沢下条 張 2022-12-17 00:45:55 |
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…知らねぇよ、向こうから勝手に寄ってきて勝手に離れていく。
特定は作らない条件で了承してんだし、いちいち考えるのは面倒だ。
("また此方をそう擁護したのでは?"と指摘すると言葉に詰まって顔を染める玉蘭を見遣り、"図星か。"と内心呆れながら本を持つ片手を下げると薄グリーン色の瞳を眺め。皆優しい彼に助けを求めに行くらしい、それはそれで別に構わない。ただそこから皆が此方に飛んでくる罵声の内容には"ギョクラン(玉蘭)の方がまともで優しい"と毎回お決まりの流れがあり)
……、
(彼は昔から正義感が強く誰にでも分け隔てなく優しい、此方のように常に戦災から逃げて飢えていた幼少時代、敵兵に殺されそうになった際人の命にまで手をかけてしまった孤児の此方とは違い、何不自由無く裕福な家庭で育ったこの彼は人や両親から無償で愛されるといった事を知っている。そんな優しい彼に人は惹き付けられて、彼の周囲は常に明るさが満ちているように見えていた。何故この男が自分を気に掛けるのか昔から謎でいるが、彼が自分の為に泣いたりそう庇ったりする場面を思い出す度に感情が抑えきれなくなり時折こうして心情が波立つと苛々してしまう。握り込む拳が見えては彼からどうして欲しいんだと聞かれるなり無言のまま"は?"とした顔を向け。パタンと閉じた本を気怠い動作で置いて立ち上がるなり背凭れに片手を置いたままじっと凄むよう薄いグリーン色の目を見降ろし)
俺がいつも何かして欲しそうな顔をしてる、だ?
…何様のつもりだよギョク(玉)、何にも期待しちゃいない。…ああ、何かして欲しいってならひとつあるな、"俺に構うな"
(そうお人善しの彼へと突き放すように言葉を発し、引かれた椅子を元の位置に戻さぬままその場を出ていくように)
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