ROSARYー変わり果てた世界で戦い続ける者たちー

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22時、下層B-13区画。人数は10人。うち5人はサイボーグ…ね。相変わらずウチの諜報部員は優秀だなー……

（鉄骨が剥き出しになった半壊のビル群、その間を縫って路地裏を進んだ先の開けた広場は人目を盗んで"何か"をするには最適の場所だろう。そこに集まった男たちに正面から向かっていく。容赦なく突撃銃の銃口を向けてくる彼らに対して、先に引き金を引いたのは自身の方だった。いつの間にか背中のホルスターから抜かれていた拳銃は右手の中で既に硝煙を上げていて。主犯格だろう仰々しい装飾の男が崩れ落ちると同時に「こんな情報、ガセなら良かったのに」と吐き捨ててからもう片方の拳銃を左手で引き抜いて駆け出した。違法薬物の蔓延したこの街に、更に強い薬を試験的に流通させる、そんな非道なことをする奴らがいるなんて嘘なら良かったのに…。男よりも小柄な体躯を活かして懐に潜り込めば右腕に持った拳銃を一回転。銃口が真上を向いた瞬間にストップをかけて引き金を引く、銃弾でのアッパーカット。透かさず両腕をクロスさせれば左手に握られた銃の照準が右へ、右手に握られた銃の照準が左へ迫りくる敵を迎撃する。4人を仕留め終わる頃には残りの6人が布陣を組もうと後退する。そうはさせるかと目の前の死体を、強化された機械製の筋繊維で思い切り蹴飛ばせば、全員の視線は当然、自分たちに向かって飛んでくる死体に向く。その陰から空高く飛び出せば男たちを飛び越え、背後へと着地してやる。6人のうち、5人はサイボーグだったことを思い出し、誰がそうかは分からずとも全員の頭を撃ち抜けば良いだけだ、と。冷たい目で照準を合わせて引き金を引いた）


……こんなもの、本当なら今すぐ破棄してやりたいんだけどね。ちゃんと解析して治療薬でも何でも作って貰わなくちゃ。

（見るからに人体に有害そうな色の液体が入った試験管を、収納されていたジェラルミンケースごと回収しては死体はそのままに広場を後にして。来た道を戻り、ようやく通り慣れた大通りに出るとROSARYアジトまでの道すがら、ほぼ安全圏とも言えるこの周囲で食事を済ませるのもアリか、或いは買い物をしてアジトの仲間たちに料理でも振る舞おうか。そもそも輸送を最優先にしようか悩みながら一歩ずつ歩を進めていて）