉に片眉を上げ )

…我愛ｲ尓愛到無法自抜、…なぁ、ダメか？( 相手の言葉に含みのある笑みを漏らし / 見下ろした相手の肩口に鼻先を擦り付けると潜めた声で習ったばかりの睦言を口にして / 徐に顔を上げると悪戯げな面持ちで再戦を強請り )そんじゃ俺の方もちゃんと食い物にしてくれよ。…ふ、俺からすりゃお前も同じようなもんではあるけどな。( 自身を指し示すと緩く首を傾げて )でなきゃ今頃お前は動くことも出来てねえよ。良かったな、俺に少しでも理性があって。( 心外とばかりに語勢を強め )

……教えるんじゃなかったな、( 不覚にも可愛らしく感じてしまう仕草と相手が自分の国の言葉で口にする甘ったるい台詞に思わず顔を顰めて呟き / 断れるはずも無いが素直に承諾を口にするのも妙な敗北感があれば相手の鼻先へ顔を寄せやんわりと歯を立て )そんな熱烈な口説き文句は生まれて初めてだ。…俺はお前に一杯食わされてばっかだったじゃねぇか。( 思っても居なかった言葉に思わずくすくすと笑い / 片眉上げ )なら暫くは手加減しててくれ。生憎俺は突っ込まれる側の経験は殆どねぇからな。( 相手に言われれば妙な説得力があり強ち誇張でも無いのだろうと思わせられれば微かに表情を引き攣らせ / 肩を竦めつつ眉を下げ )

我也…、忍不、住想把它、占為己有。( 鼻先への感触に微かに笑みを零し / 嘗ての記憶を辿るようにしながら甚だ発音の怪しい言葉を口にして / じっと瞳を見つめて無言で肯定を催促しながらも掌は既に相手の服に潜り込んでおり / 身体の曲線に手を添わせて親指の腹で撫で )前から思ってたが、お前の熱烈の基準は大分獣寄りだな。…そうか？世間じゃ惚れたほうが負けだと言うんだが。( 僅かに首を傾げて / 苦笑の混じった笑みを浮かべながらゆるりと目を細め )そりゃ良かった、これからは教え込まれる喜びを知れるわけだ。……しばらくは、な？( 相手の唇を人差し指で軽く押すと含意のある声音で付け足し )

…は、何で、ッ、( 発音は拙くとも言わんとしている事は理解でき心臓が跳ね / 相手の前ではそう何度も口にした訳では無い言葉に戸惑いを浮かべている最中素肌に触れられると微かに背筋を震わせて言葉を呑み込み )そっちの方が本能的で熱烈じゃねぇか。それとも人間の感覚は違うのか？…へぇ、その点では俺に負けたと思ってるわけね。( 指摘され今更気付けば瞬き一つ落として告げ / 眉を上げるとくすくす笑い )喜びになるかはお前次第だな。精々トラウマを植え付けないでくれよ。…お前基準の“暫く”じゃねぇからな。( 釘を刺しては唇に触れる人差し指へ柔く歯を立て )

言っただろ、俺は執念深いんだ。自分のもんには特にな。( 相手の反応に目を眇め / 服ごと捲り上げるように腹から胸部へ向けて掌を滑らせ / 恐らく昨夜の痕の残っているであろう肌に顔を寄せると肩口に鬱血痕を残そうと唇で食み )まあ、建前剥がせば人間も同じようなもんか。……負けだろ。まんまとハマらせやがって。( 納得したように頷き / 相手に責任転嫁するような物言いで肩を竦めて )心外だな、俺がトラウマを植え付けるようなヘタクソに見えてたとは。……俺は都合の良いように取るし、お前はいずれここが疼くようになるよ。( 不満顔で首を振り / 相手の臍の辺りをぐ、と親指と人差し指で押して )

っ、見上げた執念だな、( 相手の手付きに否が応でも昨夜の記憶が思い起こされそれすらも快感の火種になるのか些細な刺激に腹の奥が疼くような妙な感覚に襲われるとほぼ反射で無意識に相手の肩に片手を遣り / 肩口に唇が寄せられると顔を横へ逸らし眉を寄せて片手の甲で口元を押さえながら息を詰める合間に揶揄を込めて返して )お前は他の人間よりも分かりやすく熱烈だから良いよな。…俺のせいみてぇに言うなよ。俺が目論んでたのは精々お前が死んだら確実に遺体を手に入れようってぐらいの慎ましいモンだったんだから。( 小さく笑みを零すとゆるりと首を傾げて相手を見据え / 被害者面とも取れる言い分に片眉上げ )お前が下手だったらこの世に上手い奴なんか居ねぇよ、逆だ。皆まで言わせんな。……俺ばっか体作り変えられンのは癪だな。( 不満げな表情を見せる相手の鼻先を弱く摘まみ / 真っ向からの否定もできず相手の手元へ視線を落として呟き )

こら、我慢すんなってのを忘れたか。（ 肩に添えられる掌に軽く口角を上げるとその指の背を柔く撫でて / 一つ肌に小さな鬱血を残せば顔を上げ / 反応を抑えているような素振りに片眉を上げ唇を隠す相手の掌を掴み、緩々と引き剥がして / 相手の下腹部を膝でゆっくりと刺激しながら顔を覗き込み ）お前の好みにあわせてやってんだ。…俺の身体は監獄の半分が垂涎する代物だぜ。それを慎ましいととられちゃ堪んねえ、価値は正確に測ってほしいね。( 自信過剰を思わせる言葉を吐きながら相手の顎を人差し指でトントンと叩き )そう言うほど気持ち良かった、ってことだな。…何だ、俺も作り変えてくれんの？( 摘まれた指先を退かそうともせず愉快げに喉奥を鳴らして / 視線の先に笑みを浮かべながら臍を押していた手指を下へと降らせていき )

