― 火砕流のアノミー ―【 シリアス / 少人数群像劇 】

― 火砕流のアノミー ―【 シリアス / 少人数群像劇 】

トピ主  2023-03-30 19:23:48 
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木漏れ日を歌う小鳥の囀り。
夜に咲く白い花の甘い香り。
子供たちの笑い声。
愛を誓う鐘の音。

――それらは全て、霊峰ミラルッカの大噴火により突如として崩壊した。


巻き上がる火砕流は決して晴れぬ雲となり、人を死に至らしめる灰を降らせ続けた。
それだけではない。
大噴火の日を契機に、謎の怪物――魔族が人々を蹂躙し始めた。
世界は絶望に包まれた。

――が。
一部の人間は【奇跡】と呼ばれる能力に覚醒し、火山灰に適応し、この世界に抗う力を得た。



 一体、何故?

 火山灰に適応できる人間が現れたのか?

 奇跡の力が人間たちへ授けられた理由は?

 死火山と謳われ200年間 眠っていた霊峰が突如覚醒したのは偶然か?

 湧き出る魔族を根絶することは出来るのか?

 ――――かつての穏やかな日々を、奪還することは可能であるか?


>閲覧感謝します
>トピ成分の配合はシリアス×人間や魔の間に生まれる情と葛藤×織り成される群像劇
>戦闘より若干交流重視
>島を蹂躙する魔族と戦い、世界の謎を解き明かしながらそれぞれの“目的”を果たす王道ファンタジースレ
>章立てでストーリーを構成しており、完結までのプロット有り
>合図があるまでレス禁止





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  • No.28 by アケハ / イヴァン  2023-04-01 02:25:56 




番号 : ③ + E
名前 : イヴァン
年齢 : 22

性格 : 戦闘狂の単純バカ。豪快だが粗野。魔と積極的に戦うが、それは人々を守るためではなく、「俺の方がこいつより強い」と証明したいため。だがバカなので、周囲に上手く乗せられると、自分ではその気がないまま人を助けることもある。自分の暴走がたまたま人助けになって感謝されると、俺の覇道を勝手に読み違えるなと理不尽にキレる。
22歳の青年だが、まともな倫理観がまだほとんど備わっていない。遺体を平気で踏み越え、人の所有物を何食わぬ顔で奪う。要は情操的には5~6歳の、大人に躾けられていない悪童。だが裏を返せば、これから少しずつ人間性が育っていくところ。そのきっかけは、他の適応者や心のある魔たちだろう。
教養も皆無。かろうじて読み書きと金の計算ができるくらいで、「考古学」や「地質学」という学問の存在すら知らない。その方面の不得手さやアレルギーには自覚があるため、難しい話をされると嫌そうに唸ったり頭を掻きむしったりする。
だが動物的なセンスはある。「雷霆」の力を自分の体に使うことで、自分の身体能力を底上げしたり、心停止した時に自ら蘇生させたりできるなど、戦闘面では頭が回る。

容姿 : 短い金髪、琥珀色の目、普通の範囲での犬歯あり。顔つきは如何にも好戦的。身長178cmで、スポーツをやっていた&肉体労働に従事していたため筋肉質。黒いインナー、V字に開いた胸元、ズボンがだぼついた灰色の繋ぎ、黒い作業靴、というとび職の格好がデフォルト。物は盗むのが当たり前なので、私物はほとんど持たない。

備考:
美しきナデュオ島の暗部、貧民窟出身の孤児。そこからスポーツ特待生として進学の道を掴み取り、十代のころから高慢だが優秀な選手として活躍。だが、本人の成績不良・素行不良・貧窮のせいで大学への進学が許されなかった。それを納得できず暴れたせいで前科者入り。釈放後は渋々肉体労働に就く。自分と違って恵まれた「一般家庭」に育った元チームメイトたちが、スポーツ選手として華々しく活躍しているのを横目で眺めているうちに、心がすっかり捻じれてしまった。
なので、ナデュオ島を襲った大噴火を悲劇とは思わなかった。「あいつらは全員死んだ、だけど俺は生き残った。やっぱり俺の方が強いんだ!」と喜び、自分が「適応者」という特別な人種だと知るとますます勝ち誇って、その力を嬉々として振るい始める。
もともと、貧民窟から這い上がったのも、「俺はこんなもんじゃない」「俺には力がある」という高慢な信念を宿していたためで、学友の死を何とも思わなかったのも、貧民窟出身の自分は恵まれたかれらと上手く打ち解けられなかったせい。この極端なほどの自己中心的スタンスと無意識に備わった疎外感が理由で、「世界の謎を解明したい」なんて高尚な考えは思いつきもしない。島に生きる他の人々のことはどうでもよく、自分の強さを振りかざして生きていたいだけ。人間であることをやめるのにさえ躊躇がないのは、自分の孤独さ、人間社会から浮いてしまう哀れな生き様を自覚していない証拠。
自分に興味津々らしい「変な女」のことが、小難しい言い回しをするという理由で苦手。そのせいで、彼女が有益な情報を口にしても、初期の間はそれを雑に聞き捨ててしまう勿体ない反応が多い。彼女の連れている「イザーク」のことは、強そうなので闘りあいたい、と好評価。
「蠍女」「狼野郎」を見かければ戦闘を挑むだろう。かれらに辿り着くために、妻を喪った男と行動したり、「緑髪」を利用しようとしたりすることもあるだろう。「ふわふわ女」は自分にない眩しさが苦手だ。その恋人である男や、自分の恋人を懸命に探す女のことは、自分とは違う人種のようだと感じるだろう。


ロルテスト

【 イヴァン / 埠頭 】


ハッ、雑魚がよぉ――!

( 血とともに吐き出した嘲りは、この体を砕かんばかりにぎちぎちと絡めとる、蛸の魔族に向けていた。おぞましく脈打つ赤紫色の頭部、そこには三本の『雷霆』が深々と突き刺さり、どす黒い体液をびゅうびゅうと噴き出している。実体化させた雷の槍は、頭部にある魔核を正確に貫いた様子。その証拠に今、怪物の横長の瞳孔が、ぐるりと上を向いて、死んだ。触手が痙攣を起こして緩み、どちゃりと地上に落とされる。ぐたりと大の字に寝そべったまま、口元に狂気的な笑みを浮かべ、乱れた呼吸を整える。暗い空をちらちらと舞う火山灰が、頬の辺りに落ちてきた。それでも肌が溶けないことに、ますます笑みを深くする。埠頭のあちこちには、漁師の慣れの果てだろう髑髏が散らばっている。でもここに横たわる自分の心臓は激しく脈打ち、全身の傷からは死なない程度に血が流れている。こんなに強烈に生を実感することがあるだろうか。明日も戦うために倒した敵の魔核を喰らいたいが、今は休息を優先すべく、満足気な顔で目を閉じる。潮風の吹きすさぶコンクリートの上、どこからでも襲われそうな状況で大胆に寝ているのだから、傲慢な胆力をあからさまに見せつけていることだろう )



( / 受理前ですが出来上がったので提出します。デフォルトではとっつきにくい造形ですが、多くは他のキャラクターに諭されたり、感化されたりする形で、少しずつまともな青年になっていけたらと考えております )



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