―　火砕流のアノミー　―【 シリアス / 少人数群像劇 】

　　《 プロフィール 》


番号：②-B
名前：クロエ・シモンズ
年齢：24歳

性格：周囲から一歩引いた姿勢を崩さない冷淡な性格。不愛想とまではいかないが皮肉屋であり、可愛げのない捻くれた言動も多い。利害の一致により他人と協力することこそあれど、基本的に相手に踏み込むことも踏み込ませることも稀。ただし、一度打ち解けた相手に対しては生来の人懐っこい一面を覗かせることも。歪に達観した視点で物事を見ており、何かに執着することを避けている節がある。

容姿：下ろすと胸元まである頭髪は鈍く光を反射する銀髪。あまり手入れが行き届いていないのか、どこかくすんだ印象。普段は後頭部で緩く纏めており、目に掛かる長さの前髪はおざなりに耳に掛ける。やや濁った深い紺色の眼は伏し目がち。薄い唇は気難しげに引き結ばれていることが多い。
身長166cm。女性らしい華奢さはあるが豊満とは言い難い、やや細身の体躯。立襟シャツに革製のコルセットベスト、黒いタイトなボトムを合わせた動きやすい服装を好む。靴はソール部分に鉄板が仕込んである赤茶色の編み上げブーツ。右耳には深紅の小さな宝石が光る白金のピアスが一つ。外出時は煤けた黒鳶色の外套を羽織る。

備考：とある名家の生まれであり、半年前までは何不自由のない生活を送っていたお嬢様。厳格ながら愛情深い両親に育てられ、優しい婚約者にも恵まれて人生の春を謳歌していたが、半年前のミラルッカ大噴火により全てを失う。ミラルッカの麓に屋敷を構えていたシモンズ家は全滅、婚約者のリアムも火砕流に呑まれて行方不明。以来、適応者として生き残ってしまった己を心の隅で呪いながら、リアムの遺体を探し続けている。情報収集のために「人を探している」、と公言しているが、内心では彼の生存はとうに諦めており、もしも遺体を見つけることが出来れば心置きなく後を追えるという考えが根底にある模様。自身の生への執着が希薄。
突如噴火した霊峰ミラルッカに対しては乾いた恨み以外の関心は殆ど無いが、他の適応者の存在やその奇跡には一定の関心があるようで、特に治癒や蘇生に類する奇跡を持つ適応者には分かりやすく興味を示すことも。魔族に対しては可能な限り関わらないという姿勢を貫いているが、生き残るために必要であれば殺害を厭うことはない。
器楽やダンスといった淑女らしい嗜みの他、護身術の類も幼少より叩き込まれており、魔の跋扈するナデュオ島を適応者として生き抜くのに一役買っている様子。リアムとの婚約は双方の家の意向で定められたものであり、初めこそ若干の反発心を持っていたクロエであったが、リアムと許嫁として過ごした数年で彼の人柄を知って純粋に好意を寄せるようになり、結婚を心の底から喜んでいた。


　　《 ロルテスト 》


【 クロエ / とある廃墟 】

（相対する魔の疲弊を感じたが故の、一瞬の油断。それが許される甘い相手ではないことは、この数十分の戦闘で理解していたはずなのに。巨大な蜥蜴のような悍ましい異形の魔の、切り落としたはずの尻尾がいつの間にか再生していることに気付いたのは、その太くザラついた尾に薙ぎ払われて、廃墟内の瓦礫の山に背中を強かに打ち付けた後で。肺の中の空気が全て押し出される程の衝撃に嘔吐きながら、痛む鳩尾に手の平を当てれば、ぐっしょりと湿った感触が伝わり、焦りとはまた別の苛立ちに眉を顰めて。）

かハッ、……くっ、冗談じゃないわよ。私の命は、この血の一滴すらも、──あの人のものなのに。

（低くぼやきながら立ち上がり、見据えた相手は確かに瀕死と言っていい様相だが、対するこちらも奇跡の力は既に枯渇しかけており。無から氷の刃を創るのはもはや不可能だと、チラつく視界が告げている。溜息を一つ。血塗れの両の手の平を胸の前でぴたりと合わせ、ゆっくりと広げれば、顕現するは真紅の手斧。常とは違うその色に一度目を細めてから、鋭い爪を振りかぶりつつ突っ込んでくる蜥蜴の魔との間合いを計る。一閃。相手の毒爪を上体を屈めることで躱しつつ横薙ぎに振るった斧に確かな手ごたえを感じれば、そのままの勢いで魔の背後に回り込み、項に光る魔核に血色に煌く氷の刃を叩きつけて。キィンと響いた耳障りな音に感じる、僅かな眩暈。崩れ落ちる魔、その毒々しい色をした魔核が砕ける様を見届けてから、ゆっくりと膝を付いたが、疲労とダメージによって力の抜けた体をそのまま支えることは叶わずに、ぬかるんだ地面に倒れ伏して。）

……はぁ、こんな無様な姿じゃ、会いに逝けないわね。


（ / キープをお願いしていた>>9です。質問にも丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。プロフィールとロルテストの確認をお願いいたします。不備等ございましたらご指摘いただけると幸いです！）