は、ッ、…忘れた、( 肩口への微かな刺激はその存在を意識する程甘ったるく胸中を擽り束の間目を細め / 不思議と相手の意向に逆らえずあっさり手を離してしまい / これまでよりも鮮明な快感に意図せず体が強張り体内に蟠る熱を逃がすように息を吐き / どう言われようと多分に理性の残る状態で我慢をしない等できるはずも無く相手の視線から逃れるように下方へと目を伏せながら短く答え )俺の好みまで把握してんのかよ。洞察力まで一級品か？…悪いな、まさかそんな奴から求められると思わなかったモンで審美眼が狂っちまった。( 顎を叩く手を緩く握ると白々しく肩を竦め )身も蓋もねぇ事言うな。…そうだな。取り敢えずお前が俺以外の奴に手ェ出す気にならねぇように努力するよ。( 口にしなかった部分すら明け透けに言葉にされてしまえば不満を零しつつ手を離し / 触れられた場所から熱が上がっていくような妙な心地がすればその手を掴み )

ならもう一回教えねえとな。……これ、気持ち良いな、紹？( 離された掌を片手でシーツに縫い止めると首筋を辿るように唇を這わせ / 肩口に顔を埋めると柔肌にゆっくりと犬歯を突き立て、赤い痕を咲かせたそこを満足気に指ですり、と撫でて / 緩々と顔を上げると一定の律動で臍下に軽く体重を掛けながら相手の瞳をじっと見据え / 脳に擦り込ませるようゆっくりと言葉を口にして )正確に言えば違うけどな、お前の好みを俺にしようと画策してんの。……そんな奴から求められてどんな心地なんだ、商人サン。( 相手の態度にクスクスと笑みを零すと首を傾けて )まだ俺に信用がねえことはわかった。……これ以上はヤダって？( 眉を寄せては相手と同じく不服を申し立てるような声音で口にして / 掴まれた掌を持ち上げるとそのままひらひらと手を振り )

っ、ん…ッ、っ、は、( 首筋を這う唇の感触すら普段に増して感情を昂らせそこへ意識を絡め取られている最中に肩口へ鋭い痛みが走ると顔を顰め / 相手の動きは昨夜の記憶を思い起こさせるには十分すぎる物で腰の辺りがじわりと重くなれば自然と呼吸が上がっていき / いつの間にか合わせた視線を逸らせないまま靄の掛かった思考へ蜜の如く垂らされる言葉と口にされる自らの名前に自然と唇は薄く開くも僅かな理性が判断を遅らせ言葉を発する事ができないまま相手の瞳を見据え )…此処まで健気な策士が相手じゃ絆されても無理ねぇな。…そうだなァ、いつ地獄に落ちンのか怖くてロクに寝れもしねぇな、ってとこだ。( 握った手を手遊びに絡めながら笑みを零し )そうは言ってねぇよ。信用と俺がお前を満足させられるかどうかは別だろ。…そうだよ、あんま煽るような事すんな。( 宥めるように相手の髪へ指を通し / 肯定を述べては相手の手を離し )

…はは、可愛い。……気持ち良いって言うんだよ、覚えたな？( 相手の呼吸とは裏腹に態とゆっくりと呼吸をしながら蕩けた中に欲情が見える声で呟いて / 未だ何処かに意地が残る様子の相手に胸の内から今直ぐに暴いてしまいたいと言う嗜虐心が湧き / 視線が合わされば緩く笑み表情とは逆に先程よりももう少し下部に膝をずらすと一際強くぐり、と押し込んで / 相手の心臓の位置に当たる素肌に手の甲を置くと指の背でコツ、コツと軽く叩きながら相手に答えを預ける形で首を傾げ )じゃあ今んとこ策は成功だ。…地獄ね、多分此処よりしっくり来るぜ。( 相手の言う地獄の想像と軌を一にしているのかは定かでないが搦められる指を柔く握り返しては目を細めて )…じゃあお前、俺が他に手ぇ出したらどうすんの。それと煽ってんじゃない。誘ってんだよ。( 目を眇めると / 離される寸前に掌を掬い取るとその手に口付けてぱっと離し / この意に拒否が唱えられなければ昨夜同様直ぐに身体を頂いてしまうつもりで口端に笑みを浮かべ )

うあッ、 ん…ッ、お、覚えた…っ、( 甘ったるい声で呟かれた言葉に反応する余裕も無く荒い呼吸を繰り返しているも唐突に先程までよりも鮮明な快感が背筋を走ると思わず僅かに背を反らして上擦った声を漏らし / ろくな抵抗ができないまま堪らず身動ぎしては眉を寄せて頷き )それすらお前の思惑通りってか。俺はまんまと掌で転がされてるわけね。…どうだか。俺の地獄はお前が居ねぇ所だからなァ。( 指先で相手の手の甲を撫でながら呟き落とし )…どうすっかな。俺にはまだ不貞を働いたお前をどうこうしてやる権利がねぇもんで。…そうかよ。( 肩を竦めて笑を零し / 返答に窮し束の間口を噤むも短く一言告げ / 何方にせよ相手の意に沿わない選択肢は無く言葉の代わりに一度唇を食み )